23話『 全てを喰らい尽くす力悪食(グラトニー) 』
「おいおいなにやってんだよあいつ」
ガウスはそう言いながら人間を平らげているゲゲルを奇妙そうな目で見ていた。ペロリと綺麗に食べ終わるとガウス達の方にギロリと奇妙な目が向く。
「こいつ...人間を喰ってるのか」
「奇妙奇天烈なやつだ」
「食エバ、チカラガ湧ク」
「くるぞ!!」
その一撃は先ほどより強烈で簡単に吹き飛ばされてしまうほどだ。さらにゲゲルは驚くほどの速さで近づいてきて、地面に顔を叩きつける。抵抗しようにも顔を押さえつけている力がかなりのもので、動かすこともできない。
「なんだこいつ!」
「ふん!」
後ろからリーゼエが剣で突き刺すが、全くと言っていいほど効いていない。剣自体は刺さっているのだがゲゲルに痛みなどを感じるような素振りすらないのだ。
「ゲゲゲェ!コレガ俺ノ力!食エバ食ウホド力ガ湧いてくる 暴食!」
「っ!こいつ」
「ゲェ!!」
ガウスを抑えつけているのとは逆の腕で勢いよくリーゼエを振り払う。そのパワーは凄まじいもので吹き飛ばされたリーゼエは近くの何本の木にもぶつかり吐血するほどだ。
「なんだこいつ...」
「ゲヘヘヘゲゲ」
「舐めるなよ!」
ガウスは剣で腕を切り付け脱出する。そして何度も追撃でゲゲルを切り刻む。
「ダメダコレデハモット食べナイト」
そう言って腕を再生させて再びガウスの方へ向かう。ガウスの顔を掴むと何度も床に叩きつけ始めた。
「ゲゲ、ジャアマズハコイツカラ」
そう言ってゲゲルは大きく口を開く。ガウスはその口の中に剣を突き立てて体を貫通させるが「コレジャクエナイ」とゲゲルは相変わらず余裕そうだ。
「邪魔ダコレ」
そう言って剣を抜き、遠くへと飛ばして頭を掻いている。それでも攻撃をやめないガウスにゲゲルは腹に蹴りを入れて大きく向こう側に吹き飛ばす。
「もらった!!!」
ガウスに気が向いている好きにそしてリーゼエが剣で勢いよくゲゲルの首を斬り首はコロコロと床に落ちた。体はその場に倒れて動かなくなった。
「ふう、雑魚ばかりで退屈だったしなかなかいい相手だったぜ」
首を鳴らしながらガウスがそう言う。先ほどの蹴りを喰らってもまだまだ余裕という感じだ。
「ゲ!足リナイ!!」
「っ!?!?」
斬ったはずの首がそう喋り出し体が首の方へと向かい、首をくっつける。すると切断したはずの首が胴体とくっついてまた元に戻ってしまった。
「こいつ不死身なのか!?」
「悪魔ってだけあるじゃねえか。こうでなくちゃな!」
「くるぞ!」
「ゲゲ!!」
そう言ってゲゲルはまずはリーゼエを押し倒し馬乗りになり顔面を何発か殴る。
「ぐぶっ!」
「ジャアコイツカラ!」
ゲゲルが今度こそ「イタダキマス」と言って大きく口を開き捕食しようとした。
「オラァ!!」
その時ライゼが勢いよく蹴りを入れてゲゲルは勢いよく吹き飛ばされる。
「お前!」
「大丈夫ですか!?」
「油断シタ。マダイタ」
ゲゲルは勢いよく駆け出しライゼの方へ行き拳を突き上げる。その攻撃を腕をクロスして防ぐがその勢いに少し後ろに下がる。
「なんだこのパワー!受け切るだけでやばい!」
「オ前美味ソウ!!!ゲゲェ!!」
何度も殴ってくるのをライゼハ防ぐの出で精一杯だ。一撃でも喰らうとかなりヤバいその重い攻撃は容赦なくライゼを襲ってくる。
「どうにか隙を作らないと...」
そう思いながらも攻撃を防ぐがなかなか攻撃に転じることができない。
「ゲゲェ!」
ゲゲルの渾身の一撃の一撃で防御を崩されもう1発来るとことをライゼも拳で対抗する。2つの拳がぶつかり合い凄まじい衝撃が走った。
「コイツ、ヤル」
