15、青年期⑥
ストラが降りたのは、浮島の城の中庭だった。
………言語翻訳のスクロール魔法でも塚ってみっかな。
ストラの時は弱ってたから使わなかったけど………今ならいけるはず!
天鳥の時に使わなかったのは、魔力の喰う量の違いだ。
1匹ならテレパシー&読心のスクロール魔法の方が低燃費なんだよね。
そこに鎧を着たドラゴンとめがねをかけたドラゴンの2匹が来た。
鎧はドラゴンの弱点となる腹の方に多くある。
めがねのドラゴンの方は苦労をしてそうな雰囲気を醸し出している。
めがねドラゴンが鎧ドラゴンより前に一歩ずいっとでて来た。
「お嬢様~~~~~~!!
ご無事でなによりです!!
天鳥に襲われたと聞きましたぞ!!」
……無事ではなかったんだがな。
今度は鎧ドラゴンがめがねドラゴンより一歩出て来てそのドラゴンの体で土下座した。
誰がどうみても土下座だ。
「すいませんでした、お嬢様!!
私というものがいながらお嬢様を逃がし、逃げることしかできませんでした…他の者は、全員ダメでした……私の命で償います。どうか………姫の手で……」
重い………
てか翻訳のスクロールだが、結構すごいな。
恐らくだが、翻訳がなかったらGYAAAA!!GAAAAAAA!!GAA……とかっていう感じになってたんだろうな……
魔力の減りもそこまで気になんないし、別にこのままでいいか。
というよりチート染みた魔力の恩恵によって回復の方が上回ってるっていうね。
「じいや、実は天鳥に翼膜を風魔法で切り裂かれ私はダメだと思った。
しかし、このもの…リュートに助けられたのだ。」
そういってストラは腰を下ろし、俺の乗っていた所から降りやすいようにしてくれた。
んじゃ、自己紹介といきますかな……
「リュートと申します。
魔力には自信があるため、ハイヒールにて姫様を治療しました。
またその時に姫様に父親…ドラグライト国王の治療を頼まれたため来ました。…聞いたところによると他にも患者がいると聞きましたので薬による治療を行います。」
そういわれた爺やドラゴンは考え込んだ。
「姫を救って頂いたこと感謝する。しかしだ、石化病を薬で治療するなどというのは聞いたこと無いぞ。」
まぁ、そりゃそうだような。見知らぬやつがいきなりきて
「王さまの命はあれとあれとあれを私が調合して飲めばなおりマース」
なんて言っても信じられないよな。
ここで1つ提案しようかな……
「では、まず、石化した兵士の方に協力していただきませんか?それで効力を示します。」
……こんなもんでいいのかな?
「………まぁ、いいだろう。」
よし。さすがに神の光とかいうの効果が効果だし、連発できなそうだしね。
「それでなんですが、材料を集めてほしいのですよ…物は水、ユラグラシルの葉っぱ、あなたがたドラゴンの血を少々……」
「調合は……」
俺しかできないしな。
「俺がやります。」
実は調合なんだが、楽だ。
水を準備して、水10リットルにつきユラグラシルの葉を1枚入れる。そしてそこにドラゴンの血を300mlいれる。そしてそこにバカみたいに魔力を注ぎ込むと完成だ。……バカみたいと言っているが常人の3人分ぐらいだ。んでもってここでもやっぱり神の光どうよう1人でやるしかできないらしい。
神の光はスキルじゃなきゃ9人分ぐらいだ。
………まぁ、いけないことはないがって感じだが、やりたくはない。
んでもってできた精霊の涙をかけると治る。
ちなみにドラゴンの血には格が封じ込められていて、それが状態異常の回復効果があり、それがユラグラシルによって格上げされ、石化を吹き飛ばすみたいな感じになっている……なんかここらへんは文字化けがあるんだよな……意味がわからん。
んで
Qなんで文字化けが起きた?
って質問したら
A、世界の意思が知られることを拒んでいます。
って返って来た…っていうことがあった。
思い出しただけでこわっ!
「わかった。で、量はどのくらいだ。」
という訳で頭の中で計算して伝えましたとも。頭が痛い……
「……結構な量だな。……分かった。」
「火とか使わないからなんか大きな湯船みたいなところにそれらを集めてほしい。」
ここでストラが割り込んで来た。
「………じいや、それらを集めるものはいるか?」
?………あっもしかして。
あの鎧ドラゴンこれがお前の罰だーっていってやらせんのかな?
