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13.新聞から浮かび上がるイタリア殺人事情

 昔、イタリア語を勉強していました。


 その流れでイタリア全国紙、Corriere della SeraやLa Stampa(と姉妹紙でモフモフ担当のLa Zampa)のweb版を時々読んでいたのですが、『週末お出掛けに最適! 大にんにく祭り(フェスタ)!』とか『車にひかれたモフモフ、緊急搬送!』(←ちゃんと助かります)みたいなゆる記事に加え、いわゆる三面記事なんかもよく読んでいて。


 そこで割と間を置かず見つけた、二つのよく似た衝撃事件(多分、別々の事件だったと思うんだけど……私の読解力の問題で、実は同じ一つの事件だったかも……この時点でもうミステリィ)。


 モンタルバーノ警視シリーズだったでしょうか、イタリアミステリでたまに見かける設定、殺したと思った相手が実は生きていた! っていうあれが載っていました。


 こんなこと実際にあんのかよ……!


 ただ、こなれたミステリと違って、実際の事件は実に単純で。


 ①ガーンと殴られ、倒れた被害者が必死で息を殺して死んだふり

  ↓

 ②殺ってしまったと思った加害者が泡を食って逃走

  ↓

 ③被害者が起き上がって通報


 どちらもこんな流れだったと思います。


 いやでも……殴られて倒れた直後って、息も荒くなってると思うし、必死で息を殺したとしても若干腹部とかは動くと思うんですよ。


 何より、生きてるか死んでるかって、ちょっと近寄って確認したら秒で分かるんじゃないでしょうか。


 それを……。


 こんなことが一度ならず起こってるっていう時点でもう。


 尊い人命が助かっているという大前提があってこそ言えるのですが、イタリア人って殺人向いてないなと思いました(たまにカラヴァッジョみたいなのもいますが)。


 なんか、全般的に雑なんですよ、イタリアーニ。


 イタリアにはサマータイム制が導入されているのですが、毎年「今日からサマータイムだったとは笑」とか何とか言いながら遅刻してくる輩が普通に続出。


 どうなってんだ。日本じゃありえない。君たち何年サマータイムやってんだ。


 TVの7時のニュースとかも、ちゃんと7時ぴったりに始まらないですし。


 でも何故か画面に時刻表示だけはするものですから、毎回気づいちゃうし気になっちゃう。せめて画面の時刻表示を止めりゃいいのに。


 向いてないわ~……。


 あ、それで印象的な殺人事件の話に戻りますと、あと、うわ~って思ったやつ、失敗以外だと、痴情がもつれた感じのやつが印象に残っています。


 妻と愛人の板挟みになった男が妻を殺害するという事件があったのですが、そいつの供述がなかなかでした。


 犯人:「真っ暗なトンネルの中にいるようだった。片方の出口には妻が、もう片方の出口には愛人がいて、どちらにも行けなかった」


 イヤそのトンネル掘ったの100%お前だろうがァ! どのツラさげてソレ言えたかな!!


 表現が妙に文学的なのもムカつきポイントや!!!!!


 ちなみに、コイツを一旦切り離して話をしますと、イタリアって日常レベルで息をするように文学的ではあると思います。


 芸術とか音楽とかと同様、日常に分かちがたく文学もまた落とし込まれている感じ。

 

 前述の新聞でも、例えばヴェネツィアのことを書く時、ごく自然にラ・セレニッシマと呼んでいたりするんですよ。これはヴェネツィアが共和国だった時代の雅称、いと晴朗なる共和国ラ・セレニッシマ・レプブリカから。


 日本のことは「イル・ソル・レヴァンテ」(「日出ずる国」的な?)です。この辺はお国柄でしょうか。日本の全国紙はこういうことしなさそうです。


 あ、イタリア語豆知識ついでにもう一個思い出したんだけど、イタリア人ってうどんのことをルドンって言うんですよ。


 あっち語圏の人って、名詞の前に必ず冠詞が来るじゃないですか。


 なので、うどんの前にも定冠詞ルがついて、これがその後に来る母音のうとリエゾンしてルドンに。


 例:「俺、ルドン食ったことあるよ~」

   「あ~うまいよね~、ルドン~」


 違和感しかない。


 緑色の変な食べものの匂いしかしない。


 白くてつやつやでコシがあって、おだしの中でほかほかしているあれのことを指す時は、やはり「うどん」と呼んでいただきたいです。


 まあ、そんなこんなで。


 私含め、イタリア好きって人は多いと思うんですが、私がすげ~な~って思うのは、その「好き」の理由が実に多種多様なことです。


 美術だったり、音楽だったり、建築だったり、歴史だったり、ファッションだったり、グルメだったり、クルマだったり、サッカーだったり。


 もう、豊か。


 そして、そんなイタリアが自らを指す時の雅称は「美しき国(イル・ベル・パエーゼ)」。


 アニキ、さすがです。

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