Ⅳ 【VS 50】
俺は、目を開けた。
転移された先は広場だった。
俺はピットを開き、クエストの詳細を見る。
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クエスト詳細
敵の辻斬りから、道場の門を守る。
[勝利条件]
・辻斬りをすべて倒す。
[敗北条件]
・辻斬りに、道場内に入られる。
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俺はピットをしまい、後ろを見る。
確かに、そこには門があった。閉まってはいるが。
俺は再び前を向く。
そうすると、かなり前方から、ガシャ!ガシャ!と、音がする。
見えて来たのは…………全身を武者鎧で包んだ人らしき物が50人程いた。確かに一人とは書いてなかったし、[?]ランクだったけれども!
「50人は多すぎだろがぁぁぁぁ!!」
俺はそう叫んだ。そりゃあもう、絶叫した。
「糞!レアクエストじゃなかったのかよ」
俺はそう悪態をつきながらも、特性を発動させる。
【居合い】発動
鞘にしまっていた刀に、緑のエフェクトが纏う。
俺はそのまま、少し辻斬り達が来るのを待った。
そして、充分に寄せ付けたので、俺は走り出し、刀を抜く。
「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!」
断末魔を上げながら、三体の辻斬りが消える。
居合いの弱点は、振り抜いた後。それを知っているのかは、わからないが、大量の辻斬りが俺を襲ってくる。
しかし、俺は慌てず対処する。
【居合い・二の太刀】発動
振り抜いた刀を、威力を維持したまま、また振り抜く。
そして、一気に五体を葬る。
「ファーストアタックは上々。次は………」
俺は後ろに迫っていたのを、振り向き様に斬りつけ、牽制する。
そして、その内に少し離れてた所に行き、手をかざす。
【グラビティ】発動
魔族魔法の一つ。重力で動きを止める。
俺は動きを止められている奴を、どんどん斬る。
―――後35人
【ドラゴン・クロー】発動
刀を持っていない左手を青いエフェクトが纏う。
俺は左手で牽制しつつ、刀で斬りつけていく。
数十分後――――
敵はほぼいなくなっていた。その時、不意にアナウンスが聞こえた。
『規定人数まで減少を確認。クエストボスが出現します』
クエストボスだと!?
まだ、10人ほど残っているのに。
その間に、俺の15メートルほど離れた場所に、これまでの辻斬り達とは、明らかに違う、筋骨隆々の男が現れた。
そうすると、またアナウンスが聞こえる。
『レアボス出現。これを倒すとレアドロップが手に入ります』
その言葉に、俺はニヤリと笑う。
「上等だ!来やがれ!」
俺は走りだし、まだ残っている辻斬り達を一掃する。
流石に、ボスと一緒には戦えねぇからな………。
俺はボスに向かって、手をかざす。
【グラビティ】発動
【居合い】発動
俺は重力で動きが取れなくなったボスへ刀を振り抜く。
しかし、ボスは斬馬刀のような物で防ぎ、俺に向かって斬りかかって来る。
とっさに体をひねり避けるが、左腕を切り落とされた。
HPが残り五割まで減少する。
「くそがっ!」
俺は毒づきながら、ボスに近づき、刀を振る。
そのまま、鍔迫り合いに持ち込む。
ボスのHP、残り八割。
俺は顔を近づける。
【ドラゴン・ブレス】発動
俺の口に眩い光が集まる。
「ぐるあぁぁぁ!」
俺は溜まったエネルギーを、放出する。
口から太いビームが出て、ボスを巻き込む。
右側に浮かんでいたHPが、どんどん0に近づいていく。
【居合い】発動
俺は刀を鞘に収めて、力を溜める。
そして、ビームが細くなって、消えていく。
ボスはビームが消えた瞬間、俺に向かって斬りかかって来る。
俺は刀を振り抜く。
残りHP、二割。
【居合い・二の太刀】発動
二の太刀で、ボスの首を落とす。
――――終わった…………。
俺は緊張が解けて、膝を地面に着く。
ピットが鳴り響く。
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戦闘結果
[対戦相手]
・[F]辻斬り×50
・[D]落ち武者
[ドロップアイテム]
・[AA]名刀 菊一文字則宗
・[A]地獄の籠手
[対戦結果]
フリード
LV22→28
[獲得アビリティ]
・龍族魔法[中位]
・〈新月流剣術〉
・〈新月流体術〉
・【命懸け】(いのちがけ)
・【鬼哭】(きこく)
・【閃拳】(せんけん)
【鬼哭】
新月流剣術・一の太刀。
剣を上段から振り下ろす一撃。
【命懸け】
HPを30%消費して、発動。
全能力が二倍になる。
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俺はさっそく、菊一文字則宗を装備する。
持った瞬間、オーラだけで業物だとわかる。
ま、[AA]ランクなんだから、当然だけど。
地獄の籠手も、装備してみた。全体的に黒く、所々赤い装飾がある。
『クエスト終了。転移します』
そんなアナウンスが聞こえてくる。
「またいきなりかよ!?」
そして、俺の視界を光が包み込む。
椿の話はまた、今度書きます。
すみません。ネタが浮かばないんです。