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最強の魔法使いに転生したいとお願いしたのに小動物になっていた私  作者: とらすけ
二章 冒険の始まり

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58、別れの予感


58、別れの予感



「そのデビル'ズ・トライアングルという魔法、私は知らないのですが どうすれば? 」


「シモンは魔力を供給してくれればいい 全ての魔力を放出しろ 私とイブリースで魔法を発動させる これは転移魔法の一種だ 術者諸ともトライアングル内の全てを暗黒空間に転移させる 発動すれば一瞬だ 一瞬で勝負がつく 神獣といえど逃れる術はない 」


「暗黒空間? それは…… 」


「宇宙空間と同様、酸素がなく重力もない しかも絶対零度の空間だ 分子も結合する事が出来なくなり全てが塵となって消滅する それが暗黒空間だ 当然、私たちも塵となって消滅して永遠に暗黒空間を漂う事になる もう輪廻の環からも外されるわけだ 永遠の消滅 怖くなったか、シモン 」


「まさか…… ナアマさん、私はキノコ様に命を救われた身 私の命をキノコ様の為に使えるなら、願ってもないこと 神に、キノコ様に仕える私にとって、これほど名誉な事はありません 」


「ククク、人間にしては骨があるなシモン よし、やるぞ ノヅチ以外は無視して良いだろう ノヅチを全てトライアングル内に収めるぞ イブリース、シモン、位置を決めろ 」


 ナアマはイブリースとシモンに指示を出す。そして、ランスロットたちにも指示を飛ばした。


「ノヅチを私たちのトライアングルの中から逃がさないようにしろ 他の魔物の始末も任せたぞ 」


 しかし、ナアマに言われる前に、その意図を朧気に察した全員が動いていた。ギュスターヴはリュートを奏で、その波動でノヅチの動きを制御する。ナガトは、たんじんの術の応用でトライアングル状に地面を吹き飛ばし、同じくノヅチを閉じ込める。そして、アリスは重力魔法でノヅチの動きを重くする。


「ちょとぅ、あんたも働きなさいよ キノコちゃまに言いつけるわよ 」


 アリスがユダを怒鳴りつけるが、ユダは聞こえないふりをしてとぼけていた。クレアは気を失っている小動物を抱えながらサラマンダーと戦っていた。ランスロットはアークエンジェルを食い止めている。


・・・キノコ、心配するな ゆっくり休んでいろ 後は私たちでなんとかする お前が目覚めた時、もう全てが終わっている ふふ、お前と会ってから毎日が楽しかった こんなに楽しい思いをしたのは初めてだ 残りの十二使徒は任せたぞ キノコならば問題ないだろう もちろん私は心配などしていないがな ・・・


 ナアマは優しい目でクレアに抱かれている小さな動物を見つめていた。



 * * *



「ピイィィィーーーッ 」


 私は回し車を爆走していた。うぴぃ、自己最高速度更新だよ。私は回し車をカラカラと回し、得意気に自己満足に浸っていた。


「ピイィッ 」


 私は回し車から降りると、スタタッとケージの中を走り、ケージの隅でペロペロとお水を飲んでいた。


・・・このお水、美味しいなぁ なんだろう、懐かしい味がするよ ・・・


 私はお水を飲みながら、周囲を見回した。ここは広いケージの中のようだった。


・・・あれっ……? ・・・


 私は、何か違う事をしていた気がした。


・・・なんだろう? 大事な事を忘れている気がするよ ・・・


 お水を飲み終わった私は、ケージの中に置かれている巣箱に牧草を詰めて作った巣穴に潜り込んだ。その巣穴の中で考えていると、私の耳に懐かしい音が聞こえる。さっきまでは夢中で回し車を回していたので気付かなかったようだ。


・・・なんだっけ? 聞いた事ある音だけど…… ・・・


 私は巣穴から出てケージに顔を近付けて外の様子を見てみた。6畳間くらいの部屋の隅で一人の女性がゲームをやっているようだ。大画面のモニターにそのゲーム画面が映し出され、その音が聞こえる。


・・・これだっ このゲームの音だよ ・・・


 私は、転生する前にとても熱中していたオンラインゲームを思い出していた。ゲーム内で知り合った仲間たちと協力してゲームを攻略していく。助けたり助けてもらったりしながら、ゲームは進んでいく。このゲームはソロ攻略はほぼ無理で、必然的に協力し合う仲間が必要になる。なので、まずパーティーの仲間探しから始まるゲームなんだ。そして、様々なミッションやクエストを一緒にクリアしていくうちにパーティーの絆は深まっていく。そんなゲームだった。


・・・このゲーム 最後に四神と呼ばれる4体の不死身のラスボスが出てくるんだ 通常の攻撃も魔法も効かない それを倒すには一つしか方法がないんだよ ・・・


 私は、その時の事を思い出していた。


・・・このゲーム 最後までは仲間と協力して工夫しながら進んでいきながら、このラストで残酷な選択を求められるんだよ それは、それまで一緒に戦ってきた仲間との別れ 不死身のラスボスにこちらの攻撃は効かない マジックポイントもヒットポイントもアイテムも尽きた仲間たちは倒れていく そして、最後の一人になった時に、その選択画面は現れるんだ 全滅するか、倒すためのアイテムを手に入れるか アイテムを使用すれば不死身のラスボスを倒し勝利する事が出来る でも、そのアイテムを使用した者はエンディング中に強制的に他のサーバーに転送されてしまう 仲間との勝利と引き換えに、自分一人何もない世界に飛ばされるんだ 元のサーバーには戻れない これには賛否両論あって、このラスト手前で止めてしまう人も大勢いたみたいだよ ・・・


 私も、このラストの選択が嫌で、けっきょくクリアしていないのを思い出していた。


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