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死者の声  作者: 岡本ゆきえ


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9/13

伝承

古びた大きなお屋敷だった。奥さんが現れ私とたかおは神様を祀ってある大きな和室に通された。

床の間に神様が祀られつて御簾が下がっている。いかにも神職らしい屋敷だ。

「お座りください。」奥さんは膝をついて座布団を勧めたので私とたかおは座布団の上に正座した。如月家の当主も私たち2人の前に正座した。奥さんは部屋を出た。

「私は如月家の跡取り如月まさきと申します。」新たまってまさきさんは言った。私とたかおも名前を言った。私とたかおが戸惑っていると奥さんがお茶を出してくれた。

「妻のみおです。」みおさんは頭を下げたので私とたかおも頭を下げた。

「みお。如月の巫女を呼んできなさい。」まさきさんが言うとみおさんははいと言って部屋を出て行った。私は今の如月の巫女がどんな人だろうと思った。

暫くして髪を腰まで伸ばした女性がふすまを開けた。長い髪は赤い紐で後ろに束ねられていた。

「まさきの妹のさくらと申します。」如月の巫女のさくらさんは丁寧に手をついた。さくらさんは美しかった。

「お兄さん。大叔母さんの魂が呪われているのですね。」

と説明もしないうちにさくらさんは言った。

私は驚いた。さくらさんはにっこり笑った。

「朝、起きたときイメージが見えました。なんとなくお二人と兄さんの会話が聞こえたのです。」

「予知能力があるのですか。」たかおが驚いて尋ねた。

「いいえ。イメージです。私は全てを知る事はできません。」

如月の巫女であるさくらさんは強いイメージが湧いてくるらしかった。

「如月の巫女の人影が私たちに付きまとう様になり苦しそうに助けてと言うのです。」私は必死でさくらさんに言った。

「私たち一族は呪われる様な筋合いは無いがどうやら葉隠神社の如月の巫女を好きになった者がいる。」とまさきさんはさくらさんを見た。

「それで呪いをかけたのですね。」怒りをあらわにしてさくらさんは言った。

「如月一族は代々神職ですが必ず本家では男の子と女の子を授かります。昔、先祖が八百万の神様から力を賜る代わりに最初に産まれた長女を巫女として生きたまま神に仕えさせよ。と言われました。決して汚れては行けないと。」まさきさんは如月一族の伝承を言った。

「それが如月の巫女なのですね。」とたかおは言った。

「そうです。岩月神社の如月の巫女は受け継がれました。やがて山中に葉隠村ができ葉隠神社が奉納されたので次男と長女が行きました。今の岩月神社は次女も本家の如月の巫女になりました。」

「如月一族に初めて2人如月の巫女がいたことになります。」

とまさきさんは懐かしそうだ。

「葉隠神社の世継ぎの如月の巫女が亡くなってから林業は廃れ葉隠村の人たちは村をおり葉隠山も如月一族に返されました。」とまさきさんはお茶を飲む。

「大叔母さんの魂は浄化されたのではなく葉隠村に封じ込められているのですね。」とさくらさんは言った。

「そうです。葉隠神社の新しい藁人形のの中に。」私は言った。

「夢の中で藁人形の銀のくさびを引き抜こうとしたら加奈さんの両手首がちぎれた。」とさくらさんは恐ろしいほど真剣な顔になる。

「よほど強い呪いだ。」とまさきさんは言った。

「そうですね。お兄さん。大叔母さんの呪いを解かなければなりません。」力強くさくらさんは言った。

「私たちは如月の巫女の人影に助けてあげると約束しました。」私はさくらさんに向かって言った。まさきさんとさくらさんは居ず前を正し手をついて頭を下げた。私とたかおは戸惑ってしまった。

「大叔母の魂の為にありがとうございます。」とまさきさんは言った。

後日訪ねる約束をして私とたかおは如月家のお屋敷を後にした。私はさくらさんとラインを交換していた。暫く歩き私は言った。

「ねえ。たかお如月家を訪ねた事が問題解決になるのかな。」

「如月一族の力はわからないよ。でも何もできない。下手をすれば呪う者に殺される」とたかおは歩いた。

その時、如月の巫女の人影が見えた。たかおも見た。私とたかおは前を見た。わからないのと私は心の中で言った。

助けてあげる方法がわからないの。

私とたかおは前を歩き人影に近づいた。私は浄化できず葉隠神社に封じ込められている如月の巫女を抱きしめたかった。

人影は霧のように消えた。私とたかおはバス停まで歩き帰りのバズを待った。

何日か経って部屋のソファに座っていると私のスマホにラインがきた。さくらさんからだ。

  あれから毎日兄さんとご祈祷をしています。

  大叔母さんをの魂を私も助けたくてご祈祷に力を入れてい                                 

  ますがなかなか正体が掴めません。

  私は呪う者を突き止めます。私の力で。

  本家の如月の巫女として大叔母さんを葉隠神社に封じ込め

  る者が許せないです。

とラインに書かれていた。必ず呪う者を突き止めるとあった。

私はスマホを閉じた。

多分呪う者は呪いの力で如月一族にはわからないようにしてきたのだろうとたかおは言っていた。だから葉隠神社の巫女を呪い殺し呪う者も死んて尚葉隠神社の如月の巫女を新しい藁人形に封じ込めていた。

死者が死者を呪いその魂を封じ込めている。

朝、洗濯物をベランダに干すと私は振り返る。そこには柔らかな日差しがあった。これからどうすればいいのかわからない。私はキッチンに行き冷蔵庫を開けてカレーの作り置きをした。

ふとたかおが居間のソファにいるような気がする。

結婚すれば一緒に居られるのだがまだ話は進んでいない。

如月の巫女は恋もせず結婚もせず神様に仕える。さくらさんもそうだ。結婚しない人も今はいるがどんな気持ちかなと思う。

私はたかおが好きだった。

カレー鍋を煮ながら私はさくらさんにラインした。

 呪う者はなかなか見つかりませんか。

さくらさんは祈祷して探していると返してきた。呪う者は死者なのでなかなかわからないという。

私は恐ろしい反面死んでも好きな人を思う気持ちがわかるような気がする。呪う者は諦められなかったのだ。

呪う者は死んでも好きな如月の巫女の魂を封じ込め如月一族から隠した。お互いに死んでも自分のものにするという事は恐ろしい。呪う者の魂もどこかに留まっているのだ。

愛する人の魂を浄化させず封じ込め呪う者の魂も浄化せずどこかに留まっている。そうだどこかに。

私はカレー鍋をかき混ぜる。



 





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