カレンとヒナタ
「ねー!火野っちとはいつから友達なのー!」
「やだなぁ!ヒナタちゃん、火野ちゃんとは友達じゃなくて彼氏よ。彼氏。まだヒナタちゃんには早かったかな?」
「彼氏??彼氏って友達と何が違うの??」
「……えぇ?友達と何が違うかって?それは……まぁキスとか……じゃないの?」
「じゃあ、火野っちとチューしてるの?」
「……ほっぺくらいなら……ってそんな恥ずかしいこと言わせないでよー!!!」
いつのまにか打ち解けている。恐ろしいほどのスピードで。まるで昔からの姉妹なように2人は恋話をしている。
火野との激戦から1日がたった。俺たちはなぜかカレンを含めてスライム生息地帯の拠点に戻ってきた。
「おい!お前らシチューできたぞ」
「わーい!」
「私シチューにはうるさいわよ。そんじょそこらのシチューで私の舌を満足させることなど出来やしないわ」
俺、いつのまにかこいつらのお父さんみたいになってないか?
久東はヒナタにコピーさせ3人分のシチューをよそった。
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「で、これからどうするの?あなたたち。火野ちゃん倒したからには一次予選突破してよね」
カレンは空になったシチューの皿を地面に置いた。
「どうするもこうするもお前はどうしたいの?」
「私はあなた達と行動しながら先生見つけてリタイアするかこのまま3日間安全に過ごすかの2択ね」
カレンのスキルリバースは俺の肩の負傷の回復を早めてくれるみたいだが、こと戦闘に限って言えば本当に使えないスキルなので賢明な判断と言えるだろう。
「まぁ俺たちはチャンスを見て三つ目のプレートを狙うことにした。火野にも勝ったし、あと一つできるだけ少ない数のプレートを」
カレンからプレートをもらう事も一瞬考えたが、カレンのプレートは89。ヒナタの100、火野の3と合わせても少し値が大きすぎる。
「そうね、それがいいと思うわ。私を守りながら頑張ってよね」
「お前……つい1日前まで俺たち殺し合ってたんだぞ」
「私は何もしてないもん、ねー!ヒナタ」
「カレンちゃんと話すの楽しい!」
まぁヒナタがいいならそれでいいか。久東はこの一次試験中はカレンと共に行動することにした。
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パキパキ パキパキ
薪の燃えたがる音が静かに夜のダンジョンに響く。スライム生息地帯といっても油断は禁物。カレンとヒナタは並んでテント内で寝ているが、久東は見張りを行っていた。
『予選クリア者報告です。8人目、安藤佳苗さんがクリアされました』
所々で予選クリア者の情報がアナウンスされる。これで8人目。今日一日休養に当てた。
2日目でこれだけクリア者が出ている。おそらく様子を見てナンバー自体は集めているが提出はまだしていない参加者も多いだろう。
クリア制限の十人は軽く超える。となるとやはり、数字の小さいプレートを集める必要はあるか。
夜のダンジョンを見上げながら久東は思った。1ヶ月前まで俺は河原から空を見ていたんだ。今俺はダンジョンから見上げてる。
なんとかヒナタを通過させてやりたい、燃え続ける火を見ながら久東は思った。
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