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女神(妹)と気ままに異世界生活  作者: 月之住人
学校
42/44

戦争準備①

 カーリスさんとの話が終わり、大臣室に着いた俺と茉莉とナタリアさん。

 一応これから、戦争の戦い方を考えていこうと思う。

 しかしその前に一つ、茉莉に質問してみる。

 

「ねえ、茉莉。戦争、勝てると思う?」

「うーん、やっぱり三対一になるから大変ってこと以外はわからないかな。」

「そのことは百も承知してるからね。それじゃあ、やれることをやっていこう。ナタリアさん、敵の情報を教えてください。」

「わかりました。こちらが資料です。まず、知っておいてほしいのですが、この大陸の国々の軍は、それぞれが長所を持っています。神国は魔導部隊、公国は弓兵隊、帝国は騎馬隊、共和国は剣兵、そして王国は槍兵です。敵のおおよその戦力は先ほどの協議で出たとおり、約四千万人と考えられています。王国軍は、二千万人。兵力差は二千万人と、かなり不利です。共和国が敗れたとすれば、敵は北と西の二方向から攻めてくると思われます。」

「ちょっといいですか?敵は海から来る可能性もあるではないですか。全方向から攻めてくると考えるべきだとだと思います。」

「...分かりました。敵は全方向から攻めてくる可能性があり、北側以外では、地形等は利用しずらいため、注意が必要です。海から来た場合ですが、前例がないため、どのようになるのかは予想できません。十数年前まで海上戦力は皆無で、今現在も技術が未発達のため、我が国の海上戦力は、船が数隻あるだけであまり期待できません。敵が海上から来るのであれば、かなりの数の船を用意出来ていると思われます。そうなりますと、海から上陸され、戦況はかなり厳しくなってしまいます。二千万人もの戦力差がある為、全方位からの攻撃に耐えきることは至難の業です。」

「それだとだめです。勝てるようにしないと...陸軍の構成はどうなっていますか?」

「陸軍は、総勢千五百万人。そのうち、歩兵が剣兵三百万人、槍兵五百万人の総勢八百万人、騎兵が騎馬兵四百万人、騎獣兵百万人の総勢五百万人、魔道兵が二百万人という構成になっています。」

「確か王国軍は、他国に比べて槍兵が強いんですよね?」

「そうです。」

「なるほど。では、それを考慮して、私達だけで簡単に作戦を考えてしまいましょう。」

「私達だけで良いのですか?」

「簡単にですから、細かいところは、本職の人たちに考えてしまいます。」

「分かりました。出来る限りのことをしましょう。」

「まず陸軍ですが、歩兵の鎧って軽装ですか?」

「いえ、軽装歩兵はあまりいません。基本は重装歩兵です。」

「早く動ける方が有利だと思います。軽装歩兵とは別に、重装歩兵の中から一部を引き抜いて、早く動ける部隊を新しく作りましょう。あと、弓を作る部隊はないのですか?」

「はい。王国の戦法は正面突破が多いですが、弓などの遠距離部隊はなく、歩兵の重装備を活かして、敵を撃破していました。」

「脳筋?...そんなので勝てたのか...」

「さすがに今回の戦争でその戦法は使えませんよ。」

「あはは、そんな戦法は使いませんよ。ですが、今回は今までと正反対の戦い方をしようと考えているので、機動力を効率的に使えれば価値も見えてくるかもしれませんね。弓兵は、今から用意しても間に合わないかもしれませんから、私が代わりの物を用意しておきます。それを使いましょう。とりあえず、今度軍を再編成しましょうか。」

「分かりました。陸軍元帥様に軍隊の再編成をを頼んでおきます。」

「それには私もつい低下させていただきます。ちょっと気になりますので次に海軍ですね。実際に船を見たいのですが。」

「分かりました。今すぐにはいけませんので、明日見に行きましょう。手配しておきます。」

「お願いします。」


 そんなこんなで、作戦までとは行かなかったが、陸軍の再編成と、海軍の視察が決まった。

 就任してからまだ一日もたっていない状態なので、十分な成果なのではないだろうか?

