第八話
やっとこの時がきたんだ…
俺が学園に入学した理由でもある魔法学園対抗戦
なのに、どうしてあんなことが起きたんだ───
魔法学園の救世主
「みんな、対抗戦の時期がやってきました。」
朝比奈先生が元気よく言った。
「まず個人戦の出場希望者はいるかしら?」
…ス、俺は手を挙げる。だが手を挙げたのは俺だけだった。
「皇君だけね…、わかったわ。皇君、ちょっと来てくれる?」
そう言って廊下に出て行く。俺もそれに続き出て行く。
「希望してくれてありがとう。おそらくだけど、希望者は学園全体であなただけだと思うわ。」
…少ないだろうとは考えていたが、まさか一人とは。
「去年までは五人はいたでしょう?どうして今年は俺だけなんですか?」
そう質問すると、先生は顔を少し曇らせた。
「ここだけの話なんだけどね、去年の対抗戦の時、出場した生徒の一人が再起不能になるまで攻撃されたの、第一学園の生徒にね。学園のみんなには黙っていたけど、見学に行く生徒も少なくないから、その時の試合を見た人もいたの。」
なるほどね、それで噂が広がって希望する生徒がいなくなるってことか。
「グループ戦はどうなるんですか?」
気になったことを聞いておく。
「学園は棄権することを決めています。個人戦に関しても魔力量がA以上の生徒以外は認めていません。だから、あなたは参加できるわ。魔力量Sだものね。」
グループ戦は棄権なのか…、蒼空達と参加できればいいと思っていたが、みんなに危険が及ぶよりはいいか。
「伝えることはそれだけよ。出発は一週間後、それまでに準備をしといてね。」
「…わかりました」
魔法学園対抗戦、個人戦とグループ戦に分けられ、参加人数はおよそ150人。
だが、数字が大きい学園ほど参加人数は少なくなる。
その間、学園は休校となり、見学に来る者もいれば、学園に残る生徒もいる。
会場となるのは第一学園の闘技場と呼ばれる場所ですさまじい広さがある。
「応援に行きますから、頑張ってくださいね、零さん」
未来が言ってくれる
「ああ、ありがとう」
俺は荷物の用意をしながら返す。荷物といっても大したものはないが。
「でも負傷する人もたくさんいるんでしょ?気をつけてね、零」
蒼空はそう言って心配してくれるが、個人戦でもグループ戦でも負傷者が出ないことはない。
死人が出ないのは危険と判断すると止める審判と呼ばれる人がいるからだ。
「零なら大丈夫な気もするけどね。」
優奈が軽く言う。信頼されてるのか馬鹿にされてるのかわからないな。
「零さんを見て勉強させていただきます。」
荷物を持ってきてくれた雫も続けて言う。
「勉強するようなことは無いと思うけどな。」
苦笑いしながら荷物を受け取る。さてと、準備完了だ。
その時、携帯に先生から各学園の参加人数のメールが送られてくる。
第一学園 25人
第二学園 20人
第三学園 21人
第四学園 16人
第五学園 15人
第六学園 13人
第七学園 10人
第八学園 8人
第九学園 7人
第十学園 7人
第十一学園 4人
第十二学園 4人
第十三学園 1人
…やっぱり俺は一人なんだな。それにグループ戦に参加するのは一から十の学園だけみたいだな。
まあいいさ、誰が相手でも絶対に負けない。
そうして何事もなく一週間が経ち、出発日がやってくる。




