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メモリーブラッド0  作者: sibatamei
第4章禁忌を犯したものの宿命の対決。
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世界の終わりサンピラー

「これがデジャブの力?」


 私が言うと豊川先生は、「奴は禁忌以上のとてつもない力を持っている」


「その力って?」


「禁忌以上の禁忌」


「それって魂を崩壊させる事」


「その通りだ。僕達がかなう相手ではない、いったんひくんだ」


 豊川先生の言われたとおり、私達一同はアラタトに退却した。


 アラタトのコックピットの中に入り外の様子を見てみると、デジャブに放たれる漆黒の黒いオーラに町が包まれていく。


「町が・・・エイちゃんが」


「とりあえず塾のみんなだけでもアラタトに避難させよう」


「私が行くわ」


 アラタトの外に出て、デジャブの漆黒のオーラに包まれながらも、塾へと向かっていく。


 力がどんどん抜けていく。


 これは尋常じゃないわ。


「みんな」


 塾に行くとエイちゃん達は倒れていた。


 麻美もエイちゃんも藤沢三姉妹も聡美ちゃんに豊川先生の奥さんも。


 ここで流霧さんの力を解放する。


 その力は治癒能力があり、みんなをみるみる力を上げていく。


 力を解放して、エイちゃん達をアラタトのコックピット内に連れていく。


「何なんだメグこの力が抜けていく黒い霧は」


「今は説明している場合じゃない、とにかくアラタトに来て」


 みんなを黒い霧の中で走らせてアラタトに向かった。


 みんなをアラタトに呼び寄せて、世界を司るモニターを見てみると世界が漆黒の闇に包まれていく。


「豊川先生私たちはいったいどうなるの?」


「デジャブはもはや神以上の力を手にしたのかもしれない」


「神以上の力って」


「いや待て、神は僕達にすばらしいものを備えつけられている」


「それって?」


「その手と足と命だ。神は我々に手を貸さぬが、その材料となるヒントを授かってくれている。 

 何かあるはずだ」


 考えている間にもデジャブの漆黒のオーラが世界を覆っている。


「そうだ。南極に行くんだ」


 豊川先生が言う。


「あそこなら定住している人たちはいないから、デジャブの漆黒の黒いオーラに包まれることはない」


 そこでリリィが、「豊川の言っている事は本当だ。この黒い漆黒のオーラはオゾン層に伝わっている。でも南極にはオゾン層に穴があいている」


「よし、じゃあ豊川先生とリリィの提案で南極に行こう」


 リリィは移動手段であるクリスタルに手をふれてあっと言う間に南極にたどり着いた。


 本当だ。南極にたどり着き、デジャブの漆黒のオーラはここまで到達していない。


「ここでは僕とメグちゃんしか外に出ることは出来ない」


 それはそうだろう。南極は極寒の地であり、ブリザードにさまよったら普通の人間では死んでしまうだろう。


「アラタトには多少の食料もある、しばらくはここで作戦をたてよう。奴らもこの地にはそう易々と入ってくることは出来ないからな」


 何とか一息つけそうだ。


 でもモニターを見てみるとデジャブが放つ漆黒のオーラに人々は苦しめられている。


 そこでエイちゃんが「父さん大切な話があるんだが」


「どうした?」


「父さんの禁忌を僕に受け継がせてくれないか?」


「何をバカな事を言っている。この禁忌はどれほど惨いものかも知らないのに」


「バカと呼ばれるのはわかっている。でも僕はメグと同じになりたい」


「バカも大概にしておけ」


 エイちゃんの頬を叩いた。


「豊川先生それはやりすぎじゃあ」


「メグちゃんもいずれわかるよ、禁忌がどれほど恐ろしいものか」


 そういわれて私は固唾を飲む。


 でも反対はされたがエイちゃんの気持ちは嬉しかった。

 本当にエイちゃんが禁忌を受け継げば私たちは永遠に永遠に結ばれたままになるだろう。

 そうなれたら私たちは一生ハッピーになれるかもしれない。


 それよりも豊川先生は腕を組み考え事をしている。


 奴らがここまで来るのも時間の問題だ。


 そこで麻美ちゃんが「メグちゃんにエイちゃんに豊川先生、ちょっと」


 麻美ちゃんに呼ばれて行くとアラタトの食堂に着いていった。


 そこで「メリークリスマス」とみんなでごちそうを用意していた。


