ウォルシード視点
その頃王宮では……
王太子が部屋で執務をしているのでウォルシードは王太子の警護から外れて、騎士仲間と一緒に訓練場で剣の腕を磨いていた。
そこに一人の男性が近くにいる騎士に話しかけていた。その騎士が自分の所に来て彼が呼んでいる事を伝えに来てくれた。
ウォルシードは呼ばれた男性のほうに行くと…
「イデル…どうした?王太子は執務中だろ。」
イデルと呼ばれた男性は王太子の側近をしている。ウォルシードとは王宮に上がった時から友人だ。
「そうなんだが…王太子殿下がお前を呼んでいる。すぐに来るようにと言われたんだ。」
「はぁ…分かった、すぐ行く。」
王宮の廊下…ウォルシードはイデルと並んで王太子の部屋に向かっていた。
「そう言えば…お前、あのバートソン家のお嬢さんを妻にしたんだろ!!」
イデルはここ三ヶ月…隣国の視察でウォルシードとは顔を合わせなかったが、昨日王宮に戻り王太子からウォルシードの結婚を聞いたらしい…。
「夜会には一度しか出てなかったが、その夜会で有名になったけど、可憐で美しいが話しかけるとすました顔で相手を馬鹿にしてるって!!貴族の男どもが言ってたぜ。」
「よくそんな子を妻に出来たな!!しかも父親が事業に失敗して借金があるんだろう、よく肩代わりしたな。お金目当てじゃないのか?」
王宮や夜会ではあることないことが噂される…本人の意志と無関係に……。
「彼女はそんな女性ではない。」
ウォルシードはユーフェミアを思いながらイデルに向かって強く言った。
「ふ~ん…お前がいいならいいけど、何かあったら相談しろよ。」
「あ…あ、その時はよろしく頼むよ。」
イデルと話している間に王太子の部屋の前に着いた。
コンコン…
「何だ…。」
「イデルです。ウォルシードを連れて来ました。」
「ありがとう、入ってくれ。」
ウォルシードとイデルは王太子の部屋にいった
部屋に入ると中央に執務をしている王太子が座っていた。
「イデルは下がってくれ。」
「はい、かしこまりました。」
そういってイデルは下がっていった。
ウォルシードは机を挟んで王太子の正面に立っていた。
「ウォルシードを呼んだのは、明日から領地の視察に付いて来てほしい。しかも同行するのはイデルとお前だけだ。」
「かしこまりました。」
ウォルシードはまた長い時間家を明けなければいけなくなると思い…ユーフェミアに申し訳ないなと頭の中で思いながら返事をしていた。




