31話目─エラトマ防衛戦③─
とりあえず、話は出来てたので31話目更新します。
キーボード打ちすぎで肩が痛いですはい。
早朝、悲鳴と共に羽のような物で叩かれて目が覚めた。
「え? な、何事?」
「……ミィの耳が壊れるかと思ったニャ…」
はて……ここは、あ……追い出されてミィの所で寝かせてもらったんだっけ。
というか…なんで俺叩かれたの……?」
「む……胸……」
むね……?
「胸触られた! 襲われかけた!」
え? ええ!?
俺寝てただけなんだけど……
「ニャ~…変態さんだったニャか~」
「ちょっと待って、俺床で寝てるじゃん?」
俺は剣を枕にして寝てたはずだ。
現に俺の頭があった位置には剣が置いてあるし、ここは俺が寝てた場所から動いてないはずだ。
「う、嘘ついてます!」
「ええぇぇぇぇ……」
「ニャ~…ミランダは、寝ぼけて抱き付く癖があるニャ、たぶんそのせいだニャ」
確かに、俺は二人とも全く違う方向を向いているし、動いてさえいない。
「そ、そんなはずは……」
と、そこで、リョウ達が悲鳴を聞いて飛んできた。
「なんだ今の悲鳴は? こっちは疲れてるってのに……」
リョウが入ってきたわけだが、当然あいつは俺がここに居るのを知らないわけで。
「……お……夜這い?」
と、ミィに聞く。
「ニャ~残念ながら違うのニャ」
何が残念なのかと……
「まぁ、程ほどにしておけよ。倒れられても困るからな」
……どうしてこうなった!
ゴホン……まぁ、少しだけの抵抗を見せようか……
「リョウ」
「ん?」
「ゆうべはおたのしみでしたね」
「おう、楽しかったぞ」
これが余裕を持った人間という事ですね。
「ニャ~完敗ですニャ」
「そーですね……」
は~止め止め……、朝食でももらってくるか。
「朝食もらって来るよ」
「ニャ!? じゃあ、お魚入ってるのがいいニャ~」
そんなのあるのか?
指揮官も兵士も食事は同じのはずなんだけど。
配給所に行き、御飯を配っているコボルト族の女性に聞いてみる事にした。
「そこの人、あのさ魚とか置いてある?」
「あ、おはようございます! ……魚…ですか?」
とりあえず、ミィの事等を伝えてみる。
「ああ、ミィ様の使いですかぁ、では……こちらがミィ様のと……んっしょ…ミランダ様の分となります」
彼女らの食事には魚の塩焼きが乗っていた。
「あれ?士官って食事特別だったの?」
「いえ、事前に食料を調達してきてもらえればこちらでプラスする事が出来ますよ? 知らなかったのですか?」
聞いてなかったです。
まぁ、知ってても俺が何かを取るとかまず無理だろうけどなぁ。
「……あ! おはようございますココス様!」
「ん…ああ、おはよう。いつもありがとう」
「いえ! ココス様のためなら苦労なんかじゃないですよ!」
そう言ってココスに渡す。
すげぇ、マンガ肉だ。
けど……マンモスなんていないよな?
「どうしました、シュン様? この食材がほしいのですか?」
確かに…ほしい、俺のメニューは乾パンと野菜のスープだし。
「残念 な が ら。これはカエデ殿と一緒に食べますのであげられません♪」
うわぁ…笑顔なんだけど明らかに怒ってる……
「え…えっと何かあったのですか……?」
「いや……さっぱり……」
とりあえず、器用に3人分の食事を持ち、彼女たちの天幕へと運ぶ。
「おまたせ」
「ニャー遅すぎニャ! 死ぬかと思ったニャよ」
「いつもはミィちゃんがすぐに持ってくるからねぇ」
そして、いただきますと挨拶してから食べる事にした。
「うま…うまっ……やっぱ魚は塩で焼くのが一番ニャ!」
「フフ……そうだね」
彼女達は食事を楽しんでいる。
彼女たちのメニュー。
乾パン2個
野菜スープ
川魚の塩焼き(2つ)
果物
さっきも確認したけど俺のメニュー
乾パン2個
野菜スープ
以上!。
「ニャ~珍しいニャ~何も取らなかったのかニャ?」
「あらぁ、それでは味気ないですよねぇ」
ええ、味気ないです。
「というか、知らなかったんですよそうゆうの」
「そうなのかニャ、どうせリョウが省いたんだニャ」
この子鋭い……
「面倒だったんじゃないでしょうか? それか…ササ様が取ってきてくれるから普通に忘れてるとか……?」
