第3話 教室突入っ!
ミハイルとシェリア改めリーシェは2組の教室にやってきた。
「はーい。全員いますねぇ?」
皆知り合いもいるようで、思い思いに談笑している。
ミハイルはリーシェに声をかけ、時間をつぶしていた。
少しして、妙にゆっくりと教室の戸が開かれる。
「(のほほんとした教官だな・・・。)」
ミハイルだけでなく、この教室にいる全員が思ったに違いない。
それほどまでに彼女の纏った雰囲気が穏やかなのだ。
「ふふ、はじめましてぇ。わたしは、リリっていいます。ご想像の通り、あなた達の担任になるんですかねぇ?」
「「「「「(俺たちに聞くなよ!)」」」」」
教官の発言に全員が突っ込みたい衝動を堪えていた。
「では~?自己紹介をしましょうかぁ。」
全員が席につき、リリ教官が名前を読み上げる。
「はじめは・・・。そうですねぇ・・・。じゃあ~、ヴァーミリオンくん!」
「(俺かよ・・・。)はい。」
ミハイルはすっと立ち上がる。
一度視線を教室中に巡らせてから話し出す。
そこでミハイルはあることに気付く。
「(意外と・・・女子が多い・・・。というか女子のほうが多い・・・。)」
この教室・・・というかこの養成院は女子と男子の割合が6:4なのだ。
それぞれの教室に男子より女子が多いのは、当然のことといえるが、ミハイルにそれを知る由はない。
「ミハイル・ヴァーミリオン。今日からよろしく。」
彼はやや素っ気ない自己紹介をこなし、席に着こうとする。
だが・・・・。
「ちょっと待ってくださいね~?他にはないんですか~?」
リリ教官が少し不満そうな顔で、ミハイルに問う。
「え・・?はい。そうですけど・・・。」
ミハイルはそれでいいと思っていた。
リーシェもここで紹介されるようなことは知っていた。
故に、ミハイルの紹介は少し素っ気ないなとは思いつつもさして問題視することでもないと思っていた。
しかし、教官はそうではなかったらしい。
「いけませんねぇ~。仮にも、一年以上付き合っていくんですよぉ~?最低、使用できる魔法属性と~、装備品の紹介、プラスαで趣味くらいはぁ、言うべきですよぉ?」
ミハイルは渋々といった様子で再び立ち上がる。
「あぁ~・・。属性は生活魔法しか使ったことないんで分かんないです。得物はこの剣。趣味というか日課ですけど、鍛錬は欠かしていません。・・・・これでいいですか?」
「はい、よくできましたぁ。じゃあ次に・・・、オルランドさん。」
ミハイルはキョロキョロと辺りを見回す。
すると隣にいたリーシェがすっと立ち上がった。
「私はリーシェ。リーシェ・オルランドです。得意な魔法属性は、水氷系統と光属性です。装備はこのロッドです。趣味は読書です。一年間よろしくお願いしますね。」
リーシェはにっこりと微笑む。
その柔らかな微笑みに、男女問わず地味に癒されていた。
その後も恙無く自己紹介は進み、最後の一人となった。
しかし、ミハイルはその最後の一人を見るや否や戦慄した。
「(・・・障・・気ッ・・!?)」
「最後は・・ウォーレンくん。」
紅い髪の少年がすっと立ち上がる。
「アレン・ウォーレン。得意魔法は火炎系、闇。装備は鎖鎌。見ての通りオッドアイだが、よろしく頼む。」
オッドアイと言われ、やっとここでミハイルは障気の原因に気付いた。
「(・・・・・魔眼持ちか・・。)」
彼の瞳は右が髪と同じ紅、左は黄色に五芒星。
左目が魔眼となっていた。
障気も五芒星も普通の人族には見ることが出来ない。
同じ魔眼持ちであるからこそ、アレンの魔眼に気付くことができたのだ。
魔眼にも種類があり、その種類によって効果が異なる。
アレンの魔眼は特殊攻撃型。
そのため、彼はミハイルが魔眼持ちであることには気づいてない。
ミハイルの魔眼は上記二つだけでなく、魔力線なども見ることが出来る。
「(攻撃型の魔眼・・・。ランクはAA+といったところか・・・?あのレベルだと少し制御を誤っただけでも危険だな・・・。)」
ミハイルは要注意人物としてアレンをマークすることを決めたのだった。




