34羽 「だいじょうぶじゃない」②
ブロムは僕の脇を支えるようなしかたで、部屋を出て建物を出た。外には僕が乗っていたハルシーピ。よかった、元気そう。僕とは違ってちゃんとお世話されていたっぽいな。よかった。
「この件は、ちゃんとした筋から抗議を入れるので、安心してくださいね。ヨータくん」
ブロムは豪華なハルシーピ車でやって来ていた。幌のやつじゃなくて、ちゃんとドアと屋根がある、4人乗りのやつ。僕が乗ってきた子は、これが走ればちゃんと着いてくるらしい。やっぱり大事になってしまったなあ、と思いながらうなずき、僕は「ぜんぶおまかせします。ごめん、寝ていい?」と聞いた。即座に肯定が帰って来たので、横になって即寝落ちた。ぐう。
目が覚めたとき、ハルシーピ車は止まっていて、僕はその中でブロムの上着をかけられてひとりだった。空が白んじてきているから、明け方だと思う。起き上がったら体中がバキボキ言った。
上着を腕に持って降りると、ブロムはだれかと立ち話をしているところだった。周囲を見回したら、のどかな集落というか、人が住んでいる気配があるところ。ぼーっとしながらその風景を眺めていたら、ちょっとしてから「ヨータくん」と声がかかった。
「おはようございます。ちゃんと眠れましたか?」
「うん、ありがとう。迎えに来てくれて助かった」
「もっと早く行けなくて申し訳ない。ひとまず本隊と合流しなくてはいけないので、この村で休ませてもらいましょう」
ブロムが話していたっぽい男性が、案内するようにチラッとこちらを見て歩き始めた。ブロムが着いていったので、僕もそれに続く。
土色の煉瓦に漆喰を塗ったお家のひとつに招き入れられた。ちょうど煮炊きされているとこだったみたいで、いい匂いにお腹が鳴る。勧められるまま席について、出されたものをありがたくいただいた。うめえ……。
ここは、テルク=ファルとブラズ=グリムの国境沿いにある村らしい。僕の警備の人やタルクは、大所帯だから荒野で野営しているんだって。で、そっちと信号弾みたいので連絡を取ったと。食事をしてから村をぐるっと一周してみた。お家が12軒しかなかった。ブロムはブラズ=グリムへの正式な抗議文書を作るとかで、遠くへ行かないように僕へ言ってからハルシーピ車の中へこもった。特にすることもないからボケーっとしていたけど、僕が乗ってきたハルシーピが、僕を見ると「乗れ!」と言うように短い羽をバタバタした。乗らないよお、君、言うこと聞いてくれなくなるじゃん……。
「お待たせしました、行きましょうか、ヨータくん」
ブロムがそう言ったのは、真夏の太陽がそこそこ本気を出して来たあたりだった。もてなしてくださった方へお礼を言って別れて、ハルシーピ車を出発させる。
ちなみに、御者もなしでブロムが言った通りに走行してくれる。ハルシーピは賢いので、僕が乗っていた子もブロムが「着いておいでね」って声をかけるだけでよかった。すごいよね。一時間くらいかなあ。なんかブロムと記憶に残らないくらいくだらない会話して(奥さんに関するノロケとか)いたらあっという間だった。ハルシーピがキューッ! ってひと声鳴いて減速し始める。目的地に着いたのかな。
停まったところでドアを開けて降りたら、すぐ傍から「ヨータ、このバカやろう」って声が降ってきた。タルクだ。もう僕も自分でそう思うから「はいすんません」しか言えないよね。
警備の本隊と無事合流。すでに今後の予定とかは話し合いが済んでいて、今日は広い砂丘の中にある遺跡みたいなところで野営を組むらしい。そこからだったら国境が遠いし、目的地のカイラントへ真っ直ぐ行けるんだって。で、僕は単騎でハルシーピに乗るんじゃなくて、荷物を載せて運んでいる幌ハルシーピ車に乗せようってことで意見が一致したみたい。荷物は後から来る感じで走らせて、体だけ先んじて現地入りしようと思っていたんだけど、それでこうして暴走しちゃったんだからぜんぜん意味がないからさ。はいすんません!
ブロムも、本当は空路でカイラントへ先に入っている予定だったんだけれど、僕をじっと見て「なんか、心配なんで同行します」て言ってた。本当にすんません……。
今日野営する場所に着いたのは、夕方くらいだった。なんだか、東部は異常に暑い夏だって話だったけれど、たしかにこれまでのどの土地より暑く感じてきた。僕的にはこっちの方が得意だけど。
廃墟の半壊した石壁が、まだ人が住んでいたころの様子を伺わせている。天井はほとんど落ち、空が丸見え。風が通り抜けて低い唸り声を上げる。なんか出そう。それでも、たしかになにもないところで寝転ぶよりはずっといいかなあ。
「元は何かしらの研究施設か、軍の前哨基地だったらしいのです」
しげしげと僕が崩れた遺跡を見ているとき、ドルテランさんがそう言った。そうなんだ。たしかに、っぽい気がする。
「……なぁ」
その直後、警備さんのひとりがだれかに話しかけたのがやけに通って聞こえた。
「ここ、ほんとにヤバいって話、あるよな」
えっ、なにそれ。まじで出る系? ドルテランさんはちょっと苦笑して、反応した僕へ「夜にでも、余興にお話ししましょう」って言ってくれた。
すみません、本調子ではなくて、ちゃんと書けませんでした
あと1000文字くらい加筆したいです
13:00ごろにリロードしていただけるでしょうか
申し訳ありません
【13:08追記】追記しました、ありがとうございました!






