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『日本改造計画』  作者: 桃太郎
改革への道(外交編)(2)
36/44

改革への道(EU非加盟国編)(5)

 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、防衛省事務次官だ。

「今日は緊急招集と言う事でした。挨拶は、不要です。まず、報告しなさい。事務次官。」

「はっ。日本時間本日未明、現地時間正午頃、LM11号OPRM。

 その人物は、当局の手で身柄を拘束されました。以上です。総統閣下。」

「妙ですね。私の記憶が、確かならばその様な報道はされていませんよ。事務次官。」

「はい。世界中何処の報道機関も報道しておりません。総統閣下。」

「…………ネットで公表しなさい。顔にはモザイク、個人情報は伏せ字、非白人移民男性、

 武器の不法所持で当局に逮捕、逮捕日時、武器の内容、以上ですよ事務次官。」

「はっ。『顔にはモザイク、個人情報は伏せ字、非白人移民男性、武器の不法所持で当局に逮捕、逮捕日時、武器の内容をネットで公表。』以上復唱致しました。総統閣下。」

「今後、続報があり次第、報告しなさい。私からは以上です。何か質問は?」

 特になかったので、今回の会議は、これでお開きとなった。


 * * * 


「……次のニュースです。

本日正午頃、倫敦ロンドン繁華街でスコットランドヤードは、職務質問中に不法な重火器を所持していた罪で、非白人移民男性を逮捕しました。尚、武装は次の通りです。

PIAT(対戦車バズーカ)10丁

ハーヴェイ・フレイムスロワー(火炎放射器)1丁

 現在取り調べ中です。」


 * * * 


 問題ありません。彼は、『件のメール』を読んで武器庫LM11号へ向かった。

 そして、保存されていた武器を持ち出した。が、自動車で運搬中に警察にばれた。

 また、火炎放射器は、燃料タンクが重い故、一丁しか持ち出せなかった。

 故に、武器庫LM11号には、後九丁の火炎放射器が、残っています。

 すると、当局がそれらを回収せざるを得ない。そして、罠発動!


 * * * 


 今日のリモート会議参加者は、日本帝国総理、外務省事務次官だ。

「今日は緊急招集と言う事でした。挨拶は、不要です。まず、報告しなさい。事務次官。」

「はっ。日本時間本日未明、現地時間正午頃、LM11号BFSY45。総統閣下。」

「45! 45ですか! 確かに全体から見れば微々たるものです。が、素晴らしい。」

「……あのぉ……如何致しましょう。総統閣下。」

「ネットで公表しなさい。倫敦ロンドン爆発事故にスコットランドヤード所属警察官45人が巻き込まれた。生死は絶望的。以上です。事務次官。」

「はっ。『ネットで公表します。内容は、ロンドン爆発事故にスコットランドヤード所属警察官45人が巻き込まれました。生死は絶望的。』以上復唱致しました。総統閣下。」

「今後、続報があり次第、報告しなさい。私からは以上です。何か質問は?」

 特になかったので、今回の会議は、これでお開きとなった。


 * * * 


 全て私の『予想シナリオ通り』だ。

 恐らく、警察スコットランドヤードは、対戦車バズーカなどの違法武器所持で逮捕した人物を取り調べ、件の倉庫……LM11号へ火炎放射器を回収しに行ったのだろう。

 そこで、機密保持用に仕掛けた罠にひっかかり、爆発物が作動した。後は、捜査員四十五人が、建物諸共に木っ端微塵となった。こんな所だろう。

 当然、罠を作動させる、させない条件は複数存在する。必然、それらを簡単に発見されない様、さまざま手を施してある。自然、連中は七十六個の倉庫全てを『捜査がさいれ』しなければならない。

 何人犠牲者を出すのか。連中の無能さ加減、見物とも言えよう。


 * * * 


 どうやら今現在、倫敦ロンドンには、シャーロックホームズはいない。

 私は断言する。今日、報告が入った。これで、倉庫の『自爆』は、今週だけで二件。

 巻き添えになった捜査員の数、七十八人。だが、連中もそこまで無能でも無い。

 既にドローン等を投入し対抗しようとしている。

 とは言えドローンごときで、火炎放射器を運搬できようはずもない。

 その為、押収するには人間が入らざるを得ない。

 しかし、爆破されると分かっていて入る者もいない。

 だが、そろそろ連中も気付く頃合いだ。

 何故、非白人系移民が倉庫の敷地内に不法侵入しても作動しないのか。

 更に、スコットランドヤードの警察官が、不法侵入すると作動するのか。

 この『唐栗からくり』に、気付く頃合いなのだ。そして、様々な『仮説』を立てる。

 が、それを『正解』と証明するにはどうするには、如何にすればよい。

 即ち、自ら建屋内に侵入するしかない。

「ほら、大丈夫でしょう。」

 としなければならない。しかし、賭けるチップは、己の命。間違っていれば、ズドン!

 そんな事が、できようはずもない。凡人ならばな。

 シャーロックホームズなら、己の推理に絶対の自信がある。

 それくらいなければ、不可能と言うものだ。勿論、罠は幾重にも張り巡らせてある。

 もし、いるのならシャーロックホームズとの知恵比べが楽しみだ。


 * * * 



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