クラウンメロン 〜海老で鯛を釣るつもりが…〜
題名の「グルメ」とは看板倒れの話であるが、美味しいものは、誰と食べるかで決まることを実感した。
親戚の女の子が我が家に来た。母親が、中3の娘の受験を気にして、勉強をみてほしいと訪問してきたのだ。孫がいない私たちにとっては、可愛い女の子が自宅のリビングルームに迎えるのは、たいへん嬉しいものである。
その女の子は、初めての訪問先なので、最初は緊張していたようだが、直ぐにキョロキョロと辺りを観察し始めた。そして、こちらからの質問に答えるだけでなく、自分からもニコニコと愛らしく話しかけてきた。こんな孫が欲しいなと思うと、臨時家庭教師の腕がなった。
勉強は、昼食とおやつを挟み、11時から16時まで教えた。初めに歴史。ゴチャゴチャした幕末から明治維新あたりがよく分からない、覚えられない、という。習った内容は理解しているが、他の内容との関係性がつながらないようだったので、時系列に沿って整理してあげた。
1時間半ほど経過したので、昼食にした。豚肉の生姜焼きが好きだと事前に母親からリサーチしていたので、家人と母親でそれを作り、皆で食べた。近所から頂いた白味噌がやけに甘いので、七味唐辛子をふって食べた。
食後は、数学を教えた。問題を読むと、
「相変わらず、動くのは点Pか…。」
などと独り言ちしながら懐かしく思った。
3時を過ぎたので、おやつに彼女の好物だと聞いていた「餌」を出した。家人に命じて、いや、お願いして、「クラウンメロン」を奮発して買っておいたのだ。その子は、キャーキャーはしゃぎながら頬ばった。
ここで一句
好物の メロンで餌付け 手懐ける
私もそんな高級品など普段は口にしないので、嬉々として食べた。さすがに甘さが強く、しかも上品で後味もよい。スプーンでさしたときに出る果汁がまた堪らなかった。そして、孫と一緒に食べているようで、旨味も倍増しているように感じた。
そんな私をしげしげ見ていた彼女が、
「トイ・ストーリー3のロッツォに似ていて可愛い」と言うのだ。
ここで一句
可愛いと 言われデレデレ 転がされ
女の子と母親が帰った後、家人は
「小娘ながら恐ろしい子。」
と言っていた。私は、彼女がいつまた訪問するのか待ち遠しくて仕方なくなった。
トイ・ストーリー3のロッツォとはなんぞや、と検索をかけたら、クマのぬいぐるみであることがわかった。




