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第27把

 最初のフライトの編隊長は、コンでした。彼は、おっちょこちょいな性格でしたが、長距離の無着陸飛行は、非常に優秀でした。

「このまま3時間ほど飛べば、最初の目的地のホーン岬(南アメリカ最南端の地)に着く。各自、問題ない?」

 コンが無線機で聞くと、

「天測(星の位置で位置を割り出す方法)した結果だと、この真下あたりにフォークランド諸島があるはずなんだが…」

 と、ティムが言うと、

「フォークランド諸島じゃなくて、マルビナス諸島だよ!」

と、ペドロが反論しました。

「おかしいなぁ、ちゃんと季節風も計算して飛んでいたのに…あっやばい!」

コンは、大声をあげました。実は出発前、コンは体を軽くするため、いつもよりニシンを少ししか食べなかったのです。そのためいつもより体の張りが減り、季節風が強くなっていることに気が付かなかったのです。

「どうする?フォークランド島に降りるかい?でもあそこは危険だよ!」

 ジャンが言いました。

 実はフォークランドでは、領有権を主張するアルゼンチンが突如武力占拠をし、対するイギリスが、大艦隊を出してアルゼンチンから取り戻そうと、まさに戦争が始まろうというところでした。

「ジャン、大丈夫だよ!今日は降臨祭だからね!」

 コンの言葉に、一同???でしたが、コンについて行くことにしました。


 ここは、アルゼンチンが占拠した、丘の上の石造りの教会。大型の機関銃に夜でも見える望遠鏡を付けて、イギリス軍が来るのを待っていました。というのも、この島の港や空港に行くには、教会の下の道を通らなければならないからです。

 アルゼンチン軍の隊長が言いました。

「みんな。ここは、この島を占領するのに大事な場所だ。だからイギリス軍の特殊部隊が、攻めてくるに違いない。多分夜になるだろう。順番に休憩を取ってくれ!」

 一方、イギリスの特殊部隊は、特殊なゴムボートに乗って既に教会下の道路までやって来ていましたが、教会に敵が居ることは、既に分かっています。なぜなら彼らは、特殊だからです。

「よし、23時にあの教会を攻撃して、後続部隊の安全を確保しよう!」

 特殊部隊の隊長は、部下に命じました。


 そしてペンギン達がフォークランド上空に来た時、特殊部隊の隊長の時計は、23時を指していました。


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