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30話目─エラトマ防衛戦②─

30話目更新です。


今回は戦闘描写はないです。

次回にグロ表現を多く出すと思います。

  時刻は既に夜となって、ノワル国の兵達も街道上に陣地を構築したみたいで火の手が見える。


 後退後の事を思い出す。


 「うぐっ…止めを刺してください、魔族の捕虜等には…」

カエデは捕虜になるのは死んでも嫌だと舌を噛み切ろうとさえする始末だ。

「失礼します」

カエデが口を開いた瞬間、ココスが布を口の中へ突っ込む。

「ぐぅ…むぐぅ!」

今彼女は興奮状態にいるのだ…落ち着けば少しはマシになるだろう。


 本陣へと戻りリョウに報告をする。

「敵大将の一人、早乙女楓を捕縛してきた、腕を斬ったから治療を急いでくれ」

「……そうか…衛生兵捕虜の治療をそれと…」

「ああ、見ての通り自決しようとしたから、少し手荒でもいい、死なせないようにしてあげてくれ」

「わかった…いいか、ちゃんと捕虜として扱え。俺達は畜生じゃない、憎しみだけで戦ってる訳じゃない事を忘れるなよ」

ラウルフ族の一人に言い、彼女は連れてかれた。


 「にしても………すごい戦果だな。ミランダ達の報告ではお前一人で百人長一人に十人長が三人それと敵大将が一人の捕縛…恐ろしいの一言だよ」

笑いながらリョウは言うが俺は笑える気分でもなかった。

「リョウ、少々その発言は不謹慎です」

「っと……すまん」

「ああ…気にしないでいい、リョウ達の役に立ててよかったよ」

「だが、今回の戦果でお前の能力を疑う者はいないだろう」

いきなり敵大将の捕縛だ、実際かなりの戦功だ。

「ちょっとアーナンの様子を見てくるよ、場所は?」

「ああ、負傷者専用の天幕で休ませてる」

「わかった、ちょっと行って来るよ」

アーナンが居る天幕へと向かう事にした。


 アーナンが居る天幕を忙しそうに走っている衛生兵に聞き、その天幕へと入る。

「アーナンいるか?」

「……あっ! シュン様、戻られたのですか?」

少し憔悴はしているが、気持ち明るめなアーナンの姿があった。

腕は既についているみたいだが、包帯を巻かれ痛々しさはある。

「すいません…いきなりヘマをしてしまいました…」

カエデの相手をしたんだ、勇者である彼女と戦い生き残った、それだけでもよかった。

「気にする事じゃない、敵大将の一人だったんだろう?

「あ、はい…サオトメカエデと名乗っていました…」

「ああ、俺の知り合いだ…」

「…えっ?シュン様の…という事は勇者?」

頷く。

衛生兵の一人が俺とアーナンが話してるのを見たのか、折畳み式の椅子を置いてくれた。


 「ありがとう、そのカエデだけど、彼女は俺が捕まえた、今は捕虜として関の牢屋に居るだろう」

「そう…ですか…シュン様はすごいですね…」

「何を言ってるんだ、アーナンだってすごいじゃないか」

彼は腕を切り落とされ早くに戦線を離脱したが、戦功はあげている。

「十人長を三人討ち取ったと聞いたぞ」

「あ…はい、ですが…」

「何を恥ずかしがってるんだ。十分な戦果だって……確かに俺はそれ以上にあげたかもしれない。

 それでもアーナンは勝てないと思った相手にも引かずに戦った。

 本来なら君みたいな人物を勇者と称えるべきなんだ。

 ……大事なのは戦果を挙げることじゃない、国を思い戦う事だと思う」

「シュン様…」

「だから、気に病むな、早く直して戦線に復帰するのを待っている」

「は…はい!」

激励にはなったかな?

