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9:神の代理人
・前回のあらすじです。
『広場に鐘が鳴って、司祭の老人が出てくる』
司祭の声は高らかに響いた。
「皆よ。今日もよく集まってくれた。私は神の代理人にして、預言をたまわりしもの」
朗々(ろうろう)と流れる低い声。
町人たちは息をのみ、厳粛に静まりかえる。
うさんくさいなあ。とユノは顔をしかめた。
まわりでは、ひとり、またひとり、手を祈りのかたちに組んで、頭を下げる。
同調はしたくなかったものの、山出しにもなりたくはない。
しぶしぶ。ユノも身を低く下げる。
老爺の司祭は長い白法衣の垂れた腕をかかげた。
「神は我らに聖戦を命じた。邪の血の残党。あの穢れた血の魔物どもを、この世から殲滅せよと」
「おおおおお……」
集まった人々から声がもれる。
感嘆なのか。場の空気に酔っているのか。
それとも心からの陶酔か。
聴衆を、司祭はぐるりと見まわす。
鋼色の老いた双眸と、ユノの視線がぶつかった。
(やばっ……!)
サッ。
とユノは目を逸らす。司祭は続けた。




