番外編:新婚旅行後の話
本日5/31『妃教育から逃げたい私』文庫版1~3巻発売です!
特典盛りだくさんなので、ぜひ活動報告でチェックしてください!
アニメ化について続報も出ましたのでそちらも活動報告に載せています。
楽しんでいただけますように。
「ブリっ子」
「何よ」
天気がいいからと今日は中庭でブリっ子とおしゃべりをしている。ブリっ子は必死にティラミスを食べている。いつもの様に早く食べるとココアパウダーでむせると言ってゆっくり食べているがすでに4個目である。
「あれからルイ王子のお兄さんから連絡ないわけ?」
「ぶおっっほ!」
ブリっ子がむせて必死に胸を叩いていた。ジュースで喉を潤したブリっ子は、涙目でこちらを見る。
「いきなり何? 変なところに入っちゃったじゃない!」
「いや、ネイサン王太子、ブリっ子に未練ありそうだったから」
目の前から去る瞬間までブリっ子の胸を見てた。あそこまで行くと潔い。
「一度手紙が届いたけど」
「え!? なんて!?」
ブリっ子の言葉に私は食いついた。手紙なんて面白そうなもの届いたと聞いたら反応するに決まってる。
「別に。『理想の胸に興奮してしまって申し訳なかった。たがこれだけは言いたい。その胸は国宝級だ。ぜひこれからも大切にしてほしい。俺とは縁がなかったが、きっと君が素敵な玉の輿に乗れるように祈っている』って」
「どこから突っ込んだらいいのかわからない」
別にじゃない。別にじゃないよブリっ子。そんな手紙読んだことないよ。ブリっ子の胸に対するリスペクトは感じ取れた。
「ごねると思ったらそうでもないのね」
「兄上は紳士だからな」
ヌッとルイ王子が突然湧いてきた。マリアが素早い身のこなしで逃げていった。早い。
「あの人が紳士?」
おっぱいおっぱい言ってたしガン見してたけど?
ブリっ子とともに首を傾げた。
ルイ王子は空いて席に座る。許可してないんだけど。ルイ王子いるとマリア戻ってこないから帰ってくれないかな。
「兄上は胸にこだわりがあるが、婦女子に手を出したことはないし、もちろん触ることもしたことはない。ノータッチ、ガン見スタイルだ」
「それアウトじゃない?」
ガン見はダメだよガン見は。
「え、でも今まで女性関係なかったってこと? あの人見た目はいいし王太子だからモテそうなのにね」
ルイ王子に似ていて見た目はよかった。地位もあるし、ちょっと変態だけど、それでもいいという人はいるはずだ。
「兄上はああ見えて王太子の自覚が強い人だから、トラブルになりそうなことはしないんだ」
「私は?」
ブリっ子が自分を指差した。
「結婚相手に考えてたゆえの行動だと思う」
「誠実なのかなんなのかわからないんだけど」
ブリっ子は腑に落ちない顔をしている。
「それで、なんて返事したの?」
「知らない」
知らない?
自分で出したなら知らないはずはないし、出してないなら出してないと答えるはずだ。
不思議に思っていたら、ブリっ子が答えてくれた。
「王族への返信は私に荷が重いだろうってナディルがやってくれたわ」
「え? 兄様が?」
あの兄が? 効率的なことを好み、面倒なことは避けるあの兄が?
「ふーん、へー、そう」
思わずニヤッとしてしまうと、ブリっ子が不快そうに顔に眉間に皺を寄せた。
「何?」
「いや? 別に?」
「何!? 気持ち悪いからその笑いやめてくれる!?」
にやにやしてある私にブリっ子が言うが、面白い展開に私はにやける顔を止められない。
「それはそれとして、ブリっ子を取られるのは嫌」
「だから何の話!?」
ルイ王子がいつの間にかマリアを追いかけ回しに行ったことにも気付かずに、私とブリっ子は楽しくお茶会をするのだった。
6/5に『病弱な悪役令嬢ですが、婚約者が過保護すぎて逃げ出したい(私たち犬猿の仲でしたよね!?)』
コミック2巻、小説1巻と、
『逆行令嬢の復讐計画』コミックス一巻が発売されます!
また新たに『したたか令嬢は溺愛される ~論破しますが、こんな私でも良いですか?~』と
『負けヒロインに転生したら聖女になりました』のコミカライズ、
ジャンプTOON『悪役のモブ妻(※死ぬ予定)』も開始されましたので、そちらも楽しんでいただけると嬉しいです!
それぞれ詳細は活動報告にて。
よろしくお願いいたします!