火野の敗因
「ゴハァッ」
気付けば火野は血を吐いて仰向けに倒れていた。火野はゆっくりと意識を戻していく。
俺は一体どうなったんだ?
体を動かそうにも全く体は言う事を聞いてくれない。
「気が付いたか、さすがに死んだかもと思って焦ったよ」
そこには久東とヒナタが座っていた。
「……お前ら……一体俺に何をしたんだ…」
「簡単なことだよ、【ガス爆発】さ」
「ガスだと?……ガスって……なんだ?」
やはり火野はガスを知らなかった、と久東は思った。
一番初めに久東のリュックの中身を見た時、火野は久東の持ってきたガスボンベを【缶】だと表現した。普通の一般人ならガスボンベと言うところなのだが。
こいつはおそらくガスそのものを知らないんじゃないか?と思っていたのだった。
久東はその時から「スキル優位者の一般感覚の欠如」を感じていたのだった。誰よりも一般人である久東だからこそ見抜けた点であった。
「おい、ヒナタ!今のうちにこいつから取れるもん取っとけ!」
「りょーかい!」
ヒナタは火野からスキルとステータスをコピー、そしてペーストをした。
■如月ヒナタのステータス
学生 Lv5 → 学生 Lv8
HP 300/300 → HP 1800/1800
攻撃力 200 → 攻撃力 1200
防御力 200 → 防御力 1200
速攻性 200 → 速攻性 1200
命中力 200 → 命中力 1200
知力 5 → 知力 5
創造性 5 → 創造性 5
【スキル】
名称 : コピー
属性 : 無所属
Rank : D
※所持コピースキル【風体】【洞察】【火舞】
ヒナタのステータス値は一気に跳ね上がった。
「お前が最終的に火になったらどうするかってまで俺たちの作戦だったんだ。まぁ巨大サイクロンで倒せるとは思っていたんだけどな」
「俺は…何で負けているんだ」
「お前自身が爆発してしまったんだ。火玉を打つ前にビニール袋が宙を舞っただろ?まぁあれはヒナタにコピーペーストさせたもんなんだが、あの中にはガスボンベのガスが入ってるんだ。お前は知らないと思うけど火とガスが交わりあうと引火して爆発を起こすんだ」
久東の最後の作戦はこうだった。
まずヒナタに木をコピーさせ自分たちの行方を完全にくらませる。そしてその後、風巻を四方八方から放つ。適当に火野めがけて打っているように見えて実は火野の後ろ付近を集中的に攻撃していたのだ。いづれ起きる爆発に備えて自分たち用の【防空壕】を作るために。
火野は行方の分からない俺たちに対して一番初めに見せたあの巨大な火玉を打ってくるだろうと久東は予想していた。そのタイミングでそれをガスによる引火の化学反応で爆発させ、火野自身を爆破させてしまうという作戦だった。爆発の間は風巻で掘った防空壕に隠れ自分たちの安全は確保した状態で。
「なんだ…上昇気流とか引火とかガスとか…そんなもん知らねぇよ。そんなもん知らなくたって俺は最強だったんだから…」
「最強か…お前に常識があれば本当に最強だったかもな」
「なんなんだよ……常識って。ガスとか上昇気流とかかよ」
「知識もそうだけどお前にかけてるものはそれじゃないな」
「じゃあなんだよ」
「強いからって頭に来た程度で人を殺さない事…かな」
久東はそう言って火野の胸につけてあったナンバープレートを取った。久東とヒナタはナンバープレート3の男、火野との勝負に辛くも勝利をおさめたのであった。
燃え盛る火の壁はいつの間にか消え、白黒の灰だけがほのかに周囲を彩っていた。
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今日のヒナタの戦果
・火野のスキル 火体 火属性
・火野のステータス
・ナンバープレート3
これにて「VS火野大地」は完結です。
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