なるほどね…後者の方がありそうだ。
「まぁ、さすがに可愛そうニャね~、うにゅにゅ…しょうがニャい! 可愛そうなシュンにこれをあげるニャ!」
と、言って果物を半分くれた。
なんと慈愛に満ちた子なのだろうか…
「じゃあ、私も魚あげますねぇ~」
地獄に仏とは…まさに……
「まぁ、胸を揉んだ事は忘れませんけど」
まったく記憶にないですミランダさん……
食事も終わり、現在は作戦会議のため集まっている。
「さて、朝食も済ませたし、そろそろ奴さんも動きはじめる事だろう。
戦は騙しあいだ。奴さんが準備整える前に前進を仕掛ける。
陣形は昨日と同じ魚鱗で行くが、異論はあるか?」
当然何もない、実質この中ではまともに作戦を考えられるのはリョウとウラントぐらいしかいないのだから。
「ないな? なら配置を伝える。
先鋒、ココとヒナ」
「お任せを!」
「はい!」
「右翼、ジーノとデルミン」
「おう」
「でつ!」
「左翼ココスとヒューリー」
「……え?」
「………」
「え? じゃないよ、お前は左翼」
「で、ですが……」
「ですもますもないわ、お前は左翼補佐決定事項復唱」
「ココス士官補佐は左翼指揮の補佐」
「よろしい」
それが命令と言い、次の配置を伝えていく。
「中軍、ウラント、キリア」
「お任せを」
「うぃ」
「遊軍、ミィ・ミランダ」
「ニャ~」
「はい!」
「何か質問は? ……ないな」
「あ…リョウ……俺は?」
「あ」の形で口を広げたまま固まっているリョウ。
「なんてな、冗談だ……シュンは俺と本陣だ」
「理由を聞いてもいいか?」
少し悩んだ末、ため息と同時に一言。
「……お前は突出しすぎだ、悪いがそこから学んでもらわないといけない。
昨日は対した戦果を挙げたが一番被害が出たのも先鋒だった。
まぁ……運よく貴重なササとココス達が大事にしているラウルフ族に被害が少なくてよかったがな。
あいつらは俺達の主力なんだ、下手に失うわけにはいかん」
俺が戦闘下手だから、この結果に……
「それなら昨日……──」
「言ったら、お前は今の今まで引き摺るだろう」
確かにその通りだと思った。
「わかった…」
「よろしい、んじゃさっさと準備済ませて今回も勝利と行きますか!」
「「「ッハ!!」」」
「「………」」
知らなかった……俺の部隊に居たせいで被害が増えてたなんて。
「シュン様……」
「おい、ココス! 早くしろ」
「……ッハ……」
ココスもそれを知っていたのかな?
だとしたら……彼女は自分を責めているんだろう。
俺の責任なのにな。
「……っはぁ……ったくぅ暗い! 暗いぞ少年!!」
いや、少年って歳じゃもうないから。
「初めてとは言え、我ながら情けないよ」
「はぁ……へこむのはいいがなぁ、尾を引くな尾を。
いいか?被害は出るのは当たり前だ、確かに俺の予想よりも被害は出たがな。
それでもだ、お前は戦果を上げたそれも事実だ。
それに、失敗を恐れたら成功なんて遠のくだけだぞ? 悔しい気持ちはわかる、ならばこそ……お前のせいで死んだ連中を無駄死にじゃないと見せ付けてやれ」
過ぎ去った事は戻らない。その通りだ。
「ああ、すまない……会戦までには何とか持ち直す……それまで、一人にしてくれないか」
「ったく、お前も士官なんだから暇じゃないのに……しゃあねぇ、ちゃんと治して来いよ! 皆が待っている」
リョウは普段はふざけているけど、締める時は締める奴だ。
なんとしても、気を落ち着かそう。
そして、来た場所は俺のいや、元俺の天幕だ。
「カエデ……入っていいか?」
「……私は捕虜の身ですから」
棘棘しい返答だが、中に入らせてもらう。
「それで……なにか御用ですか?色情魔さん」
名前さえ呼んでもらえない、これはこれで傷つく……
「フフ…冗談ですよ、シュンさん昨日の事は許します。
それで……外は慌しい所を聞くと、出撃準備なのでは?」
「ああ、そうだけどね……」
「まぁ……予想だと……被害が大きいから先鋒から外すとかですか?」
ドンピシャだ。
彼女もそれは気付いていたみたいだな。
「しょうがないとは思いますけど……仮にも勇者の部隊とぶつかったのですから」
だが……
「たぶん、シュンさんを引かせる口実ではないでしょうか?
