世界会議2
「まず、ダンジョン大陸についてですが。まぁ、この大陸が出てきたのも50年前とか100年前とか言われてますがね。ここでの紛争をもうやめにしたいなと私は思ってるんですよ」
「何を、馬鹿げたことを。戦争を始めたのはダンジョン大陸の市場欲しさに武力で弾圧を仕掛けたダイア国、あなたたちが最初でしょう」
アルノーがけしかける。ダイア国に唯一口を出せる国と言っていい。
「いやはや、今や、ダンジョン大陸は大切な我が国の市場ですからね。世界的にスキルホルダーが出現して物質的に豊かになりましたが、物をある【市場】がなかったのですから」
スキルホルダーが出現して、資源問題や水問題などあらゆる問題は解決へと向かった。
しかし、一つ問題が残った。それは市場が枯渇したことだ。車やテレビ、ひいては資源など、あらゆるものがスキルホルダーにより効率的に生成される事になったことで物が爆発的に増えた反面、それまで売れていた物が売れなくなり世界経済は一気に停滞したのだった。
そこで、救世主となったのが【ダンジョン大陸】だ。ダンジョン大陸ではエルフや小人、龍族などの民族が前時代的な生活をしており、その民族の市場を世界各国は求めたのだ。
具体的には植民地支配して物を売りつけ経済を回し始めたのだ。
その甲斐もあり、世界の経済は回り始めたのだが、これら6カ国は市場を取り合い、戦争を起こし始めたのだ。また植民地支配に反発するダンジョン大陸の現地の民族との衝突も激しい。
「難しい話はここまでにしておきましょう。ダンジョン大陸での戦争は禁止。シンプルにこれにて解決です」
形だけの会議では戦争はしてはいけないという宣言をして終えた。
この会議に意味はなかった。ただ各国首脳が仕事をしていると自国の民にアピールするためだけのものなのだ。
「分かりました。戦争はなし。ダンジョン大陸とは友好関係を築いていきましょう」
汚い大人たちの形だけの会議である。多かれ少なかれ会議というものは偉い人が仕事をしたという感触を得るためだけのものであり、その実態はない。
それが世界会議でも同義であるということなのである。
ダンジョン大陸との友好関係を築く。それは他国に対して求めはするものの自国の話となるとどの国も傍若無人と化すのだ。
ただ、本当に友好関係を築こうと模索していた国が1カ国だけあった。
その1カ国である日本国はこの会議の結末を嫌々しく眺めるのであった。
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