アーナンと別れ、次は…彼女と話でもしよう。


─────エラトマ関所 捕虜収容所─────


 彼女の居る関所内の牢屋へと足を運んだ。

門兵はコボルト族の2名だ。

「お疲れ、捕虜は?」

「あ、お疲れ様です!」

コボルトの一人が返してきた。

「はい、中にお入りになりますか?」

「頼むそれと、会話を聞かれたくないからしばらくの間はなれていてくれないか?」

「………了解です」

「苦労を掛けるね」

鍵を開け、どこかへと走り去ってくれた、コボルト達に感謝して中へ入る。

「カエデ…いるか…?」

中は暗く、視界も普通ならほとんど見えないだろう。

だが、俺は普通じゃないからな…こんな暗闇でもよく見える。

彼女は、部屋の中央で猿轡で口を防がれ、足をロープで拘束されていた。

ただ、腕は俺が斬ったため包帯で止められていたが。

「とりあえず…猿轡だけでも…」

なるべく、優しくとり彼女と話す。

「はぁ…はぁ…シュンさん、何故魔族なんかに…」

何故魔族に、確かに…俺も何故と言いたくもなる。

「度重なる偶然の末…かな…信じてもらえるとは思わないけど話を聞いてほしい」


それから……初陣後、リョウと初めて会った時の事。それを報告しその晩に殺されかけた事。

シャルの処刑からスー達との出会いとその後の凄惨な最後。

リョウ達との旅路、ココスやゴーディ達との出会い。

そして……コウタの死。

最後にレグ国での生活。


 「そして、今に至る…」

彼女は暫し沈黙していたが。

「信じられない……確かに信じられません…が…」

心当たりは少ないがあるようだ。

「戦場での事…両親の名……未だに思い出せません。今まで何故気付かなかったのでしょう」

「俺も、わからない…昔を懐かしんでいた時に俺もわかった事だから…」

例え帰れたとしても俺は記憶を思い出せるのか…?