「はあ...はあ...まだまだ!」
今度は一転攻勢、ライゼがゲゲルに拳で攻撃を仕掛けていく。ゲゲルは防御することもなく攻撃を全て受けているが全くと言っていいほど効いている感じがしない。
「オヲ早ク前食ウ」
「うぐっ!」
ゲゲルの一撃をボディに一撃喰らったライゼはその場に倒れ込む。だが倒れた状態から顎に蹴りを加えた。
「抵抗スルナ」
「あいにくお前みたいなのに食われる趣味はないんでね」
そして顔に何度も拳で殴りつけるが全く効いていない様子のゲゲルは不気味に笑みながら蹴りを加える。
「うぶっ!?」
その重い一撃にライゼはその場に倒れ込み血を大量に流す。
「動カナクナッタカ?」
「なめるなよ!」
そう言って拳に全ての力を集中させ、勢いよくゲゲルに放った。
「グランド・インパクト!!」
その凄じい衝撃とともにゲゲルは吹き飛ばされる。その吹き飛んだ場所は地面が抉れかなりの威力だったことが伺える。
「どうだ..?」
「ゲ...ゲー!食ウ食ウ食ウゥゥゥ!」
そういいながらゲゲルは起き上がる。今度はかなりダメージを受けているようで口から大量に血を吹き出していた。
「これで倒せないのか...なら!」
「はーいそこまで」
その時、そう言って手を叩き誰かがやってくる。それは鎧を纏った人物だった。声から男とわかるがそれ以外は鎧で全く正体が見えない。
「邪魔スルナメィリア」
「アンタ連れて帰らないと俺が怒られるんでさあ。いう事聞いて戻ってくれないですかね?
美味しいものいっぱいありますから、ねえ?」
「ワカッタ」
「そこのあなたもいいですよね?」
そう言ってライゼの方を見る。ライゼが見えているのもそうだが、コイツからは
なんだか異様な感じが漂ってくる。
「ああ、自己紹介がまだでしたね。俺はコイツと同じ悪魔教の八魔神メィリアって言います。よろしくです」
自己紹介をするが顔は見えていないため何だか不気味さを感じる。このままだと逃げられそうだが、相手の強さも未知数でこのまま戦うのは自殺行為に近いだろう。
「お前達の目的はなんだ?」
「わざわざあなた達にいう必要無いと思いますが、それを聞いてどうするんですかい?」
まあ簡単に答えてくれるとは思えないのはわかっていたが一応聞いてみただけだ。その鎧の男はヘラヘラとした感じでこちらに語りかけてくる。
「まあ今はお互いに引き際って事で良いでしょう?」
「マダ!食ッテナイ!腹減ッタ!」
「ダメですって!勝手に抜け出してんのにボスに怒られますよ?ヘントールさんも戻ってきたんですし」
それを聞いてゲゲルはしゅんとなる。あの強さのゲゲルを従えてるという事はそのボスとやらは相当強いのだろう。
「それじゃあ、まあ今回でこの辺りでさようならー」
そういうとそのメィリアという男は消えてしまった。それと同時にライゼの力が抜けてその場に倒れる。
「ライゼ感謝する」
「いえ」
「お前達何を話してんだ?」
ライゼが見えないガウスはメィリアやリーゼエが何と話しているのかさっぱりわからなかった。
「おい、さっきからそこに何かいるのか?」
「ああ、その話は後だ。今は他のやつのところへー」
その時上空が突然暗くなった。何かが横切り日差しを遮って影ができたのだ。しかもその影はかなり大きいもので上を見ると赤い竜が上空を通過しているのが見えた。
「ありゃ...レッドワイバーン!?」
レッドワイバーンはAランク複数でも倒すのが難しいと言われている魔物だ。そのレッドワイバーンが飛んでいった方向はセツナ達がいる方だった。
「おいあの方向って...!」
そのレッドワイバーンが飛んでいった方向はセツナ達がいる方だった。




