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女神(妹)と気ままに異世界生活  作者: 月之住人
学校
38/44

お仕置き

 お仕置きが出来るからなのか、いつになくキラキラしているルルが待っている客室に来てしまった俺。

 客室に入ってから、鳥肌が立っている。

 生物としての本能が、お仕置きはやばいと告げている。

 頭の中で、やばいという単語が、ひたすらループし続けている。

 ここから逃げないとやばい事になりそうである。

 しかし、ここから逃げるわけにはいかない。

 逃げたら、さらに大変な事になりそうだ。

 今より大変ならば、それは色々な意味で死を迎えてしまいそうである。

 命は惜しい。

 そこまでの危険を冒す必要はないのだ。

 いや、このような危険を冒してはいけないのだ。

 

「ねえ、アオイちゃん。」

「ひゃい!」


 やばい、急に話しかけられて、変な声が出てしまった。

 最近、自分でも実感できてしまうほどに、茉莉とセバスチャンに毒されてしまっている。

 吸血鬼対策に修行している間も、茉莉の前で口調が元に戻ってしまうと、教育という名の罰ゲームが施され続けていたのだ。

 なんとか精神汚染はされずに済んでいる。

 まあ、そんな事は今はどうでも良い。

 とりあえず、急に話しかけないでほしい。

 せめて何か、合図か何かが欲しい。

 そうすれば、驚かずに済むのに。

 まあ、無理なお願いなのはわかっている。

 だが、願わずにはいられない。


「悪いことしたらしいじゃない。まったく、お仕置きが必要って、どんな事をやったの?まあ、とりあえず私が自由にやって良いって事だから、遠慮なくやらせてもらうわよ。」


 俺の願いは、叶う事はないらしい。

 世界はなんて無情なんだろう。

 俺の味方は、ベルと茉莉しかいないのか...

 いや、茉莉はたまに敵の時がある。

 精神面から追い詰められてしまう。

 現に、汚染されている。

 助かっているのは、精神だけなのだ。

 それを味方と呼んでしまっても良いのだろうか?

 きっと呼べないと思う。

 でも、敵とも断言しがたい。

 一番困るやつである。

 まあ、それ以外の事ならば、とても頼りになってくれるときがある存在だ。

 一応味方と言う事にしておこう。

 そう言う事にしておかないと、やばい事になりそうな気もする。

 

「まあ、お仕置きって言っても、そこまで大変じゃないと思うわ。私の代わりに一日だけ王女になってよ。きっと楽しいわよ。その間私は、久しぶりの自由を楽しん出るから、お手伝いする事は無理だけどね。じゃあ、話は付けておくから頑張って。」

「えっ、それって大丈夫なの?」

「大丈夫だわ。とくに大切な用事はないから、問題はないと思うわ。」

「じゃあ、大丈夫なのかな?まあ、お仕置きだからやるしかないよね。じゃあ、どうすればいいの?」

「アオイちゃん、すごい魔法使えるから、変装用の魔法も使えるよね。それで一日変装して過ごすのよ。簡単でしょ?」

「簡単...なのかな?」

「簡単よ。自信持って頑張るのよ。とりあえず、私の部屋で待ってて。そうすれば、何をすれば、説明してもらえるようにしておくから。とりあえず私は、お父様に話してくるわね。」


 行っちゃった...

 はあ、しょうがない。

 もうやるしかないのだ。

 頑張るしかないか...

 魔法も無詠唱でパパッとやっちゃっていいかな。

 ルルの部屋は、マップで確かめればどこにあるかわかるから、さっさと、移動してしまおう。

 ルルの部屋に向かっている途中、何人かの人とすれ違ったが、みんな頭を下げたりしてきた。

 みんな俺の事を、ルルだと勘違いしている。

 しかしこんなこと、俺は慣れているはずもなく、ちょっとむずがゆい感じがする。

 だが今は、ルルに変装しているのだ。

 ルルになりきらなければいけない。

 我慢しなくては。

 何とかばれることなく我慢しきって、ルルの部屋にたどり着く事が出来た。

 中に入るが、中にはだれもいなかった。

 他人の部屋に、その部屋の持ち主の許可をもらっているとはいえ、一人で入ってしまうと、どう過ごしていいのかが分からない。

 とりあえず、この部屋にたった一つしかない椅子に座らせてもらう。

 そのまま座って、誰かが説明しに来てくれるの待つ。

 すると、四十代ぐらいの、使用にらしき女の人が来た。


「アオイ様、話は聞いています。本日は、作法の練習をする予定になっております。」

「作法ですか。」

「はい。それでは別に部屋に移動するので、着いてきて下さい。」


 俺は静かについて行く。

 別の部屋に着くと、まず椅子に座る事になった。

 しかし、その後行った事は、茉莉の洗脳の際に行われることと、あまり変わらなかったため、難なくこなす事が出来た。

 何せ、俺には心強いスキルがあるのだ。

 こんなこと、やった事がなかったとしても、朝飯前である。

 一度やった事があるならなおさらだ。

 作法の練習は、一時間ほどで終ってしまった。

 普段は、半日間ずっと続けている事を、たった一時間で良いとか、何と幸せな事だろうか。

 さあ、今日の予定はもう終わったであろう。

 もう俺は自由の身だ。

 ルルの変装のままではあるが、ゆっくりくつろぐ事にする。

 それでいいんだよね?

 それ以外やることないしね。

 お仕置きの内容を決めるのが、ルルで良かった。

 ルルのおかげでとても楽だった。

 助かった助かった。

 今日は、まったり過ごせそうだ。

 この世界に来てから、様々な出来事があり、待ったり過ごせている日は少ないため、こういうのはかなり嬉しい。

 とりあえず、俺はこのまま、椅子に座ってゆっくりしながら一日過ごしてしまおう。

 と思っていたのだが、俺には待ったりできる時間は少ないようだ。

 確かに、1,2時間ほどは待ったりする事が出来た。

 そろそろ夕方かと思いながら、ルルの部屋の窓から外の風景を見ていると、王様に呼び出されてしまったのだ。

 これは、問題の匂いがぷんぷんしている。

 今度はどんな問題が起きてしまうのだろうか?

 すぐにすむものなら良いんだけどな...

 そんな事は絶対にないんだろけど。

 まあとりあえず、話だけは聞いてみるか。

 今回は、距離も近いため、しっかり転移も使わず、歩いて王様の部屋へと向かう。

 俺は二度も同じ失敗はしないのである。

 学ぶ事が出来るのだ。

 たぶんだけど...

 一応そう言う事にしておく。

 きっと、悪い事はないはずだ。

 そう信じたい。

 そうでなくてはやっていられない。

 部屋に着くと、中には、王様と宰相さんがいた。

 すると宰相さんが、


「ルル様、この後大事な事があるのです。お戻りくださいませ。」


 ああ、ルルの変装をしたままだったのを忘れていた。

 でも、宰相さんは、話を聞いていないのだろうか?


「すみません、今変装しているんですよ。はい、ちゃんと葵です。」

「そう言う事ですか。では、早速本題に入らさせて頂きます。いいですね?」

「ああ、頼む。」

「それでは。今回お呼びしたのは、仕事についてです。吸血鬼の件のみで良いといってしまったので、とても申し訳ないのですが、あなたに役職をつけたいのです。」

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