だが、もう俺は元の世界に帰るつもりもない。

「俺は、この世界で一生を終えようと思ってる。魔族…響きは悪いかもしれない、けど一緒に生活して彼等の文化を知ってわかった事もいっぱいある」

「……それは?」

「俺達人間と何も変わらないって事だよ、嬉しい事があれば笑い、辛い事があれば一緒に乗り越えようとする、悲しい事があれば泣くんだ。何も俺達と変わらない、そう何も」

彼等の生活、彼女は思いもしなかったんだろう。

その表情を見ればわかる、とても驚いたように目を見開いている。

「貴方が見てきた事なのですから真実なのでしょうね…ですが…貴方と離れている間に私にも守るべき人は出来ました……」

それは拒絶の言葉と受け取るべき言葉。

「そう…か…だからと言って手荒な真似をする気もないから、安心してくれ」

「……ええ、ありがとうございます」

その後は普通の会話を楽しんだ。


 だが、外から何かが歩いてくる音と先ほど鍵を開けてくれたコボルト族の声が聞こえてくる。

「──すから! 捕虜とは言え手荒な真似は!」

「……コボルト風情が誰に口を聞いてんだ?…アァ!?」


 ゴンッと壁を何かでたたく音が聞こえた。

すると、ドアが開き豚鼻をした隻眼の黒い大男が入ってきた。

「失礼するぜ…っと…ほう…上玉じゃねぇか、なんだ兄ちゃんその目は」

「捕虜に何のようですか」

「何、女が捕虜で捕まったと聞いたんでな遊んでやろうと思っただけだよ」

「手荒な真似をするなと、第三将軍からの命を忘れたんですか?」

第三将軍の名を出すと笑顔は消え、怒りの形相へと変わる。

「あんな人間の命令など知るか! 俺を誰だと思っているんだ!? ええ、下等種族の人間がよぉッ!!」

「知らないな」

「…あ?」

「だから、知らないと言ったんだ」

「手前ぇ…」

「将軍…こやつは、少し前に第三大隊に入った人間かと…」

気付かなかったが後ろに130cm程の同じく豚鼻の小男が立っていた。

「………なるほど、第三将軍の部下だからとでかい顔しているわけだ…」

「それが……──」

どうやら、今日の戦果を言っているみたいだ。

俺の顔を見て驚愕の表情を浮かべている。

「っはん! どうせ、人間が弱かっただけだろう、いつもの事だ」

「お前こそ、誰なんだ、この捕虜は第三大隊の管轄だ」

「どこまでも生意気な…」

「控えなさい、このお方は斧を振るえば旋風を巻き起こし! 攻めに関しては天下無双を誇る! 第五将軍のバダルギス様だ! 」

小型な男が大男の紹介を始めた。

第五将軍…ね。

「リョウよりも下か、偉そうだから第二将軍かと思ったよ……緊張して損したかな」

「ぬ…き、貴様……生意気がすぎるぞ」

「それに、言動が稚拙すぎる、威厳のかけらもないな」

「………」

「それに臭うぞ、ちゃんと汗流しているのか?」

「…ぬおおおおおお! 我慢ならんっ切り捨ててやる。斧だ! 俺の斧をもってこい!」

「しょ、将軍! ここでは振る事も困難です! ここはお引きください!!」

豚鼻を真っ赤に染め怒り心頭の男、バダルギスはいまにも暴れそうにしている。

「ここは、危険だな…彼女は俺が預かる、どいてくれ」

彼女を抱き上げ、牢屋を出る。

「……貴様、後ろから斬られぬよう気をつけろよ…」

「何処までも小物だな、あんた…出来るもんならやってみな」

はき捨てて、関所を後にした。




─────同日 第三大隊陣地─────


 とりあえず、彼女は俺の天幕で預かる事にしてリョウに報告することにした。

「──…という事があったんだが」

「ぶはっはっは! まじか!? シュン面白すぎるだろ!」

爆笑である、実際なら処刑されてもおかしくないと思うが、まぁリョウだしな。

「まぁ、あいつはなぁ…俺を敵視してるし、しょうがない気もするわなぁ…」

なるほど、アグニスも決して一枚岩ではないって事か。

「ま、彼女を安全を考えるならお前の所が一番いいだろう。コボルト達じゃ目上の奴が来たらどうしても押し切られる所があるしな」

思い出した、あの門兵をしていたコボルト族は大丈夫だろうか?。


 「にしてもバダルギスか…あいつは、オーク族で少し血気盛んと言うかなぁ…」

「まぁ…少し馬鹿っぽかったな」

「ぶはっ! 確かに……攻めも突撃しかしないからな」

仮にも第五将軍、地位は将軍の中でも中程なのにこの扱い。

「でも、実際強いのか?」

「まぁ…飛びぬけて強い…事はあるな、どれぐらいかは知らん、模擬戦の時は俺の作戦のおかげか、ヒューリーに倒されたけどな」

まぁ、ヒューリーは強いからな……

「ただ、波に乗るとすごい」

各下や防御が得意な相手には嫌な相手だろうとはリョウの評価だ。

まぁ…リョウには扱いやすい奴らしい。


 「ああ、そうだ今日の被害を教えておくな。こちらの軍の軽重傷者二千八百、死者千、行方不明者二百被害合計四千弱だ、ノワル連合軍(あちら)の被害が一万強と言われている、予想より被害がでかいが、あちらへの被害も予想以上だ」

