Deveでの生活3
ジンはその会議が行われているであろう部屋のドアに耳を近づけた。
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「だからよぉラドンのやり方はまどろっこしいんだよ。一人一人にそんな時間かけてたら世界側に置いて行かれるぜ」
「いや、我々は人員では世界に敵わない。無所属スキルに対し丁寧なアプローチをかける手法が結果的に最短なのだ」
1人声を荒げ話す男。そしてラドン。他にも数名の話声が聞こえる。だいたい7〜10人くらいの人数だろうか。
「それでもラドンさん。そのやり方では資金繰りが厳しいのではないですか?我々も以前ほど金銭面での援助は出来ませんよ」
「今の手法ならそこまで金はかからんよ。大丈夫だ。少しづつだがスキルの起源に迫ってきている」
スキルの起源?ラドンはそんな事を研究していたのか?それともこの組織全体が研究しているのだろうか?
「じゃあ次は俺からの情報だが、ダイア国だな。奴らは今ダンジョン大陸にあるギデオン国の支配に躍起になっている。早くこっちも手を打たないと先を越されそうだぜ」
「【スキルの祖】に関する情報があるのだな。確かなのかね」
スキルの祖?
「あぁ、あそこの戦闘員として派遣で言ってるがどうも確かみたいだ。アンタらが喉から手が出るほど欲しいドキュメント所持者がいるみたいだ」
「……やはり、ダンジョン大陸なのか」
ラドンは大きなため息をついた。荒々しい口調の男は続ける。
「ダイア国から俺は今、ギデオンに行ってるが力ずくで探してこようか?」
「そんなことをしてはならん!」
ラドンは声を荒げ机を叩いた。騒がしかった会議が静まり返る。
「でも、ラドン。ダイア国はかなり武力行使でドキュメント所持者を探してるそうよ。ちまちましてたら先を越されるかもしれない」
「俺は別にどっちでもいいぜ。生きていくには金が必要だからな。あそこの国は金払いがいいんだ。ラグラスのやつに教えてもらったんだがアイツもいいとこあるぜ」
「そういえば、ラグラスはどうしたのよ?定例会議にも参加しなくなったの?あの親子」
どうもラグラスはいないみたいだ。ラグラスの親もここのDeveのメンバーらしい。
「あやつらはもう人間レベルの研究を超えとるからな。ほうっとけ」
「ラグラスも被害者っちゃ被害者なんだけどねー。あそこのオヤジがドンドンいかれていったから。でも何かラグラスのやつ親父と明日ここに来るみたいなこと言ってたわよ」
「……そうか。わざわざ教えてくれてありがとう、エモ」
若い女の声がラグラスとその父親について話す。会議は少しづつ本題から逸れているように思えた。
「じゃあ、とりあえず俺はダイア国に潜伏しておくぜ。金払いのいい国に誰かいないとダメだろう」
「決してバレないようにしてくれよ。ハワードよ。我々に味方はいないのだから」
「重々わかってるっての」
ガタンと椅子を引く音がした。ジンは急いで近くにあった観葉植物の後ろで体を小さくする。
「じゃあな!俺はダイア国に呼ばれてるんでもう帰るぜー」
ドアから出てきたのはおそらくハワードと呼ばれていた男。彼はドアを閉めることなく階段を降りて行った。
「あいつ金の亡者だからね…危険なことに手を出してなければいいんだけど」
「少しづつ、バラバラになってゆくな。Deveも。それぞれがそれぞれの欲望に走り出しておる」
ジンは観葉植物の後ろでじっと身を潜める。部屋から出てきたのは7名ほど。これがDeveの構成メンバーなのだろうか。
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