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Canzonier du vampire Épilogue

【Épilogue】


 偶然は神がサイコロを振って決めるもの。

 必然は神が手引きをするもの。

 最良な結果が得られるのであれば、そのどちらでもシモーネにはどうでもよい事だった。シモーネは礼拝堂の前にいるラウラを見つけたのだ。

「姉さま!」

 ラウラは自分がシモーネに呼ばれたような気がして振り返った。錯覚だと半分疑いながら振り返った視線の先にシモーネがいた。ラウラの視線がシモーネを捉えて放さない。シモーネはじっと自分を見つめるラウラが自分の愛した女性と重なった。ラウラが駆け出す。シモーネはその姿を見て、あの女性が生き返ったような錯覚を覚えた。

「シモーネ」

 ラウラがシモーネの腕を掴んだ。

「……姉さま」

 シモーネはラウラをじっと見つめた。ラウラの口許がほころんだ。あの女性はいない。だけど姉は生きている。良く見ると、笑顔を見せるラウラの口許に犬歯の先端が覗いていた。

「あっ………」

 いつまでこのままいられるか判らない。もしかしたら、そんなに時間は残されていないのかもしれない。そして吸血鬼の毒に犯され、混血が吸血鬼に転化するのを阻止する手立てはない。自分の愛した女性は世界を敵にまわす前に死んでしまった。いずれ、この世界が姉の敵となるのだろう。「だけど今は……」シモーネは精一杯の笑みをつくり、ラウラの手を取った。

「姉さま、()()()()()()

 シモーネの言葉にラウラは嬉しそうに頷いた。


「例え、この先に道はなくとも……」


 了

本編を最後までお付き合い頂きありがとうございました。続編は書いているのですが、わたしは遅筆な為、いつ文章化できるのかは全く未定です。なお本編はほぼ完成状態からの投稿です。上手く文章化できたなら、またお付き合い頂ければ嬉しい限りです。


ペトラルカのイラストを柚祈礼憲様に描いて頂きました。

挿絵(By みてみん)


ラウラのイラストを柚祈礼憲様に描いて頂きました。

挿絵(By みてみん)


ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは。 まさか、どちらもフって近親相姦に走るとは思いもしませんでした(^_^;) イレーヌはともかく、ペトラルカはラウラとくっつくかな、と思っただけに意表をつかれましたね。 これは…
2020/07/06 17:55 退会済み
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