 そこで豊川先生は「何を暢気にしているの?今は一刻を争うときなんだよ」


「良いじゃないあなた、今はご馳走を食べて嫌な事を忘れてお祝いをしましょう」


 豊川先生の奥さんは言う。


「わかった。僕はにぎやかなところはあまり好まないけれども、ご馳走は堪能していくよ」


 今は戦いの事は忘れて少し遅くなったクリスマスを堪能しよう。


 みんなとこうして楽しんでいるとデジャブの事、自分に貸せられた禁忌の事も忘れられる。


 そうだよ。私は一人じゃない。


 ところでエイちゃんの姿が見あたらない。


 ダンデライオンの二人にエイちゃんの事を聞くとトイレに行ったきり戻って来ないって言っていた。


 先ほど豊川先生にこっぴどく叱られたから、相当に堪えているのだと思った。


 アラタトに設置しているトイレに向かうとトイレの中でエイちゃんが悲しんでいる姿が想像できた。


「エイちゃん」


「・・・」


 答えないエイちゃん。


「エイちゃんいるんでしょ。私嬉しかったよ。私と同じ禁忌を受け継ごうとしようとしたエイちゃんの決意を聞いて」


 するとトイレの向こう側から「俺はメグに何も出来ないんだな」


「そんな事はないよ。エイちゃんがいなかったら今の私はいなかったんだから」


「俺は情けないよ。こんなところで泣いている場合じゃないのに」


「私エイちゃんが泣いている姿を見たことがあまり見たことがない。だから出てこないと鍵を壊してでもトイレの中に入るよ」


 するとエイちゃんはトイレから出てきた。


 すかさずそんなエイちゃんを抱きしめた。


「ありがとうエイちゃん。感謝しているよ」


「メグ!」


 エイちゃんも私を抱きしめ返す。


 そして小さな口づけをした。


 エイちゃんは言っていた。

 私よりも先に死んでも、また私を捜して結ばれ続けるって。

 今はその気持ちを大事にしていきたい。

 いつまでも私の大事なエイちゃんでいてほしい。

 時々喧嘩もする時もあるけれど、その後って互いのことを知り合うきっかけ何だね。


「さあ、エイちゃん、クリスマスを堪能しよう」


「南極でクリスマスか」


「今はすべてを忘れて思い切り楽しもう」


「そうだな」


 そういってエイちゃんもクリスマスパーティーをするために調理室に向かった。


 すべてを忘れて、みんなで騒いだ。


 こんな事をしている間にもデジャブは世界を漆黒のオーラで包み込み人々を恐怖のどん底へと陥れているのだろう。


 もしかしたらこれが最後の晩餐かもしれない。

 私たちにはデジャブに太刀打ちできない。


 デジャブは南極までには手が出せないが、何かしら私たちを探知して襲いかかってくるかもしれない。


 こうしている間にもデジャブの魔の手はこちらに襲ってくるだろう。


 クリスマスのご馳走も堪能してアラタトの外に出て、南極の景色を見ていた。


 もし私が禁忌を受け継いだ吸血鬼でなければ、この極寒の地で寒さに凍え死んでいただろう。


「夜なのに日が射している」


 私がそう呟くと豊川先生が現れた。


「これは白夜と言う現象で十二月は南極は夏なんだ」


「あの光の柱は何?」


「サンピラーと言う世界の終わりみたいな現象だよ」


「世界の終わりかあ」


 ため息混じりに私が言う。


「世界の終わりなんて僕がさせないよ」


「もちろん私だって・・・」


 でも作戦が思いつかない。


「奴らがここにいることはもう知っているだろう」


「でもオゾン層が漆黒のオーラが包み込むことをよく知っていましたね」


「偶然だよ。あの時は無我夢中だったからね」


「それとさっきエイちゃんが豊川先生の禁忌を受け継ごうとしたときは正直嬉しかった」


「英治には禁忌は荷が重すぎる」


「可能なの?」


「可能だけど、英治には僕が父親として苦しい人生を送らせたくない」


「そう」


 私はなぜか残念な気持ちになった。

 私の心のどこかにエイちゃんが私と共に禁忌を受け継ぐもの同士になれば、永遠に永遠にエイちゃんと共にいられるのにと。


「それよりもあのデジャブと言う奴、禁忌を犯した上に犯してはいけないことをしている」


「それは魂を壊したことですよね」


「魂を壊した者には永遠の不幸が待っているいくら転成しても、その不幸は続く、永遠に永遠に」


 私がそれを聞いた時、固唾を飲むほどの恐ろしさに見回れる。


「だからデジャブはこの世界の魂を打ち消して、神を打ち消す事をもくろんでいるんですね」