四千…それが今日だけで消えた者達、人間は一万弱が死んだという事になる。

「悲しい事だが、いずれ慣れる…」

「ああ……とりあえず、戻るよ」

「また明日な」

「おやすみ」




─────シュン・ココス用天幕前




 リョウと別れ天幕へと戻ると殺気のようなものを感じた…主にココスの方から。

「シュン様!これはどうゆう事ですか!?」

「シュンさん、何故女性と同じ天幕なのですか!?」

ステレオで流される質問の嵐とでも言うべきか。

「シュン様…その女性はノワルでの思い人と聞いていますが…」

は!? 何を言ってるんだココスは。

「え…?」

「やはり嘘ではないか!」

「うぐぐ…あ、貴女だって!、シュンさん!この女性を…その…夜をともにしたのですか!?」

夜というか、なんというか。

「レグ国では、同じ部屋に泊めさせられたな」

「そ、そんな…」

「ほら! 言ったとおりではないですか!」

カエデは俯き、逆にココスは鼻を高くしている。

「まぁ、他にとまる部屋も無かったし、それにレグ国に居たときはほとんど国王と一緒に居たしな」

その言葉を聞き、カエデが顔を上げる。

「やはり嘘ではないですか!貴女の言う事は嘘ではないですか!」

「う、嘘ではない!それに押し倒されましたし!」

そして、一斉にこちらを見る。

「あ~…その…確かに押し倒したかもしれないけど…疲れてたからそのまま寝ちゃったし…」

「…どうせ、肩でも貸してたのをシュンさんが力尽きてそのまま寝たのでしょうね」

鋭いな、その通りなんだけど。

「う、うぐ…」

「どうやら…|ず・ぼ・し《図星)のようですねぇ…?」

「………」

なんとも悔しそうなココスの表情である、あんな表情初めてみたかも。

「まったく、何がシュン様の妻となるですか」

え? 誰が俺の妻?

「ななな…何を…」

「おや…お忘れですか…?私に言ったじゃないですか、シュン様は私の夫となる方ですって」

ココスが俺の妻に?

ココスを見ると顔は真っ赤だ、そして俺が見てるのを見てさらに赤く染めてく。

「く…くうううぅぅぅぅ…」

「フ…勝ちましたね…」

んー…結婚かぁ…

「人間とラウルフ族って子供できるのかな?」

って、女性が居る前ではしたないか?

「で、出来ます! 出来ます! どんな種族でも子供は出来ます!」

嫌がるかなって思ったけどなんか、力いっぱい答えてきた。

それもかなり大きい声で、たぶん外にも響いているかもしれない。

「しゅ、シュンさん…?」

「いやぁ、出来るのかなぁとか考えちゃってねぇ、ははは」

「で、ですが! 幸せを掴むには人間同士で結ばれるべきです!」

まぁ、人間同士というか、俺の世界じゃ人間しかいなかったしな。

「そんな事はありません!ちゃんと人間とラウルフ族が結ばれる事もあります!」

「そんなの私が認めません!」

「貴女が認めなくてもこの国では認めてもらえます!」

どんどんヒートアップしていく二人。

すると外が騒がしくなってきた。

様子でも見ようと外に出ることにした。


 外に出るとコボルト族だけでなく、ラウルフ族やリョウ達士官も勢ぞろいといった感じに集まってきている。

「おーおーモテモテじゃないか、シュンちゃん? ……っぷ、アハハハハダメだっおもしろっすぎてっ腹が……いてぇ……ブッハハハハ」

とりあえず、むかつく笑い方だなぁ…

「シュンちゃんはどっちにするの?」

ヒナの言葉だ。

「どっちにするも何も…カエデには思い人が居るしなぁ…、それにココスをそうゆう目で見たこともないし…」

その言葉で天幕の中が一気に静まりかえった。

「お、終わったか?」

「いや…これは終わったというか、お前が終わったというか…」

何故俺が止まる事に?

