36 アーリア帝国
アーリア帝国は活気がある。様々な人々が平和と繁栄を満喫しているようだ。外国人へのあからさまな差別はないらしい。
36 アーリア帝国
ランス達の分身体3体はアーリア帝国にいる。転移陣のないアーリア帝国はひたすらフライで飛ぶ必要がある。長い道程だ。諸国連合の西には海がある。海の向こうに幾つか国がありその向こうがアーリア帝国だ。帝都は更に向こうだ。マリエールは、
「漸く着いたわ。賑やかなところね。栄えているわ。」
人の多さ。商品の多さ。街の活気。どれを取ってもこの国の勢いを感じる。軍事力もあるが、経済力もあるらしい。ダリアは、
「大陸の西半分はアーリア帝国が事実上支配しているわ。東の国々にも影響を及ぼしているわ。対抗出来るのはマリエール王国ぐらいよ。」
マリエールが思っていたよりもアーリア帝国は強大らしい。一筋縄ではいかないようだ。ランスは、
「取り敢えず宮殿の様子を透明化して見てみよう。何しろ何も判らないからね。」
透明化してフライして宮殿の中に潜入した。巨大な宮殿だ。人の姿は様々だ。マリエールのような容姿をしている者もいれば、褐色の肌をしている者も、黄色い肌、白い肌、グレーの肌、髪の色も目の色も様々だ。宮殿の勤務の者さえ種族に区別や差別がないように思える。
ここは一階だ。テレパスすると総務や税金の徴収、土木建築の仕事のスペースらしい。仕事はスムーズで大きな問題はないようだ。大陸の西部では大きな戦争はこの何十年起こってないらしい。人々は平和で豊かさを満喫しているらしい。だからこそ大陸東部の状況を憂いているらしい。特にマリエール王国の状況を危惧しているようだ。
一階の者達は政治の中枢にいる者ではない。アーリア帝国の人々の一般的な考えなのだろう。一階の様子見たランス達はニ階に上がった。階段に守衛が立っていた。ランス達はフライで通過した。二階は財政、監査などのスペースだ。ここの人々は一階の人々とは考えが違う。様々な危機感がある。第一にアーリア帝国の安定はこの国の軍事力がもたらしていると認識している。アーリア帝国は管理下に置いた国々に基本的に自由を与えている。だからアーリア帝国以外の人々もアーリア帝国に来る。宮殿の一階はそんな人々も働いている。しかし二階以上の中枢には外国人は入れない。極力平等に配慮しているが。譲れない線はある。
一見安定しているように見えるが不平不満や独立や民族主義------------。綻びの気配は幾らでもある。ことに近年のマリエール王国の動きだ。アーリア帝国中枢は人々にマリエール王国の脅威を伝えマリエール王国を警戒するように伝えてある。
ランス達が二階で得た情報はそういったところである。ランスは
「表面的には繕っているアーリア帝国の内情は厳しいな。一枚岩ではないという事か。」
それに対してダリアは、
「アーリア帝国は大国よ。出来れば穏便に付き合っていきたいわ。勿論攻めて来るならば応戦するけれど。」
マリエールは、
「まだ判らない事が多いわ。アーリア帝国がマリエール王国にどう関係してくるのか見定めないといけないわ。」
外2人も頷いた。
宮殿の二階は国の中枢を担う部署のようだ。外国人はいない。アーリア帝国が支配する地域の管理も含まれる。各所で不平不満があるらしい。




