恋愛ゲームの主人公、恋と花とイベント。21
ノイエさんダンさんの現状を知ってしまったものの、我々にはどうにもできぬ。せめて恋が上手くいくことを願うしかあるまい。とはいえ二人を思い出して、なんだかもやもやしてしまう。あんなに美人でも恋って難しいんだな。そこら辺、ゲームとやっぱり違うのかも?
そうして夕飯を食べてから宿に戻った私とルルクさん。
それぞれ部屋に戻ったはずなのに、お風呂から出てくるとルルクさんがしれーっとした顔でソファーに座っていたので、心底驚いた。鍵!!鍵はどうした?!
「ルルクさん?!なんでここに?」
「一応寝る前に部屋のチェックだ。王族御用達の紋様士だしな」
「い、いや、それとこれとは関係ないのでは!?」
「ああ、あと恋の紋様についてはウィリアに話しておいた」
「いつの間に!?」
「ついさっきな」
ついさっきって?私がお風呂に入ってた間ってこと?
驚きつつも、まぁルルクさんだしな‥で、思い直した私。暗殺者が部屋に入るなんてどうってことないだろう。なにせゲームでは王城にも騎士団にも潜入し放題だったしね‥。
ルルクさんの隣に座って、小さくため息をついた。
「恋の紋様、ただのおまじない‥だったらいいんですけど」
「そりゃそうだ。ウィリアも同じことを言ってた」
「ですよねぇ。何も起こらないのが一番ですよ。ってことで、明日も早めに起きないとなんでルルクさんはご退室をお願いしても?」
「何言ってんだ。一人になった途端に狙われたらどうする」
「サラッと怖いこと言わないで下さいよ!!」
一番狙ってきたのは貴方ですけど!?とは言えないので、そこは黙っておくけどもさ!
「気にするな。俺はソファーで寝る」
「思いっきり気にしますよ。明日は花馬車に乗って花を渡したり受け取ったりする人が寝不足じゃ、私がノイエさんに叱られます」
「大丈夫だ。寝ずの番なら慣れてる」
「人間らしく生きましょうね!?」
もー本当にルルクさんは放っておくと、暗殺者モードになっちゃうなぁ。仕方ないのでソファーに座っているルルクさんの手を引いて、私は自分のベッドの毛布をまくった。
「はい、ルルクさんはここに寝て下さい」
「は?」
「代わりに私がソファーで寝ます」
「却下だ」
「言うこと聞いて下さいよぉおおお!」
まったくなんてわがままな暗殺者なんだ!じとっと睨むと、ルルクさんがすかさずチュッと音を態とらしく立てて私にキスをした。
「くっ!油断した!!」
「‥アホか。ほら、さっさと一緒に寝るぞ」
「え、えええ!!無理です!無理!!!」
「安心しろ。まだ手は出さない」
「て、手っ‥!?」
ものすごい発言に真っ赤になってしまう私を見たルルクさんは、どこか遠くを見つめ、
「‥‥‥まぁ、意識されているだけマシってことか」
と、力なく呟くと私をベッドに放り込み、ルルクさんもごろっと横になった。わ、わ、わぁああああああああ!!心の中で絶叫し、カチッと固まってしまう私をルルクさんが可笑しそうに小さく笑った。
「慣れて欲しいが、これはこれで可愛いな」
「な、なっ!?も、もうルルクさんちょっと黙って下さい!主に私の心臓の為に!!」
「はいはい」
本当にわかってるのか?
首もヒヤヒヤしたけど、心臓はもう今にもドキドキして押しつぶされそうだ‥。寝ぼけてハンモックで一緒に寝たことはあっても、こうして想いあってからはなかったから心拍数が爆上がりである。
「明日、ノイエとダンが上手くいくといいな」
「え?」
あんまり人のことに興味なさそうなルルクさんがそんなことを言うのでびっくりして、顔を上げると、私の頬をルルクさんの大きな手がゆっくり撫でた。
「‥誰かさんは気になって仕事にならないだろ」
「うっ」
「だから明日、こっちへ来たら上手く誘導しておく」
「ルルクさん‥!」
あのルルクさんが、そんな風に言うなんて‥!ちょっと感動していると、ルルクさんは私の額に優しくキスをし、
「上手くいったらご褒美よろしく」
と、大変不穏な一言を放った。
「ご、ご褒美‥」
「楽しみにしてる」
いつもは見せないドキリする笑顔を向けられて目を見開くと、くすくすと笑いながら私の髪をゆっくり撫でると、「おやすみ」と、言って目を瞑ったルルクさん。私は呆然とした顔でなんとか「お、おやすみなさい‥」と、返したが‥、
暗殺者、怖えぇえええええええ!!!!
私の心臓、本当に一瞬止まったんだけど!!
いよいよチートかってくらいの殺傷能力身につけたのか?と、ドキドキしたが、すぐにスヤスヤに代わった私。どうやら恋愛ゲームの主人公は心臓は強いのかもしれない‥。多分だけど。
ユキちゃんの心臓のがずっと強いと思う作者。
今日も読んで頂きありがとうございます!!!(´∀`*)(え?!いいねまでしてくれるって?素晴らしい!徳が高い!!ミラクルサンキューです!!)




