譲渡
「よし、これでヒナタのナンバープレートは100、3、2.5の3つか」
久東は獲得したナンバープレートを並べる。
「平均33くらいか。どうなんだろう?これでクリアは出来ているのかな」
クリア者が10人いた場合、ナンバープレートの合計数が小さいものから順に合格となる。果たして今のプレートでヒナタが合格ラインに乗っているのか?情報がない久東は分からなかった。
「……あの……これ、よかったら」
くるみは久東にあるものを差し出した。
「なんだ?くるみちゃん」
それはナンバープレートであった。それも数字が42の。
「え?くるみちゃん?このナンバープレートは?一体誰のプレート?」
「誰のってそれはうちのくるみのプレートやで」
「えぇ!!くるみちゃん、プレートナンバー42なのか?」
「くるみは頭もええし、あととある諸事情で学校側からの評価はそこまで悪くはないんや。戦力にはならんからいいってわけではないんやけども」
くるみは成績が良く、特に数学に強かったため、学校側はスキル戦闘要員としてではなく普通に学生として一定の評価はされていたのだった。
「…そんな、いいのか?くるみちゃん」
「……私……頑張ってみたけど……これ以上は……ヒナタちゃんが勝ち上がってくれるなら……」
くるみは久東の手にプレートを渡す。
「まぁ元々くるみも一回ダンジョン見てみたいっていう遠足気分で来てた所あるからなぁ。この3日間なんとかくるみの頭とFace上手いこと使うて敵から逃げてたけどここらが潮時ちゃうかな」
「……私……ダンジョンは好き……もっと探検したい……でも……戦うの……好きじゃない……」
くるみはその小さな体で自分の意思を最大限提示したのだった。丸くつぶらな瞳の奥で確固たる意志が久東にはみえた。
「ホントにヒナタにくれていいのくるみちゃん?」
「……うん。頑張ってね。ヒナタちゃん」
こうしてヒナタは3、2.5、42のプレートを手にしたのだった。
「これで流石にクリアはしてるかな?」
久東は三つの平均点を算出した。ざっと19くらいか。
「でも、分かんないわよ、他の参加者の平均値がもっと高いとヒナタは脱落よ」
確かにカレンの言う通り、他の参加者のプレート合計数がわからない以上、確実に勝ち上がり条件を満たしているとは言えない。
「……多分……大丈夫だと思います……」
「……なによ、くるみ。他の参加者の数字分からない以上、予想はできないでしょ」
くるみがぼそりと呟く。
「……参加者100名の数字からランダムに三つ選んだ時の平均値を考えても、そもそも合格者は三分の1。上位者同士で潰し合う事、そもそもリタイアするもの、考えるとヒナタちゃんの19はほぼ確実と言っていいと思います……」
くるみがそう言うならそうなんだろう。そこにいるもの皆が思った。
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