完全に忘れてるもんだと思ってた。
この爺やドラゴンも気づいたのか
「いや、さすがにいないのう」
とか言ってるわ。
「それじゃ、ラン!」
そういうと土下座を今までしていたドラゴン、ランが跳び跳ねる。
「はい!!」
「お前の罰は今言ったものを集めることだ。
材料はお前ら、兵士の風呂場に、集めろ!血は、残っている元気な兵士から取れ。」
「しかし!私は!」
と食いかかる。…そこまで死にたいのかな。
「私の命令が聞けないのか!」
………というかなんというかストラ性格違くね?
……会った時はおしとやかな感じだったんだけなぁ……今は将軍みたいな……。
「いえ!分かりました…ランがお嬢様の願い、しかと聞きました。」
そういって鎧ドラゴンのランは飛び去っていった。
「ふぅ、よかった……」
「えっと…ストラ様?あれが素ですか?」
「違います!。
あの子って、なにかあるたびに私に殺せって言うんです………ああやんないと止まんないの。
例えば、敵を逃がしてしまった。私を斬ってくれとか、
あの子は隊長さんなんだけど花瓶を部下が割った、私を斬ってくれとかって部下の責任もとって斬れ斬れっていうんだよね…
腕はいいんだけどなんでだか、そんな感じなんんだよね。
」
………めんどくさそうだなぁ………
そういえば
「なぁ、石化病にした敵ってどんなやつなんだ?」
「それは私は分かんないの。ちょうど、私が出掛けてるタイミングで来たから……王様が石化になったとしか……爺や。」
「はいな。えっと襲ってきた魔物でしたな……そいつは、鋭い爪と、石化病にする息をはく魔物。コカトリスです。
コカトリスが、私たちの国のこの王宮に、侵入、それも王様の寝室に……それに気づいた衛兵が応戦したが時すでに遅し、王が石化病に………」
「どうして?この王宮に入ってきたんだ?」
「実は、この王宮は浮島の下の方からも入れるようになっていて、そこは非常時の出口で鍵がしまっているです。それも頑丈なものが……
しかし、それは壊されていました。
それもコカトリスが入ってくる前の晩に………
壊すところは誰も見ていないらしく、誰が敵なのか分からず、姫様にもあったものに散歩だというように言って、治療できるものを探してきてもらったのだ……。
もし、王家の血を根絶やしにするつもりなら姫様の命も危ないですから、外に逃がす目的を込めてね……。
護衛も、男も女も関係なしに先鋭を集めました。あそこで、天鳥にさえ襲われなかったらあなたにも会えなかったのだと思うと命は失われていますがなにが解決の糸口になるかわかりませんな……
」
なるほどね……
「んで?身内の誰が犯人かわかったのか?」
爺やドラゴンは首を横に振るだけだった…
「ただ、怪しいものが2人、宰相のドランと、ドラグライト国王の兄弟の兄の方だ……
この二人が国王とその次に魔力が高い姫様が消えれば次の王になる可能性が高い二人となっています……
」
………ふむ。……あとで世界の知識で犯人を見ちゃおうかな……でもこういうお家騒動に巻き込まれそうだし嫌だしなぁ。
あっ…………もう巻き込まれてるっていうね。
そういや、天鳥の件言おうかな……
いや……いいか……
それこそめんどくさそうだしなぁ。
そんな時にランが飛んで戻ってきた。
っていうより突っ込んできた。
ドッコーーン!!
「けほっ!けほっ!なんかすげーデジャブ!」
「なにいってるんですか?リュート様?
ラン、戻ってきたということは準備ができたんですか?」
「はい、姫様!用意がすべて完了しました!」
「わかったわ。それじゃ、石化したドラゴンを兵士の風呂場近くまで持ってきてくれ!」
「はい!!姫様」
そういってまた、すごい速さで飛び去った。
「リュート!私たちもいこう!」
そういってストラは俺を頭の上に乗せた。
「じい、王様も、移動させといて下さい。」
……暇ぁ。
もう巻き込まれたんだし…見ーちゃお…
……………なるほどね。
うわー…………だけど………にやっ………
テレパシースクロール発動!
(やっぱり、ストラ…………に行ってくれ!)
「……うん。
それじゃぁ、よろしくね!爺」
「あいあい、分かったぞ。」
……次は4/9更新ですね。




