恋愛ゲームの主人公、恋と花とイベント。19
ルルクさんが屋台のおじさんに確認してから、占いの家がある方へ一緒に向かう。どんな所なのかな‥と、ちょっとドキドキである。
角を曲がると少し薄暗い通りに道を挟んだ両脇にいくつも小さなテントがあり、その手前に看板が置かれていて、「恋占い得意です!」「商売占いが専門」「結婚相談所」と書いてある‥。なるほど大変わかりやすい。
「はー、色々ありますねぇ」
「‥こんなん知ってどーすんだ」
「知るっていうより、天気予報みたいな感覚ですよ。一応気をつけておこう的な?」
「‥お前も好きなのか?」
「そりゃまぁ興味はありますね」
さっき急に思い出したけど、ゲームの中で相手との恋のバロメーターを調べるのもできたけど、単純に恋占いもできたし。とはいえ、前世は自分の恋愛云々よりゲーム!!だったので、好きなアイドルとの相性を調べる可愛いものだったっけ。
「とりあえず恋の紋様がどこで描かれているか調べてみますか」
「そうだな」
二人で周囲を見ながら奥の方へ歩いて行くと、小さなテントの中から、「もういいわよ!」と、言う声が聞こえたかと思うと、中からものすごい勢いで頭に布を被った女性が勢いよく出てきた。
「わ!?」
どん!と、思い切りぶつかって倒れた私を慌ててルルクさんが起こしてくれた。
「ユキ!大丈夫か?」
「わ、私は大丈夫ですけど、あっちの人が‥」
「いった〜!どこ見て歩いてんのよ!」
散々な言われようだな、おい!
じとっとそちらを睨めば、被っていたストールがハラリと落ちて、そこにいたのはさっき自信満々ゴージャス美人のノイエさんで‥‥、私とルルクさんは目を見開いた。
「ノイエ、さん?!」
「あ、ちょっ、シーーーー!!!」
ガバッと私の口元を手で覆ったノイエさんは、どこにそんな力があったのかと思うくらいの力で細い路地に私を引っ張った。
「なんで貴方達、こんなとこにいるの!?」
「え、ええと、ちょっと所用で?」
「恋占いなんかしなくても相思相愛なんでしょう?」
「そ、そう、」
「相思相愛だな」
「ルルクさん?!」
「はーーー、せっかくいい感じの男がいたのにこれだもん。まったくついてない!」
ちょ、ちょっと?ルルクさん狙ってました宣言は辞めて頂きたいのだが?慌ててルルクさんの服の端っこをサッと掴むと、ノイエさんがすかさず「人のものは取らない主義よ」と、言い放つと大きくため息を吐いた。
「あの、ノイエさんは何故ここに?」
「‥‥なんで私が言わないといけないのよ」
「恋占いのテントから出てきたが」
「ちょっと!?大きな声で言わないでくれない?!」
「ノイエさん、声。声が大きいです」
私の言葉にノイエさんはハッとして口を閉じた。
‥もしかして、こんなに綺麗で恋なんてなんの問題がないと思われていそうなのに、恋占いに行ってたのがバレて恥ずかしかったのだろうか。いや、まさかな〜〜なんて思っていると、ノイエさんはストールを頭に被り、
「‥‥好きな人がいるから、気になって」
と、照れ臭そうに呟くので全私が驚いた。
この美人な人が好きな人がいるけど、どうにもできないの?!!
驚きに口をパクパクとさせながらノイエさんとルルクさんを交互に見ると、ルルクさんはしれっと、
「相手が相当な鈍感か、事情がある奴か」
「え!え!?」
「‥‥相当な鈍感だから困ってるのよ」
「それは苦労するな」
「なんでルルクさんわかるんですか?!」
「‥なんでだろうなぁ」
意味深な視線を一身に受けたけど、全然わかりませんが?!ルルクさんから思わず視線を逸らすと、ノイエさんはルルクさんを見て「苦労してるのね」と、しみじみと返したが、あの、そこで何かシンパシーかエンパシーを感じるのやめてもらっていいですかね?
「‥ともかく、今回のことは絶対他言無用で!!」
「は、はい。ええと、じゃあ私達はこれで‥」
「ダメよ。どこで何を言うかわからない貴方達を置いて私はここを離れられないでしょ」
「え、ええ‥」
でも、ここでちょっと調べたいことがありましてね‥と、言いたいが、ノイエさんの「絶対拒否は受け付けない!!」という強い眼差しにたじろいでいると、ルルクさんは小さくため息を吐き、
「とりあえずどちらまで送れば?」
「ルルクさん?!」
「ここにずっといても仕方ないだろ。それに明日の主役をここに置いていけない」
「あら、良い判断ね」
「お褒めに預かりどーも」
紋様描いてる人を見つけたかったんだけどなぁ‥。とはいえ、確かに明日の主役がここにずっといるのもまずいしね。仕方なくルルクさんと一緒にギルドまで送ることになったけど、恋の紋様ってどんなのだったのかな‥。うーん、気になる。
占いを書いているので、どんな占いがあるか調べてたら時間が‥!!
今日も読んで頂きありがとうございます!!




