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転生人語 ー紫の語りー 紫式部は現世も見て物語を書いていたのかもしれない!?  作者: 岩田 ヒロ
光源氏(ひかるげんじ)

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指摘と誹謗の境界線

 昔から、頭のいい人は嫌われ者になることが多い。しかし、そんな人のそばには必ず良き理解者がいて、結果として大きな成功をつかむこともある。ここにも、そんな上司に振り回されながら悩む若者がいる。


 ***


 僕の上司は、人前で平気で悪口を言う。お客さんだろうが、上司の上司だろうが、部下だろうが、嫌いな相手の欠点をズバッと言うのだ。


 ただ、その悪口が妙に的を射ている。僕自身、聞いていてスカッとすることがある。

 けれど、あまりにしつこく繰り返されると、さすがにうんざりする。


 僕以外の人は、ほとんどが彼を嫌っている。

「そのうちパワハラで内部告発されるよ」と言う人もいる。


 それでも彼は長く組織の長として認められている。理由は簡単で、頭がキレるのだ。悪口も鋭く、改善すべき点を正確に突いてくる。その指摘を反映すると、実際に業績が上がる。


 悪口には二つある。ただの陰口やねたみ。そして、普通は言いたくても言えない欠点やミスの指摘。彼は後者を、驚くほど適切に言う。ただ、職場で大声で言うのは困ったものだ。


 しかし最近は、それも一種の“パフォーマンス”なのだと思うようになった。彼の言葉は社員の心に知らず知らず入り込み、バイアスとなって職場の空気を変えていく。


 そんなことを考えているうちに、僕はいつの間にか彼の鋭い思考を尊敬するようになっていた。けれど、僕は決して同じようには言えない。 


 嫌われたくないし、あれほど自信を持って指摘できないからだ。


 ***


 そもそも、世界の人々は昔から議論好きで、それによって社会は発展してきた。日本人は空気を読む人種で、議論を避けがちだ。


 鋭い人ばかりでも話はまとまらず、空気を読む人ばかりでも変化は生まれない。


 昔から、そのバランスが大事なのだ。とはいえ、昔から「壁に耳あり、障子に目あり」と言う。悪口であれ指摘であれ、うまくコントロールできる人が必要なのだ。


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