このように大規模な戦闘はほとんどないでしたし……シュンさんに伝えたい事がある。
だからこそ、先鋒から外したのでは……? そう思いました」
「そう……なのかな……?」
「ええ、そうですよ」
彼女の言葉に幾分も楽になった。
「うん……ありがとう……」
なんか元気が出てきた。
「……お? やっと来たか、じゃあ行きますか」
「すまない、行こう」
リョウが合図を送り、近くにあった大型の弩で巨大な矢を飛ばす、色は茶。
それが進軍の合図なんだろう。
─────第三大隊 本陣─────
「さすが将軍二人が指揮する軍団…だな」
現在戦況は膠着状態だ。
ただ、左翼はかなり優勢に見える。
ヒューリーとココスの指揮…
「あの二人を見て見るといい、ヒューリーはああ見えて、合わせるのがうまいからな」
確かに、優勢だが他の部隊と歩調を合わせている。
前方の兵士を蹂躙し、消えれば他にあわせ少しひく。
その穴に敵が入ればまた蹂躙する。
ヒューリーとココスはここからでもわかる程に獅子奮迅の活躍を見せる程に。
「あれが、部隊同士の戦いだ」
俺はあんなふうには戦えない……確かに、後ろから見る事で分かる事もある。
「悪い例が……先鋒の馬鹿二人だ」
ササとヒナの二人。
まるで昨日の自分を見てる気分にさえなる。
ココス達とは打って変わって、二人は突出している。
敵部隊へ突っ込み肉片が舞い上がっているのだからすぐにわかる。
ヒナに関しては武器が異常に長いしな。
「あの二人は……まぁ、有名なおかげか、敵が浮き足だって居るからあんな風だがな……
俺みたいな無名ではそうも行かない。
それでも、先頭は徐々にではあるが押されてるため△の先端が潰れてる様にさえ見える。
「ちっと…まずいか……」
巨大な矢に黒の布をつけ射出する。
「中軍が援護に向かうって意味だ」
あれは……エルフのキリアか?
ウラントは、弓を引き両翼の敵陣へと飛ばす。
そして、先頭で戦ってる部隊は少しの隙間を開けていき、その隙間を縫うようにキリア達が進んでいく。
人間達からしたら崩れたと思ったのだろう。
その隙間へと雪崩れ込む。
そして、雪崩れこんだ敵兵士達は見事に倒れていく。
「うまく行き過ぎるのも怖いねぇ……」
と、呟いていると遊軍のミランダが飛んでくる。
「伝令!敵大将グリムを補足!最右翼 弓兵部隊 援護射撃 被害甚大!」
「そうか、わかった……引き続き情報収集を」
「はい!」
バサッと両翼を羽ばたかせ右翼方面へと飛んでいく。
「ちとまずいな……って!? ミランダ高く飛びすぎだ!」
あれでは、名手からしたら的にしか見えない……?
「シュン!悪い、右翼に本陣の部隊の千を連れて援護に行ってくれ!」
何よりも早さを優先するべきだろう。
「わかった!」
俺が動きはじめるのと同時に黒と緑の二色の布が飛ばされる。
黒は援軍、緑は右翼の意味だ。
悪い予感はよく当たるものだと本当に思った。
彼女がちょうど敵陣地の上当たりで矢が一斉に放たれた。
ハーピー族は風魔法が得意なので、突風を出せばある程度は防げる。
だが……矢の雨を吹き飛ばした直後に、二つの矢がミランダへと襲いかかる。
一つは運よくそれたが、残りの一本は彼女の胸近くへ。
「ミランダあああああああ!!!」
思いっきり叫ぶのと同時に、彼女が墜落し始める。
くそ!あのまま敵陣へ落ちたら討ち取られる!
死なせるもんか……もう俺の目の前で。
後ろの部隊を放って密集陣を駆け抜けていく。
ジーノとデルミンが見えた!
抜けた瞬間に剣を振りかぶり目の前の兵士に兜割りで二つに分断する。
「あ、あいつは昨日の…」
「十人長が討ち取られた!?」
「に、にげっぎゃああああ!!!」
邪魔だ!
くそ! 討ち取らせてなるものか! こんな所で!
