転生人語 #017 ―外見よりも、大事なものがある ―
人は外見で人を判断しがちだ。その外見に惑わされず、その人の性格を知ることができるかは、難しいことかもしれない。ここにも迷える男の子がいるようだ。
***
「先輩、美人は三日で飽きるけど、ブスは三日で慣れるってことわざ知ってますか?」
「はぁ? 知らない。誰が言ったの?」
「僕なんですけどね」
大学のサークルの後輩がこんなことを言った。確かに彼の彼女はあまり美人ではない。これまでも彼の彼女と何度か会ってきたが、いつもそれほど美人というタイプではなかった。しかも今回は、かなりふくよかだ。
僕なら彼女が「付き合って」と言ってきても断るし、まして僕からアプローチすることはない。だから僕は失礼とは重々理解した上で、後輩に聞いてみたのだ。
「あの子のどこが気に入ったの?」
そして彼は、冒頭の言葉を教えてくれたのだ。
そんな彼は常に彼女と行動し、惜しみもなくサークルの飲み会や旅行に連れてくるのであった。僕は彼女をそういった場に連れてくることはなく、いつも二人でデートする方が好きだった。僕はそんな彼を、ある意味尊敬していた。僕なら恥ずかしくてできないと考えたからだ。
「先輩も一度でいいから、外見を度外視して女の子と付き合ってみた方がいいですよ。優しいし、つくしてくれるし、最高ですから」
「え、じゃあ、そういう基準で選んでいるの? あまり可愛くない子を選ぶみたいな」
「そうっすよ」
僕にはかなり衝撃な発言だった。けれど彼の名言、迷言? は長い間、僕の心に残った。
会社に入り、何人かの女性と出会い、別れてきた。その度に、彼の言葉が妙にしっくりしてくるのだった。
今、僕の横にいる彼女は化粧をあまりせず、服もいつも地味だ。胸もそんなに大きくはない。でも、結婚することにした。最終的には彼の言葉に納得できたからだ。彼女がいるだけで最高だし、出会えたことに感謝しかない。
***
そうそう、そもそも、そう思えた彼女に出会えただけでも奇跡だ。着ている服なんて忘れてしまうし、長い人生、お互いに老けていくものだ。ケンカしてもいいけど、末長くお幸せにと願っておるよ。
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