4話
「それは…ユーフェミア様が極度の人見知りだからですよ。」
はぁ…とめんどくさそうにメルは言った。
「それは…そうなんだけど、毎朝早く起きて練習するけど…本人を前にすると緊張して言葉が出ないのよ!!」
ユーフェミアはテーブルにうつ伏せになり、メルにむかって泣きながら言った。
メルは心の中で…この子はただでさえ人見知りな上に男性はもちろん知らない人に声をかけられただけで固まってしまうのよね~まぁ…相手が無口で無愛想だから難しいみたいだけど…と思っていた。
「お気持ちは分かりますが、一生この状態でお過ごしになるのですか?」
「それは…イヤだわ…。」
「ではどのようにしないといけないのかも分かりますね!!」
「ええ…。分かってるわよ…」
「でもねメル、旦那様はいつも私の顔を見るとすごく冷たい目でみるのよ!!きっと私の事が嫌いなのよっ!!政略結婚ですものね、愛を求めてはいけないけど、やっぱり一度でいいから恋をしてみたいわ。」
呆れた声でメルは…
「ユーフェミア様…はぁ…今日はどのような内容の本を読んでますか?」
「え~っと、今日は王女と騎士の身分違いの物語よ!!」
ユーフェミアは目をキラキラさせながら答えた。
それを聞いたメルは怒りながら…
「ユーフェミア様!!いいですか、そのような本ばかりお読みになる変な妄想ばかり抱くのです!!いい加減現実を見てください!!でないとこのまま初夜をむかえることができませんよ!!」
「わっ分かったわ…」
ユーフェミアはメルの気迫に圧倒されながら返事をした。
そう…ユーフェミアとウォルシードはまだ初夜を迎えていなかった。