完全に俺は悪くない
俺は魔王様の呼び出しで魔王様の私室へと向かっていた。
何故俺が呼ばれたかはわからないがあの魔王様のことだ、どうせくだらないことなんだろう。
……さて、入るか 。
魔王様の部屋の前につき短く息を吐くと俺は扉を叩いた。
「魔王様、失礼します。」
扉を開くと玉座に座る美しい女性が視界に入った。
……そう、彼女が魔王様、サタン・レヴィアタン様である。
「あ!ランちゃん!来てくれたのね、お姉さん嬉しいよ。」
……レヴィアタン様、貴女には魔王としての尊厳はないのですか……と口に出そうかと思ったがそんなこと言ったらなんかおしまいな気がするから言わないでおいた。
「レヴィアタン様、それでなんのご用でしょうか?」
「もぅ!レヴィアタン様なんてやめてよ、昔みたいにレヴィって呼んでよ!」
「無理です」
そんなことしたら年寄りどもが俺の首を切り落としやがるんで……まだ死にたくないッス、はい。
「うぅー……まぁいいわ。で、貴方を呼んだのは他でもないのよ。」
「何なんですか?」
厄介ごとかなぁ……なにかなぁ。
「ちょっと20年位貴方を魔王城から追放します。」
……追放ねぇ……まぁ、レヴィアタン様、こういう時は意外と真面目だからね。何が理由かを聞くぐらいはいいだろう。
「追放は良いとして……まぁ良くはないんですが……俺は何故追放されなくてはいけないんですか?」
俺が聞くとレヴィアタン様は可愛らしく笑みを浮かべ、
「寿命操作ってあるでしょ?」
寿命操作、魔王様が持つ能力の一つで人間の寿命を操作する力のことだ。
「ええ、ありますね。それがどうしたんですか?」
レヴィアタン様……なんか汗かいてる?
「じ、実はね?」
「はい?」
レヴィアタン様はそこで一拍おいてそのあと、ゆっくりと口を開いた。
「その寿命操作で死ぬはずのない人間を殺しちゃったのよねぇ。」
「はぁ……。」
まぁ、そりゃいけないことだけどそれが何故俺が追放される理由何だろうか……。
「でね?それをお年寄りの皆さんに相談したら……。」
「したら?」
緊張した感じでゆっくりと言葉を発する。
「全部貴方がしたミスにしろって……。」
……いくら魔王様にでもきれていいときってあるよな?
「あんたの濡れ衣のせいかよぉぉぉぉぉ!!!!」
俺の叫びが魔王城にこだました。
何故こうなった……。