「万物の神を打ち消すことは出来ない。いくらアラタトに千回この世の魂を打ち消すことが出来ても、それは出来ない」


 会話をしている時、漆黒のオーラが南極にも見えてきた。


「どうやら時間の問題だ。今の我々にはデジャブにかなうことは出来ない」


「いや先生神様がくださった私たちにはすばらしい命と能力がある。それを駆使して戦いましょう。

 たとえそれが万に一つの可能性でも」


「メグちゃんに一本取られたな、まさにその通りだね」


「私達は禁忌を受け継ぎ者、私達だった出来るはずです」


 アランと悪しきランが私たちの前に現れた。

 私と豊川先生の緊張が高まる。


「メグと豊川よ、リリィとアラタトをこちらによこせ」


 アランが言う。


「そういわれてそう易々と渡す私たちはバカじゃないよ」


「一つ言っておくがアラタトをおまえ達に渡った所で、何も代わりはしない」


 豊川先生は言う。


 そんな時、みゆきちゃんと節子ちゃんが現れた。


 みゆきちゃんはホーリーブレードに節子ちゃんは光の盾に変化した。


 悪しきランは自分の子供を剣と盾に変化させ私たちに襲いかかる。


「メグちゃん。まだ南極まではデジャブの漆黒のオーラは届いていない。だから今がチャンスだ」


 豊川先生は言う。さらに豊川先生は「僕も本気で行くよ」するといつ間にかいたのか?流霧さんの姿が合った。


「流霧力を貸してくれ」


「分かったわ」


 と流霧さんは槍に変化した。


「豊川先生私は悪しきランを打つよ、豊川先生はアランの相手をよろしくお願いします」


「分かった」


「僕たちの事も忘れてもらっては困るよ」「僕たちなしでは戦えないよ」


 ダンデライオンの二人も歌う。


「こんな時に現れてくれて良かった」


 豊川先生は言う。


「デジャブ様の手を煩わせなくても我らの力でおまえ達を倒す」


「その心意気嫌いじゃないけれどもな」


 私は悪しきランに立ち向かっていく。


 剣と剣の小競り合い。


「私は負けるわけには行かないんだ」


「デジャブ様がおまえ達を覆う前に正々堂々と戦ってみたかった。

 たとえリリィに存在するもう一人の私が存在してもな」


「悪しきランよお前は本当にデジャブに魂を売ったのか?」


「売ったとも、この腐敗した世界に嫌気がさしている」


 悪しきランは私に切りつけてきたが、それには殺意は感じられなかった。


 その時彼女の目に見えたのは一筋の涙だった。


 するとホーリーブレードと化したみゆきちゃんが元の姿に戻った。さらに節子ちゃんも。


 私は二人の気持ちがくむ事が出来た。


 おそらく悪しきランは私たちを切りつける事は出来てもダメージは与えられない。


 その通りであり、悪しきランに切りつけられても切りつけられた痛みは感じられるが、悪しき心にはならなかった。


「どうしたと言うのだ。なぜお前達を切りつける事が出来ない」


 そんな時であるアランが。


「もう良い。我々はこの世の終わりを望んでいないのだ」


「どう言うことだ?」


「デジャブ様は魂を破壊した重罪を犯している。それでデジャブ様はその贖罪に恐れてこの世の魂すべてを消し去り、壊そうとしている。

 私は禁忌を犯した吸血鬼、私は魂を消し去った事はないが、それをしたところで私もその贖罪を受けるだけ。

 最初から神を滅ぼそうなんて出来るはずがないんだ」


 そういってアランは武器をおろす。


「ならば、私たちも協力するから、そんな無益な戦いなどしないで良いじゃないか」


「協力だと、ずいぶんとふざけたことを言う連中ね」


 悪しきランが言う。


「実を言うと私たちはどうすれば禁忌を直すか何度か研究している」


「その研究もたかが知れているのだろう。我々の禁忌はそう簡単に・・・」


 ランが苦しみ始めた。

 どこからか不気味な声が聞こえる。


「ランとアランよそんなに禁忌から逃れたいなら、私がその苦しみから解放してやろう」


「デジャブ様・・・」


 アランが苦し紛れに言う。


「まさか重罪である魂の破壊を二人にかけているのか?」


「ぐわああああ」「ぐにゅうううう」


 アランとランは何も抵抗できずに、苦しんでいる。


「デジャブ様、ありがたき幸せ」「我らはもう苦しまなくても良いのですね」


 ランに控えている子供達も苦しみを感じ、魂の崩壊に喜びを感じている。


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