「はぁ~…小僧もいい歳だろうに…」

「まったくだな、じゃあヒナ戻ろう、…いや、避難しようか」

「うんうん! 戻ろう戻ろう!」

「じゃあ、皆解散死にたくない奴は戻れ」

一斉に自分の天幕へと走って行く。


 なんだかなぁと思いながら天幕に入ると、布が剣に巻かれて飛んできた。

「ちょ! 危なっ!?」

どうやら投げたのはココスのようだな…というかココスしかいないし。

「……とりあえず………」

「とりあえず?」

「シュン様は申し訳ないですが新たに天幕を設営してください、彼女は私が命を掛けて保護しますので」

笑顔だが、まったく優しさがない…目が笑ってないですココスさん。


 「では、おやすみなさい」

追い出された……うーん……天幕の設営の仕方なんてわからないんだけどなぁ…

あ、そうだヒューリーの所でも行ってこよう。




 「ヒューリー、入ってもいいか?」

………

返事が無い。

「ヒューリー、居る?」

………

返事がない。

「入るぞー」


 入るとヒューリーは居たのだが…裸で。

まぁ…普通は問題ないと思うよね。

ヒューリーは普通男と思うような名前だし。

うん、普通はそう思って当たり前だよね。


 けど…ヒューリーの胸が…

女性の象徴のような……胸がその…

「ご、ごめんなさい!」

俺は天幕を飛び出して逃げた。


 あ、あれぇ?ヒューリーって男じゃ…というか、胸が…あれ?

え? えええええ?

「おー、どうしたシュン? 鳩が豆鉄砲食らったような顔して」

外で立ち竦んでいると、リョウが天幕から顔を出して声を掛けてきた。

「えっと…その…追い出されたからヒューリーの所で泊まらせてもらおうかとな…思ったんだけど」

そこまで言うと全てわかったような顔をして。

「見たんだな…」

「い、いや不可抗力だって!」

「あーわかるよ~わかるわかる、男はそうゆう生き物だ」

「いやいや、男だと思ってたんだって!」

「いいよ、いいよ」

何を言っても今は無駄だろう。

「はぁ…」

ため息と共にとりあえず、言い訳をするのを諦めて本題に入ることにした。


 「でさ、悪いんだけど…」

「無理」

「泊め…え?」

「だから、無理」

なんと、冷たい奴!

「俺、天幕の設営とかわからないんだって!」

「いやぁ、さすがにこの寒空じゃあ辛いよなぁ」

季節は紅月、5月…夜はまだ寒いんだ。

「リョ、リョウ!」

「あー、この天幕には入るなよ…?ヒナに殺されるぞ?」

「え?」

「という事でこっちはこっちでお楽しみ中だからな、すまん」

ちょ!お前…。

「いやぁ…合法ロリっていいものですね」

「ま、まさか…」

「じゃあ、そういう事で」

………考えるのはよそう、リョウ達を直視できなくなりそうだ。

どうするか……困った………。

戦場に出てるのに戦士じゃなくて凍死とか嫌過ぎる……。




 「どうしたニャ?」

途方にくれていると、下から顔を突き出し、ミィが声をかけてきた。

「……あ、いや……ココスに追い出されちゃって…」

「にゃにゃー……襲ったりしたのかニャ?」

「そ、そんな事はしてない!」

レグ国で押し倒したけど…。

「にゃ~…まぁ、寝る所がニャいならウチにくるがいいニャ!」

「……え、いいの?」

捨てる神あれば拾う神ありとはこの事か!?