彼女との距離は30メートルもないだろう。
だが、人間達が邪魔を……彼女を殺そうと……
「うおおおおおおおおお!!!」
魔力の奔流を感じた。
自分の足元から漆黒の闇が伸びる。
彼女の下へ届けと伸びる!
少しずつ少しずつ彼女へと。
そして、見えた彼女の間下に槍を構え刺し殺そうとする兵士達が。
「やらせてたまるうううかああああああ!!」
必死に手を伸ばすと漆黒の影が盛り上がる。
彼女の間下の影も一緒に上がっていく。
巨大な手の形をした影が。
兵士達からしたらなんと不幸な事か。
「え…?」
「手柄は、俺ぐぼっ……」
「母さん…今かダグェエエエ!!」
足元から上る手により股間や足が頭が串刺しとなっていく。
シュンがミランダの下へ辿りついたとき、その影の手には5つの不気味なオブジェクトと手の平で気絶するミランダが居た…
「い、息は……?」
して……る……よかった……けど、刺さった場所は左胸…下手したら心臓だ……このままでは危険か。
うまく行くかわからないけど……
「運命は歪に交差する
また違う結果を見て見たいんだ
だからいいでしょう
このページを開いても
【死からの予防】」
詠唱が終わると影の手が形を変え彼女を包む。
数秒もすると矢が抜け落ちていく。
そして、また数秒後彼女の矢が刺さった場所には黒く瘡蓋のようなものが傷口を塞いでいた。
切断したものとかの治療は出来ないが、血を固める事は出来る…
この魔法は魔術書の一つに載っていた魔法だ。
「小僧! ミランダは大丈夫か!?」
ジーノとデルミン達の部隊も半場無理矢理に突撃をして、すぐそこまで来てくれていた。
「すまん! 小僧のおかげで助かった! 早くミランダを」
「はい! すいませんが戦線はお願いします!」
「任せろう! シュンが引いたら俺達も周りに合わせて戦線を後退するぞ!」
「「「おう!!」」」
ジーノの指示に一斉に沸く兵士達。
いい軍だ、それだけは感じる事が出来た。
ジーノ達の援護のため、危なげなく本陣へと到着する事が出来た。
「はぁ…はぁ……リョウ、戻った……」
「ああ、見ていた……ありがとう……シュンのおかげだ」
「だが、彼女の容態が……応急処置は済ませたけど……」
リョウが彼女の傷を見て絶句する。
俺から見たらそこまでわからないが、肺を貫通、下手したら心臓も当たってるかもしれないとの事。
「衛生兵! なんとしても彼女を助けろ!」
「御意!」
「シュン、とりあえずミランダと一緒に居てやれ」
「ああ……わかった」
とりあえず、彼女は一命をとりとめた。
傷は心臓の一部を抉り、肺を貫通するほどの大怪我だった。
だが、魔法による応急処置のおかげというか、影で作りだした物が傷に癒着し、肉体と融合しはじめていて、手の施す事もなかったらしい。
よかった……
これは俺の呪いを捻じ曲げた事になるんだろうか?
小さな事でもいい、仲間が死なないなら俺は命を欠けて抗ってみせる。
夜、どうやら今日も勝利で終わったみたいだ。
敵軍の被害は八千ほど、こちらの被害は三千五百ほど。
被害がかなり増えたと頭を悩ませている。
だが、彼女が無事で本当によかったと、皆が喜んでいた。
目先の勝利よりも仲間の人命……三千五百近くの命が散ったけれど……救われた命もある。
今はそれを喜ぼう。
余談だけど……彼女の看護をしていた時の事。ミランダが目を覚ましたので喜んだら思いっきりビンタをされた。
「犯されると思った」と彼女は言っていたが、本気で泣きそうになった。
事の顛末を説明したら、彼女は真っ赤になって御礼を言ってきたからまぁいいか……
それと、その日から彼女はハーピーで唯一胸当てをつけるようになった。
個人的にはとても助かる。
さすがに、あの時は気にする余裕なかったけど……普段からあれだとさすがに……ねぇ?
31話目了です。
すいません!グロ表現ほとんど薄めでした!
一応、ミランダもミィもシュンに惚れる設定なのですが。
どうするかぁって思ってまして。
シュンの回復魔法って中々使う機会ないだろうし、ミランダには人柱になってもらおうと……
行き当たりバッタリですいませぇええええん!!
ミィもどうかと考えたけど、たまにはミィみたいに自然と~というのもいいよね…?
だめ?あ、はい……
細部はノリで書いててすいませぬ……
誤字・脱字・感想等ありましたらお願いします。




