23話:準備
翌日遠征の準備を終わらせ、荷物を纏めておく。
さほど必要な物がある訳でもないので昼過ぎには終わった。持って行く物は食材や調味料の他、整備道具やテントと言った道具がメインとなる。
ハンターは様々な場所に行くことが多いので、そう言った道具類の準備はすぐに終わる。
相応に終わったので俺は鍛冶屋に来ていた。おやっさんの様子を見に来たのだ。
荷物を纏めている最中なのか中から大きな物音が聞こえる。
「おやっさん順調?」
「もうちょいで終わる」
バリバリ嘘じゃん。後数時間は掛かるだろ……。
「一応聞いておきたいんだけど……鍛冶道具持って行くの?」
「あぁそうだが?」
「あまり重い物はやめてよね、八重がばてちゃう」
「分かったよ」
「それはそれとして、手伝うわ」
「あぁ、助かるよ。お嬢」
おやっさんの荷物運びを手伝うこと二時間。尻を蹴るように急かして準備を終えた。
大きめの馬車を借りておいたので二人分の荷物でも問題なく積み込めた。
片道でも1泊2日かかる予定だ。八重の負担等も考えれば荷物の量も慎重になる。
「おやっさん。状況は理解してるけど依頼があるの」
「装備か」
「えぇ、装備一式は作る時間が無いと思う。でも今後の事を考えればセンヒョウコウの装備は欲しい」
全身の一式装備と武器を作れるだけの素材は無い。安全な場所で使用可能な素材を全て得たのではなく。制限時間付きで重要な物を優先して剥ぎ取ったので量的には心もとない。
「真龍に挑む気か」
「まだ私が挑むとは限りませんが」
「分かった……やってやろう」
「感謝します……」
「構わんさ。じゃ、脱げ」
「は?」
ついに耄碌したか爺さん。
「武器は新造するが鎧は進化させる。だから脱げ、どうせインナーを着てるだろ?」
「……仕方ないわね」
鎧を脱ぎ、鎧の下に着るインナーの姿となる。鎧と地肌が擦れて傷つかないようにする目的で着るので露出は少ない。スポーツ選手などが着るアンダースコートみたいなものだ。
ヘルムを脱ぐと色の抜け落ちたような白い髪が露わとなり、まるで人外の如き整いすぎている顔が露わになる。
程よく引き締まったウエスト、豊満なバスト、健康的に引き締まった太ももとふくらはぎ、異形の足や身長よりも長い尻尾。見れば一瞬でどういった存在か分かる特殊な体だ。
「何だかんだお嬢の顔見るの初めてだな」
「はぁ……”お嬢”って呼ぶのやめてよね」
「おひいさまと呼んだ方が良いか?」
「やめて……早くしましょ」
「おう、手伝ってくれ」
荷物の中から耐熱錬金薬を取り出して飲み干す。ついでにスタミナを回復させる薬を二本取り出し、1本を自分で飲みもう一方をおやっさんへ渡す。
一緒に適当に服を着ておこう。流石にインナーだけ着ていたくない。普段から鎧を着てるから違和感があるな……。
「助かる」
「これくらいはするわ」
少々無理をお願いしているのだ。錬金薬の一本や二本はサービスの内だろう。
「素材は?」
「ちゃんと持って来てるわ」
「よし、武器は双剣で良いか?」
「特殊なのが作れるの?」
「要望は聞けるが、どんなのがいいんだ?」
「繋げて一本の武器に出来ない?」
「あぁ、無難な物だなこいつの素材なら簡単な部類だな」
「じゃあ、それで。なにか追加で必要な素材とかある?」
「いや、センヒョウコウだけで足りる。おらぁあまり混ぜ物は好かんしな」
「そう、じゃあ……やりましょうか」
持って行くのは予備の道具の為、特に問題なく作業ができる。
甲殻を割って適当な大きさになったら、爪と共に削り出していく。
性質を引き出すには使用した素材と技術力が重要となる。素材には竜種等にある逆鱗と言った特殊な物ほど良い効果を抽出できる。そして品質、極端な話だがボロボロになっている鱗と傷1つない鱗ではまるで違う。
そして技術力も同じだ。素人が鍛冶道具を持って素材を加工しても良い仕事ができるとは限らない。良い職人が手かけた只の鉄の剣は素人の傑作を凌駕する。
なお俺は初心者とする。
精々バフアイテムだな俺は。薬とか撒いて能力値バフ撒くタイプのバッファー。
さて……今日は徹夜だが……頑張るとしよう。
貴種
各種族にはその種族の中でも極稀に生まれる個体がある。
特徴としては生まれ持った滲み出る美しさがあり他の同族を自然と導く声を持つ。
特定の貴種は声による力で扇動すら可能となる。
貴種によってはその種族に崇拝すらされる事がある。
それでいてそれぞれの種族の短所や欠点を克服した上で上位互換のような力を持つ
なんで今載せたかって?なんでだろうね




