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君は悪魔の成り損ない  作者: ヨダカ
プロローグ
14/53

悪魔とは?

灯葉。おい灯葉。

「…ん」

目を開けろ。

「…?何処だここは。それに、お前は?」

そんなことは今は重要ではない。大事なのはお前自身のことだ。

「俺?俺がどうかしたのか」

灯葉、お前は条件というものを知っているか。

「条件」

そうだ。化け物になるための条件さ。

「化け物?」

炎の魔女だとか、とにかく馬鹿に強いやつだ。

「なんだそりゃ…イミカのことか」

そうだ。彼女は何故あんな力を持っているか、分かるか?

「悪魔と契約した、と聞いたことがあるが」

その通りだ。悪魔と契約すると、どうなるか知っているか?

「それは聞いたことが無いな」

教えてやろう。魂を半分悪魔にやる代わりに、絶大な力が契約者に宿る。悪魔共はそう言っている。

「そう言っている?言っているだけなのか?そんなことは無いだろう」

あぁ、その通りだ。実際に、契約者は絶大な力を得ることに成功している。

「だったら」

罠だ。

「…何?」

実際は、悪魔共は力なんて渡していないのさ。

「はぁ?どういうことだ。魂が半分無くなると強くなるのか?」

少し違う。確かに魂も、原因の一つだ。

「…」

大事なのは、人間性だ。

「あ」

どうした。

「聞いたことがある。人間性を奪われた…そうだ、病室でイミカから聞いたんだ」

ほう。

「…まて、自分の魂を渡すことが、悪魔との契約の内容だったな」

そうだ。

「しかしイミカは、外見を奪われたと言っていたぞ」

外見。

「口を裂かれたとか、身体中に傷があるだとか」

ありえないな。

「じゃぁ何故?」

自分で考えろ。

「…そりゃないよ…」

情けないことを言うな。思考を放棄するということは、この世で最も愚かなことだ。

「手厳しいな」

当たり前だ…さて、ここからが本題だ。

「ここからが?」

あぁ。お前自身のことだ。

「そういえば、最初に言っていたな」

そうだ。結局、悪魔になる条件は何だと思う?

「えー、人間性の喪失?」

お、分かるじゃないか。

「お前の会話で、なんとなくな」

うん。さて、じゃあ具体的に、人間性の喪失とは何だと思う?

「まず、魂が元持ってた分より少なくなることだろ?それと…身体的にけ…っ…?」

…。

「…?」

…。

「…そういうことか?」

どうした。

「俺は…俺は?」

そうだ。

「悪魔になりかけている?」

あぁ。正確に言えば、見た目だけならもう悪魔になれる。そのレベルだ。

「はぁ…?」

冷静に考えてみろ。足と、目を失っているんだぞ。

「で、でもそれだけで」

まぁそうだ。一番重要なのは、魂の欠損だろう。だが安心は出来ない。

「う、…待て、なんだ?」

あ、光だ。一旦お別れだな。

「ま、まて」

待てない。

「お前は誰なんだ!最後に頼む!」

多分、また会えるぞ?

「その時まで待てないだろ!」

…そうだな。

「…?」


「お前の、相棒だ」



「そこの人!!」

「…あ」

目を開けた。周りの人全員が俺を見ていた。

「立ったまま寝るなんて…よほど疲れてるんですか?」

女性だった。後ろで髪を束ねていた。

「…まぁ、そうだな」

「ならうちで泊まって行きませんか?今なら安くしますよ」

「それはありがたいな」

こっちです、と手を引かれるがままに俺はついていった。

何だったのだろう、さっきの会話は。

夢ではない。それだけは明らかだった。

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