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過去に戻って高校生活をやり直してたら、知らない美少女後輩が俺のことを殺しにきている件。  作者: 松竹梅竹松
第5章 高2春・新入生歓迎会

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第5章 第18話 第2ラウンド

〇主水




2019年 4月4日(木) 10:52




「あなたは救急車をっ! あなたはAEDをお願いしますっ!」



 春の交通安全教室の終わりに、一応とばかり行われる応急処置講座。誰一人として真面目に聞いていないこの時間に、唯一俺は死ぬ気で取り組んでいた。



「なんでこれでテンション上がってんだよ」

「お前との付き合いももう一年になるけどさ、こんなテンション高いお前初めて見たぞ」



 一緒に組んでいる金間と真壁がヘラヘラ笑ってツッコんでくるが、こっちは笑いごとじゃない。これがちゃんとできなかったせいで俺は実際に死んだのだから。



「めちゃくちゃ大事なことだろっ! ちゃんと覚えとけよっ!」

「大丈夫だよ~。おーくんが死にそうになったら水菜ちゃんが人工呼吸してあげるから~」



 チッ。なにふざけたこと言ってんだ水菜は!



「んなことよりAEDだっ! いいか初めて入った店はまずAEDの場所確認しとけよっ! あと救急車は110番じゃなくて119番だからなっ!」

「いやそれくらい知ってるけど……」

「水菜すごい馬鹿だと思われてるじゃん」



 あの時は芽依がパニックになり電話番号を忘れてしまい、水菜が間違えて110番に電話をかけてしまった。まぁ緊急事態だしそれを責めるつもりはないが、とにかくしつこく聞かせるしかない。天平がどうこうの前に、これができないと絶対に生き返れないからだ。



「十六夜、お前が一番冷静だった。頼むぞほんとにマジで頼むからな……!」

「だった……?」



 言葉を選んでいる余裕はない。とにかくAEDと心臓マッサージ。これを徹底的に覚えさせないといけない。



「主水さん」

「なっ……」

(なんだよリル。今死ぬほど忙しいんだけど)



 思わず普通に返してしまいそうになったが、一度息をついて冷静に心の中で語りかける。



「救命措置の仕方を教えるのはいいのですが、神無さんはどうするつもりですか?」

(どうするって……。別の方法考えるしかないだろ。リルには悪いけどハロウを消す方向の方法を)



 本当ならリルとの時間を延ばせて、誰も傷つけなくて済む「主水自殺案」をとりたかったが、ハロウが認めない以上できそうにない。こうなるとハロウを抑え込むか……最悪天平を殺すしかなくなる。



 なんにせよ、やはり早めにケリをつけたいところだ。もしこれがリルと過ごす最後の一週間になるのなら、天平なんかに時間を使いたくない。学校をサボってどっか遠くに出かけ、美味しいものたくさん食べさせてあげたいんだけど……。現状だと厳しいか。



「主水さん。私は神無さんの策略に気づこうが、あなたに教えてあげることはできません」

(知ってるよ。ルールだからしょうがないよな)



 何を今さら。そんな真面目な顔して言ってるんだ。



「主水さんはコミュ障なので他人の機微を読むのは難しいかと思いますが……がんばってくださいね」



 わかってるよ。これが最大限の尽力なんだろ。



 天平が。ハロウが。このまま終わらせてくれるわけがない。きっと俺を苦しめる新たな策略を講じているのだろう。



 それでも俺は迎え撃つしかない。天平たちが何をしようとだ。




〇神無




2019年 4月4日(木) 11:26




「わかってますわね、神無様」

「わかってるよ、ハロウちゃん」



 かんなが甘かった。とても平和で不確実な未来を選ぼうとした。



 かんなは生き返らなければならない。絶対に。絶対にだ。



 だから大矢主水を殺す。恨みとかそれ以前に。それが一番確実な方法だから。



 それに加え、ハロウちゃんの論文のために最大限に苦しめなければならない。この二つがかんなが生き返る最低条件。



 つまり、それ以外はどうなろうがどうだっていい。



「水菜ちゃんたちを呼び出すとかずいぶんえらいんだね~、1年ちゃん」



 交通安全教室帰りの2年生の4人が、かんなが待つ空き教室にやってきた。



 そうだ。もう後戻りはできない。もう始めてしまったのだから、進むしかない。



「お待ちしていました、せんぱい方」



 翡翠芽依。月長水菜。十六夜碧。七海文。大矢主水と仲のいい女子たちに。



「かんなのために、犠牲になってください」



 そうかんなが告げると同時に、ハロウちゃんが指を鳴らした。

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[一言] うわぁ嫌な予感
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