報告
バークレイと遊び終り、無事にセバスチャンの所に戻ってきた俺と茉莉。
セバスチャンは、戻ってきた俺達には何も聞かずに、行きますよ、と一声かけただけで、馬車を出発させた。
色々と気にならないのだろうか?
それとも、家で色々聞くつもりなのだろうか?
まあ、うちで働けている時点で、そう言うのは気にならない人、と言う事なのだろう。
何せ俺と茉莉は、二人だけの秘密がいっぱいなのだ。
その秘密は、他の人にはばらさない方が良いのだ。
他の人に知られてし今ったら、凡人として過ごしていく事は、不可能になってしまうからだ。
まあ、現時点でも、凡人として過ごしていく事は出来ていないのだが...
凡人は、吸血鬼退治をする事になる事はないと思う...
馬車が出発した瞬間、茉莉がを使った。
馬車ごと転移して、アンビアーノの門の少し前の所に着いた。
手続きがあるため、転移先は自宅ではなく、門の前なのだ。
手続きなんて面倒くさすぎる。
せっかく貴族になったんだから、手続きなんてしなくても良いじゃないか。
今度、お願いしてこようかな。
手続きも住んで、アンビアーノに帰ってきた。
門を通りすぎるとすぐに茉莉が転移を使い、ようやく自宅に帰ってきた。
今はお昼である。
行きにかなり時間がかかってしまったが、馬車から下りてからは、あまり時間がかからなかった。
今回の仕事は、かなり楽だった。
とりあえず、吸血鬼は追い払ったので、俺のお仕事は完了だろう。
よし、ようやく気ままに生活する事が出来るだろう。
今までは問題ばかりで、何かと忙しかった。
それからも解放されるのだ。
早く、王様に報告しなければ。
まあ、今日はまだ時間がある。
もう少しゆっくりしてからでいいだろう。
と言うわけで、茉莉と一緒作ったお昼ご飯をゆっくり堪能し、食後の休憩を十分ほど取る。
まあ、あんまりゆっくりしすぎてしまうと、すぐに時間は経ってしまうだろう。
だから、ゆっくりするのもほどほどに、そろそろ王城に向かおうと思う。
王城には、もう言った事があるので、転移で簡単に行ける。
と言うわけで、茉莉に、王城に行ってくるっと一声かける。
出発する準備はできた。
王城の前に転移しようと思...いや待てよ。
また手続きが面倒くさい。
どうせ俺は、この国に縛り付けるのと、対強敵要要因として貴族になったのだ。
そこら辺にいる貴族と違って、礼儀などはそこまで気にする必要はない。
まあ、最低限の礼儀が必要なのだが...
そこは、茉莉とセバスチャンによって、強制的に解決させられる事だろう。
と言う事は、多少ならば、色々やっても問題はあまりないわけである。
ならば、王城の中に直接転移しても良いと思うのだ。
きっと王様は、さらっと流してくれるだろう。
この前王城に行ったとき、ルルにこっそり王城を案内してもらったから、どの部屋に王様がいるかも分かっている。
怒られたなら、その時はその時だ。
「転移」
俺は、王城の中に転移した。
目の前が真っ白な光に包まれ、その光がなくなると、目の前の景色は一変している。
無事に、王様がいる部屋に着いた。
何か、転移するのを妨害するものがあったようだが、スキル 魔神の化身で一時的に無効しておいた。
何も問題はないはずだ。
王様は、俺の目の前にある机を挟んで反対側にいて、驚いた表情でこちらを見ている。
周りを見てみると、王様のお付きの人たちも、驚いた表情でこちらを見ている。
「こんにちは、王様。報告したい事があってきました。」
話しかけてみるが、王様の反応がない。
俺は机に乗り出し、王様の目の前で、おーい、と手を振る。
すると王様は、ようやく状況が理解できたようで、再起動してくれた。
「ああ、こんにちは。色々聞きたい事は有るが、とりあえずは報告を聞こうか。だが、ちょっと待ってくれ。少しやらなくてはいけない事が出来てしまった。誰か!親衛隊長に心配するなと伝言を頼む。...よし、話を聞こうか。」
俺は王様に、吸血鬼の所に姉と遊びに行った、一部始終を詳しく説明した。
「...なるほど、と言う事は、魔物大量発生はこれで解決されるのか...とりあえず、お仕事ご苦労様。もう少し様子を見て、いろんな問題が解決されていたら、お仕事終了だよ。それが確認でき次第、報酬は君の家に送っておく。さあ、報告が終わった事だし、少し御話しをしようか。」
あれ、ちょっとこれはやばい事態になってしまったかもしれない。
仕事をしっかりこなしたから、そこまでひどいことにはならないとは思うけど...
ちょっと逃げようかな?
本当にやばそうだったら、逃げるとしよう。
とりあえずは、お話をしようじゃないか。
「まずは、ここまでの来方なんだけど、一つ質問させてもらう。どうやって結界をすり抜ける事が出来たのかな?」
「結界?」
「王城には、敵の侵入を防ぐために、対魔法結界が貼られていて、転移で王城内に入る事は出来なくなっているんだよ。でも君は、ここに転移してきた。どうやったのかな?」
「ああ、だから変な感じがしたのか。その結界はすりぬけて来ました。」
「はぁ...この子には、我々の常識は通用しないのか...気にするだけ無駄か...」
王様はぶつぶつと独り言を言い続けている。
そんなに困った事でもあったのだろうか?
きっとあったとしても、俺には関係のない事だろう。
「転移してここまで来れた理由は良いとして、なぜ君はしっかり入口を使ってここに来てくれなかったのか、納得できるように説明してくれるかな?なんとなくとか、気分とかの理由はダメだぞ。」
「え、えっとー、そのー、もしも理由が気分だったら?」
「お仕置きでもしようかな。」
「お仕置き!?それはちょっと... 」
「理由が気分とかじゃなかったら、お仕置きじゃないよ。」
「えっと、えっと、理由は...受付がいやだったからです...」
「そうか、それだけの理由なら、しっかりお仕置きをしなきゃね。ただ、それは我がするわけにはいかない。お仕置きをするのは、ルルに頼んでおこう。まあこれからは、君が転移してきても良いように、部屋等を準備しておこう。次からは、お仕置きはないから、安心してくれていいよ。とりあえず、少しの間客室で待機していてくれ。」
お仕置きか...
これは予想外である。
シュミレーションをしておくべきだった。
そうすれば、大人しく城前に転移したのに。
お仕置きの内容は、怖いから確かめない。
知らない方が良い事もあるのだ。
今俺は、マップを見ながら、指定された客室に向かっている。
部屋につくと、ルルがいた。
早すぎる。
そんなに楽しみなのだろうか?
そんなに楽しみにしないでほしい。
しかし、今のルルの表情は、いつになくキラキラしている。
これからどんなお仕置きが待っているのだろうか。
なぜか鳥肌が立ってきた。




