第1章 : 危険の鼓動 (1)
シュタインハルドへと続く道は、赤みを帯びた岩の丘と、百年もの根を大地に食い込ませてしがみつく松林の間を、蛇行するように伸びていた。
エイナル、ニジ、アオイ、そしてモモは、任務を手にエイダルルを後にした。
太陽が肌を刺し始め、風は乾いた空気を運んできた。それは涼をもたらすものではなく、ただ削るように吹き抜ける風だった。
この場所のマナは流れていなかった。
山そのものが空気中の水分を吸い上げているかのように、淀み、鉱物のように固まっていた。
一行が巻き上げる砂埃はすぐには散らず、松の梢にぶつかる予測不能な気流と絡み合い、静止した螺旋を描いて舞っていた。
その熱の塊は、大地の内臓が古い熱病に脈打っているかのように赤い丘に蓄積し、不気味な熱気を放ちながら、一行の精神に重くのしかかっていた。
シュタインハルドは、ただの山ではなかった。
それは乾いた裁きを吐き出す花崗岩の巨人。
その裾野を踏むことを敢えて選んだ者たちの弱さを、決して許さない存在だった。
モモはエイナルの周囲を俊敏に回りながら、空気の匂いを嗅いだ。
「感じる? これが危険の鼓動よ! ここには私たちを守ってくれる壁なんてない……あるのは私たちだけ。そして、どんな魔物よりも大きく唸る、この私の飢えだけね!」
エイナルは刀を抜いた。
鋼が太陽の淡い光を反射し、仲間たちは一斉に身を引き締めた。
「ニジ、隙を見つけたらバイデントで奴を止めろ。アオイは尾根を取れ。遠距離の術を放って地形を制御するんだ」
エイナルは前進しながら指示を飛ばした。
「モモは毒を無力化しろ。そして、遮蔽物を見つけたら攻撃する。俺が道を切り開く!」
ニジは、まるで散歩にでも出かけるかのように気の抜けた溜息をついた。
そして先へ進む前に、アオイへ片目をつぶった。
「上の風には気をつけなよ、お嬢さん。君の髪で、その綺麗な顔が隠れちゃうのは残念だからね」
冗談めかした口調とは裏腹に、その手はバイデントを絶対的な力で握り締めていた。
アオイは言葉では答えなかった。
ただ、彼だけが読み取れる揺るぎない静けさを宿した視線を一瞬だけ向け、仲間全員に安堵を与えるような落ち着きで頷いた。
「谷全体を見渡せる位置を取るわ」
彼女は毅然とした声で言った。
「グリフォンが突進してきても、あなたたちには触れさせない」
道が軋んだ。
鋭い叫び声が静寂を切り裂き、緊張が弾けた。
グリフォンの影が空を横切り、大地を揺るがす衝撃とともに着地した。
ニジは誰に言われるでもなく前へ出た。
バイデントの石突きを岩に突き立て、自らの身体を盾にするように割り込む。
他の者たちへ風が叩きつける前に、その勢いを受け止めた。
音もなく仲間を守る。
それは、まるで自然な反射だった。
エイナルは警戒を保ちながら構えを調整した。
いつでも攻撃に反応できるよう、トリケトラの中でマナが震えている。
モモは耳を頭にぴたりと伏せた。
「見て……あいつ、逃げるために飛んでるんじゃない。私たちが簡単な獲物かどうかを測ってるのよ。私たちのことを何も知らないくせに!」
アオイは乾いた風が顔と弓を撫でるのを感じながら、威厳を崩さず姿勢を正した。
それでも照準は一切ぶれない。
正確に弦を引き、風が指の間を一本の糸のようにすり抜けていく。
グリフォンは再び舞い上がり、岩峰の周囲を旋回した。
湾曲した嘴が太陽の下で輝き、風がその吐息に混じった硫黄の臭いを運んできた。
ニジは両手でバイデントを握り、最初の跳躍に備えて足に力を込めた。
アオイは集中して頭を下げ、弓の弦が純粋な光を帯びて震える。
モモは岩の上で身構えた。
小柄だが、獰猛だった。
そして叫んだ。
「攻撃!」
激突は避けられなかった。
グリフォンが急降下し、一行は光と鋼、そして運命が一つに弾けるような連携で迎え撃った。
その先には、石造りの円形劇場が広がっていた。
堂々たる巣は、黄金の羽根と黒ずんだ瓦礫で築かれている。
任務を依頼したエイダルルの三人の住民が、まるで同じ石から削り出された像のように、上方の岩棚から見守っていた。
熱い岩に手を押しつけながら。
風が砂埃を運び、太陽の光が乾いた平原に跳ね返っていた。
グリフォンはゆっくりと舞い上がり、広げた翼で威圧的な半円を描いた。
一度羽ばたくたびに、砂と砂利が巻き上がる。