 まだ時間はあるはずだ。

 その間に、この俺でも出来る出来ることをやっていこう。

 まあ基本的には、本職の人たちに丸投げになると思うが...

 とりあえず、今は明日の海軍の視察に集中しよう。

 シュミレーションをしたところ、敵は海から攻めてくる可能性が高い。

 一番防御が薄く、攻め込みやすいからだろう。

 それは阻止しないといけない。

 何とかして、海軍を強化しないといけないのだ。

 時間はあるとはいえ、後一年もしないで敵が来るだろうから、それまでに終わらせなくてはいけないのだ。

 船は作るのに時間がかかるだろう。

 海軍は特に、急がなければならない。

 だから、明日の視察は、とても大切だ。 

 どうすればいいのか、事前に案をいくつか考えておくのもいいだろう。



 次の日、俺と茉莉とナタリアさんの三人で港に来ていた。

 港の案内をしてくれるのは、海軍の人ではなく、ナタリアさんがしてくれるみたいである。

 まあ、知らない人が案内してくれるよりかは、知人がしてくれる方が気が楽だ。

 ナタリアさんは、色んな事を知っていて、俺が質問したことにすべて答えてくれている。

 とても頼りになっている。

 今日もたくさん頼らさせていただこう。


「早速案内させていただきます。まず、正面に見える特に大きい数隻の船ですが、あれが王国海軍の船になります。数は、あれで全てです。船の特徴としては、その大きさでしょう。今現在、確認出来ている限りでは、最大規模の軍艦となっています。この軍艦にも、王国軍の考えが浸透していて、戦列艦の側面には、多数の魔術発射口があり、そこから魔法使いが魔法を放ち、それによる物量での強行突破がメインの戦術となります。その為、火力は非常に高く、申し分ないのですが、その巨大さと重量のため、大勢の人で漕いでもスピードが出ず、長距離の航行が出来ない事です。」

「長距離航行できないのは、かなりの問題ですね...原因は大きさと重量なんですよね?なら、重さをどうにかして、動力を確保できれば、解決できるはずです。動力は何ですか?」

「人力で漕いでいます。一応、帆も有りますが、あまり役に立っていません。」


 帆が役に立たない?

 つけて意味があるのだろうか?

 そんな無意味なものは撤去してしまえ。

 いつ戦争は始まってもおかしくない。

 思いついたら即実行することが大切だ。

 俺は船まで軽くジャンプする。

 甲板に着地することが出来た。

 此処で久しぶりの登場、万変の玉。

 船は木造だ。

 帆を撤去するなら、柱をのこぎりで切るべきだろうか?

 いや、それでは時間がかかってしまう。

 チェンソーはどうだろう?

 音がうるさくなってしまい、何の音かわからない周囲の人たちが、パニックになってしまうかもしれない。

 ああ、もう考えるのが面倒くさい。

 一気に切り倒してしまえ。

 俺は万変の玉を刀に変化させ、横に一閃した。

 柱はきれいに切れて、倒れ始めた。

 俺は刀を鞘に収めてから、柱が倒れないように支え、そのまま持ちあげる。

 切った柱は、置き場所が無いため、適当に海底に突き刺しておく。

 しかし、このやり方だと、根元の方が残ってまんまになってしまう。 

 まあ、いいか。

 どうするかは後で考えよう。

 俺は、他の帆もすべて同じように撤去していった。

 そして、ジャンプで茉莉とナタリアさんがいる場所に戻ってきた。


「これで少しは軽くなったね。」

「あまり人間離れしたことをされてしまうと、後処理が大変なので控えてもらいたいです。」

「まあまあナタリアちゃん、別に良いじゃない。後処理だってきっとおにーちゃんが責任持ってやってくれるはずだから、好きにさせてあげてよ。」

「それなら構いませんが。」

「次に人員を減らそうか。新しい動力を作ろうよ。」

「おにーちゃん、話聞いてた?後処理してきて。」

「茉莉、分かったからそんな怖い目しないで...」

 

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