第十三話
遅くなり申し訳ありません。
「…さてと、それじゃ本題に入るわね」
世間話を続けていた俺達だが、突然ステラが真面目な顔になり話し出す。
「本題?」
「ええ、零華はさっきの第一学園の行動を見て何か思わなかったかしら?」
「…どういうことだ?」
お互いに質問を重ね、考える。
さっきの行動はどう考えても異常だった、殺そうとする意思を否定しなかった。
それに目的があるっていうことなのか…
「ええ…噂で聞いた話なんだけどね、第一学園が何か考えているらしいの。」
「………」
「…場所を変えましょう、ここじゃ話せないわ。」
そう行って食堂を出て行く。
聞き過ごせる話ではなかったので、俺も急いで後を追う。
───野外修練場
「ここなら大丈夫かしら…」
そう言って適当な岩に腰を置く。
「室内の方が安心な気がするんだが…」
「あら、なら私達の部屋に行こうかしら…歓迎するわよ?」
「……遠慮しておく」
「…ざんねん」
満面の笑みでステラが言ってくるがさすがにそんな勇気はない。
後ろで水晶が何か言っていた気もするが今はスルーだ。それよりも話を聞かないと。
「それよりもさっきの話の続きを聞かせてくれ」
その言葉にステラは表情を引き締め、語り出す。
「さっきも言ったけれど噂よ?…けれど第一学園の何人かの生徒が魔法学園の壊滅を目論んでいるらしいわ。
私達はもしそれが本当に起こった時、それを阻止するためにここにいる。」
まっすぐに俺を捉えている瞳は、嘘を吐いているようには見えない。
けれどもし本当にそんなことが起こるとすれば、一体何のために…
考えれば考えるほど頭が混乱していく。
「混乱するのはわかるわ。私達も初めて聞いたときは信じられなかったもの。
けれどさっきの騒動を見て聞き過ごせる話ではなくなった。」
「…どうして、俺にそのことを?」
それが疑問だった。他人に伝えれば漏えいする可能性が上がって危険のはずだ。
「そうね、一つ目の理由はさっき零華は第一学園の人に目をつけられたから危険だと思ったの。もう一つ目の理由は……力を貸して欲しいの。
さっきあなたは魔法を消したでしょう?その力を私達に貸して欲しい。
みんなを守るためにはあなたの力が必要なの。その代わり、あなたのことは私が守るわ…絶対に」
そんな言葉を面と向かって言われたため、顔が赤くなる。ステラは特に気にした様子もないため、俺のことを守るという純粋な気持ちなんだろう。
俺一人が勘違いしているという状況のため、恥ずかしさで更に顔が赤くなってしまう。
「…俺に手伝えるなら、手伝わせてもらうよ。」
なんとかそれだけを伝える。
「ありがとう、しばらくの間よろしくね」
そう言って手を出してくる。俺がその手を掴もうとした時…
「…もうばれちゃいましたかぁ」
無邪気な男の声が修練場に響き渡った。
次回は戦闘です。