溶けた青銅のように黄色い瞳が、冷たい決意をもってエイナルを捉えた。
エイナルが一歩前へ出る。
刀が太陽の下で青い輝きを放った。
押し殺した叫びとともに駆け出し、羽毛に覆われた腹部へ斬り上げを放つ。
刃が轟音を響かせて肉を裂き、グリフォンは咆哮を上げながら後方へよろめいた。
ニジは雪崩のような勢いで岩へ身を乗り出した。
風が顔を切り裂き、衝撃の振動が両腕を駆け抜ける。
バイデントが傷ついたグリフォンの脇腹へ突き刺さった。
翼の羽ばたきと叫び声が響き、ニジは一歩後退する。
その一撃の力に、獣の身体が震えた。
その後ろで、アオイは背筋を伸ばしたまま矢を正確に引き絞る。
矢を放った瞬間、光が温かな爆発となって広がり、エイナルとニジの浅い傷を癒していった。
二人の間に、安堵の吐息が漏れる。
岩棚の上で、モモは俊敏かつ静かに動いた。
グリフォンが近くを通過した瞬間を狙い、猫のような正確さでクロスボウを放つ。
急所を射抜いて獣を弱らせながら、エイナルとニジの核の振動が、一撃を受けるたびに崩れないよう支えていた。
グリフォンが怒りを爆発させる。
翼の一振りが轟く風を巻き起こし、ニジを激しく吹き飛ばした。
ニジは鋼の旋風のようにバイデントを回転させ、その衝撃の一部を受け流した。
それでも勢いを止めきれず、砂利の上を転がりながらうめき声を漏らす。
それでも、その動きは仲間を守った。
その一手は、彼の戦闘技術を物語っていた。
エイナルが反応するより早く、獣は再び身を躍らせ、急降下してきた。
短剣のように鋭い爪が、破壊への渇望を宿して空気を切り裂く。
エイナルは間一髪で刀を掲げた。
爪を力ずくで逸らすことには成功した。
だが、その一撃の勢いに足をすくわれ、数メートル後方へ吹き飛ばされる。
崩れ落ちた岩塊に叩きつけられ、岩が衝撃で軋んだ。
爪撃が呼吸を奪う。
エイナルは息を切らし、胸を肋骨に激しく打ちつけながら、張り詰めた筋肉を震わせた。
アオイはすでに警戒していた。
新たな矢を弦に番え、まだ振動の残る空気へと狙いを定める。
放たれた矢から純粋な光が迸り、エイナルとニジを包み込んだ。
痛みが和らぎ、二人の筋肉に再び戦うための力が戻っていく。
アオイの隣まで跳び移ったモモが、近くの岩を軽やかに渡りながら声を張り上げる。
「上を取らせないで! 息を整える前に、粉々にしてやりなさい!」
傷つき、怒り狂ったグリフォンが洞窟の奥から響くような咆哮を上げ、空気を吸い込んだ。
今度は左側面を狙って突進してくる。
エイナルは苦しみながら立ち上がった。
刀の握りを変え、獣の軌道を見極めながら、決然と前へ進む。
制御された踏み込みから斜めの斬り上げを放ち、獣の体勢を崩し、翼の腱を断ち切ろうとする。
ニジはエイナルの隣でブーツを踏みしめ、肩に力を込めて衝撃を受け止めた。
バイデントが爪を受け止め、金属と骨がぶつかる轟音が響く。
歯を食いしばり、足元の地面に溝を刻みながら、身体に染みついた動きだけで踏みとどまる。
その後ろで、アオイは純粋な静けさだった。
指先は一切震えることなく矢を番え、周囲の混沌など存在しないかのように集中している。
マナの軌跡を追い、急所を見定める。
彼女は砂埃を含んだ空気を吸い込み、轟音を切り裂く叫びを放った。
「レイディアンス!」
次の瞬間、彼らを目も眩むような閃光が襲った。
仲間たちは目を細め、手を掲げて顔を守る。
光がグリフォンの上で炸裂し、怒りに満ちた叫びを引き出した。
翼も爪も、その動きすべてが鈍っていく。
その輝きが彼らの顔と、空中に漂う砂埃の渦を照らし出した。
モモは影のように混沌の中をすり抜けた。
クロスボウは絶え間なく音を立て、グリフォンの関節と首へ矢を撃ち込んでいく。
ただ傷つけるためではない。
その動きを崩すためだった。
肺から空気が失われていくなか、エイナルとニジは最後の一撃へと踏み込んだ。
純粋な意志だけを頼りに。
エイナルの刀が魔物の脇腹へ深く食い込み、同時にニジは全体重を乗せ、肋骨の間へバイデントを突き立てた。
濡れた、決定的な破砕音が響いた。
黄金の翼が最後に一度だけ震え、崩れ落ちる。
巨体が地面へ叩きつけられた。
それは吐息などではなかった。
円形劇場の石を震わせる、鈍い轟音だった。
砂埃と血、そして引き裂かれた羽根の雲がエイナルとニジを包み込む。
二人は咳き込みながら、よろめいて後退した。




