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黒鱗の狩人~龍人少女の狩猟日記~  作者: アルニクツエル
凍てつく北風の元へ

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33/41

33話:帰還

「凍土化が進んでいる……」


 帰って来たチェルム村は雪に包まれていた。

 いつもは多くの人が行きかう大通りは無人で、人の気配も無い。

 ここに来るまで人は見なかったし民家にも人が居るようには見えなかった。


「俺達はおひいさまの指輪がある。それでも寒く感じるんだぜ?常人は死んじまうよ」


 たしかに……指輪で相殺出来る気温低下は詳しくは分かっていないが、昔業務用冷凍庫に入る事があったがその時と同程度の寒さだろう。

 普通の人間は死ぬだろうな。


「とにかく、緊急避難場所の洞窟に行きましょう。そこならみんないるかもしれない」


「そうだな。分かった」


「そう言う事だから八重、マグマ溜まりの洞窟へ」


クルゥ!(分かった!)


 たった数日。たった数日離れただけだ。

 別にのんびりフォルマグラ鉱山都市へ行っていた訳では無い。多少予定外の事にはなったがそれでもこうなるとは思っていなかった。


 村を出て数分。洞窟の入り口に着くと厚着をした門番が1人立っていた。厚着とは言ったがこの極寒の中では薄着な方だ。手袋をしているので分からないが恐らく村長に渡した指輪を使っているのだろう。でなければ凍え死んでいるはずだ。


「おやっさんに……そちらの竜人族の方は……もしかしてハンターさんですか!?」


「えぇ。素顔を見せるのは初めてね」


 俺は素顔を晒している。どんな時でもヘルムを脱がなかった俺がだ。装備を脱いでいる訳では無く、素顔が見える装備なのだ。

 実家からの追手があろうとも説得できると判断し、今まで素顔を隠していた素顔を晒すことにしたのだ。


「そんな綺麗なお顔だとは思いませんでした。それにしても……どこかのお姫様ですか?」


「やっぱりそう言う感想になるわよね……」


「そりゃ……そんなドレスを着ておられたら誰でもそう思いますよ」


 なんとまぁ……おやっさんが作った防具だがドレスだのだ。動きやすさに特化されているがドレスである。

 このヘルメキュリシリーズは機動性に特化した装備で、装甲はほぼ無いに等しいが以前の防具と等しい基礎防御性能を持つ。

 色合いも染色されており、黒に合わされている。

 とはいえ、別にフリルがいっぱいあるようなものではなく。モンスター素材で作られた硬質なスカートやアームガードの為、ハンターだと言うことはすぐに分かるだろう。


「似合うだろ?」


「はい、凄く」


「ありがとう。それで、中に入って良いの?」


「勿論です。村に帰ってきたわけではないのでこう言って良いか分かりませんが……おかえりなさい、ハンターさん」


「えぇ、ただいま」


 おかえりと言ってもらえるのは何時になっても嬉しいものだ。最後に聞いたのは何時だったか……。


 門番に通され、洞窟の中に入る。人の手が入って以前よりも明るくなっている。オイルランプのように見えるが洞窟であることを考えると違うのだろう。オイルランプを洞窟で使おうものなら酸欠になるからな。


 奥へ進み大空洞へと出ると、そこは小さな村だった。木造の仮設住宅が立ち並び、皆が食事をする食事場、様々な物を売買している雑貨屋、かつてのチェルム村そのままの姿がここにはあった。

 俺達が帰った来たことに気づいた村のみんなが俺達に近づいて挨拶してくれる。


「竜人族……もしかしてハンターさんか!」


「えらい別嬪さんね!」


「よぉハンターさん!お帰り!」


「あらぁ!お帰りなさい!」


「ただいまみんな」


「おいおい俺には挨拶なしかよ」


「まぁまぁおやっさん」


「勿論帰ってきてくれて嬉しいよ」


「村長さんとセシリアちゃん奥で待ってるよ」


「えぇ、行ってきます」


「おらぁ、燃石塊を加工してくる。報告は頼むぜ」


「まかせて、報告も仕事の内よ」


 集まってくる人を掻き分けて洞窟の奥。地底湖の方へと向かう。

 いくつも並ぶ仮設住宅の間の通路を進み、ひときわ大きな家へ向かう。


 中に入るとセシリアが様々な書類を処理し、村長が村人の様々な人からの報告を受けている様子が見える。

 こんな状況なんだ、様々な問題が出ているのだろう。その対応に追われて見るからに忙しそうだ。


「忙しそうね」


「アルテイシアさ……ん?」


「えぇ、そうよ」


「なんと……まぁ」


「あーもう、言わないで」


「あ、照れてる。とにかく……おかえりなさい、ハンターさん。お待ちしておりました」


「待たせたわね。忙しいと思うけど話を聞ける?」


「勿論です。ここは村長に任せておきますから」


 セシリアに案内され家の奥へと向かう。流石に現在の深刻な状況を考えれば聴かれにくい方が良いだろう。

 案内されたのはダイニングと思われる場所だ。椅子に促され、そのまま座る。


「あまりいいお茶はありませんが」


「気にしないで、状況は分かってる」


 出されたお茶を一口飲む。口内に広がる味と辛味、生姜茶に近いものか。


「現状の報告……とは言っても見ての通りです。全員ではありませんがほとんどの村民がここに移り、耐えています。ハンターさんがあと数日戻らなければ他の場所へ移り住む予定でした」


「燃石塊があっても……時間稼ぎにしかなら無そうね」


「日に日に気温は下がっています。このまま推移するとして……1週間と言った所でしょう」


 一週間か……長いような、短いような……分からんな。


「戻ってきていただいて早々ですが……」


「言わなくても分かってる。天氷山に行って原因の排除でしょう?」


「その通りです。とは言え、正体も分からないのではギルド職員としてクエストは出せません。なので調査依頼をお願いします」


「分かった、直ぐに向かうわ」


「いいんですか?明日からでも……」


「時間が無いでしょう?」


「……助かります」


「すぐに準備するわ」

ヘルメキュリシリーズ

ランク:Ⅲ

平均物理防御力:60(+5)

火属性防御力:20

氷属性防御力:20(+20)

雷属性防御力:10

光属性防御力:-10

装備スキル

全身:瞬氷纏:再使用30秒:解けない氷を攻撃を受ける瞬間に纏い致命傷を防ぐ

頭:視界補正(中):視界に関する事に全般に補正が入る

胴・腕・腰・足:スラスター:最大効果時間10秒:リキャスト5秒:瞬間的な加速を得られる

胴・腕・腰:運動性能強化(中):運動性能を補助する力があり通常以上に動ける

足:回避距離(中):瞬発力を補助する力があり通常以上に動ける

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