「いいニャいいニャ、困ったときはお互い様ニャ」

「是非お願いします!」

「……た だ し……」

「ただし?」

「襲ったら追い出すから気をつけるニャーよ」

「そんな事は絶対に!」

それならいいニャと言って案内してくれる。

なんていい子なんだろう…彼女は確か、ミランダと一緒によく居るフェルパー族の子だろう。

猫のような耳が特徴的だ。


 「ニャ~ここですニャ」

天幕の入り口には猫のお面が看板のように置かれていた。

ミランダとよく居る…もしかして…

「ただいまニャ~よ」

ミィを引きとめようと手を伸ばすが一足遅かった…

「ちょ、ミィ! ちょちょっと待…」

「あ、おかえりなさい~…って…え?」

「…お邪魔します……っぶふぅ!」

同室の人は予想通りハーピー族のミランダだった。

当然、上半身裸、毛繕いしているのか手を開いた状態だ。

「ニャ! なんか、捨てられてたから拾ってきたニャ!」

「あ、そうなんですかぁ、ごゆっくりしてってくださいね」

「は、はい…」

そ、その…うう…

「とりあえず、ミィは何処でも寝れるからミィの寝台使うといいニャ」

と、彼女の寝台だろう場所を指差す。

「い、いやさすがにそれは悪いし…いいよ地面で…風除けさせてもらえれば」

「そうかニャ?じゃあ、そうするニャ!」

ドスッとベッドにダイブしたのだが、硬いみたいでフギィと喚いて鼻をなめていた。

「……ッフ……ハハ」

「ニャ? 面白い事でもあったニャ?」

「ん? ……いや、なんでもないよ、ありがとう」

「ニャ? まぁいいニャ、ミィはもう寝るニャ!」

「はい、おやすみミィちゃん」

「ミランダも夜更かしはいけないニャ~よ」

「フフ、はいはい」

ミィからはすぐに寝息が聞こえ出した。


 「ミィちゃんの寝顔可愛い…」

ウットリとした表情でミィを見るミランダ。

「……ジュルリ……」

ジュルリ?

「……っは!? ……あ、どうぞ!お好きな場所に腰掛けて休んでください!」

どうやら、俺の存在を忘れてたみたいだ。

「あ……うん、ありがとう」

「いえ……?」

どうやら、目を合わせない事を不思議に思ってるみたいだ。

というか、見ようとしても…胸が…


 ごめん…胸の刺激が…

「え? …ああ、すいません…ハーピー族は服を着る習慣はないので。

さすがに、ズボンは履いているが。

「ごめん…」

直視は出来そうにないなぁ……

「いえいえ、シュン様みたいな人は珍しいですよ、リョウ様なんて喜んでましたから」

リョウなら喜びそうだ……

「それに、シュン様にはココス様がいらっしゃいますし」

「いや、ココスとはそうゆう仲じゃないから」

「あれ? そうなのですか…? 私はてっきりそうかと」

確かに彼女はよく俺の面倒見てくれるし。

彼女無しでは今みたいには居られなかっただろうな。

「感謝はしてるけどね」

「そうなんですか~」

「うん……まぁ、明日もあるし寝るよ」

「あ、はい~おやすみなさ~い」

剣を包んでいる毛布を掛けて、寝る事にした。


 朝、ちょっとした事件がおきるのも知らずに。

30話目了です。


というか、消されないよね? これぐらいOKだよね!?

まぁ、今回は自分的にギャグっぽく頑張って見た感じですけどどうだったでしょうか?

あ、ダメ…はい…


新キャラの「バダルギス」の紹介を。

アグニス軍で唯一人のオーク族です。

アグニスなら名も馳せられるだろうという気持ちから、アグァラより亡命。

その強さを買われて将軍になりました。

ただ、頭が少々アレなために、よくリョウに馬鹿にされてますが。

仲はかなり悪いです。

身長、230cm170kg(推定)横にも縦にもでかい体型です。

いわゆるお相撲さん体型ですね。

武器は3メートル近い特注の戦斧。

その飛びぬけた膂力で振り回せば鎌鼬が発生する程の持ち主。

けど、ヒナに力で負ける。

簡単な火属性魔法ぐらいなら使用が可能けど、魔法は卑怯だと思ってるので使わない。

あと、人間は嫌いだけど人間の女を××(自主規制)するのは大好き


Pv17万突破、ユニーク1万6千突破!ありがとうございます。

今後も更新頑張って生きますので生温く見守っていてください。


誤字・脱字・感想等ありましたらお願いします。

キャラの設定とか載せた方がよければメッセージ等で教えてください。

何人か居るようなら頃合を見て載せようと思います。

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