ピグミー
ヒナタはリュックの中からタッパを取り出して山積みされたポルマを一つ中に入れた。
・ポルマ×1
【ヒナタはポルマを手に入れた!HPがたくさん回復する】
「こんなに美味しいのに食べられなくなるなんて嫌!日本のみんなにも食べて欲しい!」
ヒナタはどうやらポルマを持って帰るようだ。
「おいおい、さすがに腐るんじゃないか?」
「いや、大丈夫だ。ポルマは保存にも優れている。密封された容器に入れておけば3年は腐らない」
それを聞いたヒナタはタッパにぎゅうぎゅうにポルマを詰める。
「学習しなさいよ。あんたのコピーあれば一個で十分でしょ」
カレンがタッパに入れられたポルマを食べる。
「でもこれだけ美味しいものが作れるなら食品の輸出だけでも国として成り立つはずなんだけどな」
おそらくダイア国はギデオン国の国としての発展を望んでいないのだろう。都合よくダイア国の商品を買い、都合よくダイア国の商品を安く生産する労働力としてしかこの国を見ていないと久東は思った。
「俺たちに何が出来るかは分からないが、この現状は日本に帰ったら伝えるよ」
「あぁ、それは嬉しい。日本国とはまだ何も関係性はないからな。お前たちが架け橋になってくれれば嬉しいんだが」
シルマはそう言って笑った。
久東はギデオン国の食品産業があれば日本と良い関係を築けるはずだと踏んでいた。なんとか二次試験終了時にある首脳陣へのアピールで何かできないだろうか。
「ポルマ、日本で売っちゃえばいいのよ。簡単な話だわ。これは見た目も可愛いし女子の間で絶対流行るわ」
案外、カレンの言う通り単純な話なのかもしれない。首脳陣にこのポルマを食べさせるだけでいいのかも。
「こんだけ絶賛されて王女として嬉しい限りなんだが、ギデオン国の魅力はまだまだあるんだ。紹介させてくれ」
シルマはそう言って俺たちを家の外へと連れ出した。
****
久東たちはシルマたち旧王族と呼ばれるエルフが住む家を後にした。
そこからさらに奥の山道へ進んで行った。だんだんと森の木々が大きくなってくる。
「ここから先はエルフやピグミー以外のモンスターも出てくるから気をつけて」
「まぁこいつらいるから心配ないわよ。シルマ」
カレンがくるみを胸に抱きながら後方を歩く。
「カレンなんで抱っこしてるの?ヒナタもして欲しい!」
「くるみはあんたら化け物と違ってHPも少ないし、歩くのしんどいでしょ」
カレンはくるみが疲れてきてることを感じていた。久東ヒナタはもはや体力に衰えは少ないがくるみは頭がいいが体は子供なのだ。
「ここがさっき言ったポルマを作っているベネネの畑だ」
シルマが案内してくれたのはポルマの原料となるベネネの畑だった。キャベツ畑のような広大な土地で栽培されているようだ。
よく見るとジョウロで水をやったり雑草が抜かれたり、作業の様子はよく見えるが肝心の人は見えない。まるで透明人間が畑仕事をしているかのようだった。
「おーい!みんなー、客人だよー。誰か暇な人きてー」
シルマが畑に向かってそう叫んだ手に小さな小人が乗っかってきた。
「あれぇ?シルマお嬢、今日はどうされましたぁー??」
それは人に近い顔をした小さな人間のようであった。
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