第80話:ついにスーパーエースの座から陥落!!
ジャー4年目の橘周は、今年32歳を迎える。ここまでプロ野球2年目から7年間して超人的な活躍を続けてきた、
・プロ野球2年目:15勝3敗、255奪三振
・ 〃 3年目:25勝1敗 358奪三振
・ 〃 4年目:21勝5敗 306奪三振
・ 〃 5年目:23勝3敗 332奪三振
・メジャー1年目:26勝2敗 425奪三振
・ 〃 2年目:24勝3敗 415奪三振
・ 〃 3年目:20勝0敗 358奪三振
6年連続20勝300奪三振、防御率1点台と近代ではありえないスーパーエースとして活躍してきた。しかもDHを解除したり、時々野手として出場する等プチ二刀流選手としても活躍した。
さらにアメリカ産まれ、アメリカ育ち等の高感度もあり、アメリカのネットやテレビでも連日のようにCMや広告で目のすることが非常に多くなっていた。
しかし。今シーズン、ついにスーパーエースから陥落してしまう!!
昨年の腰痛による離脱から回復したものの、シーズンオフには腰と脇腹の思い感じに悩まされていた。そのまま自主トレ、キャンプを経てシーズンインとなった。
その結果、まずストレートの威力が薄まった。やや遅くなっただけでなく、浮き上がる幅が小さくなった。また高速の変化球である、ツーシームと縦割れシュートのスピードもやや遅くなった。
対策として、ライジングカッターの割合を増やし、チェンジアップを武器として使う場面が増えた。
腰や脇腹を悪化させないために、バッターや野手としての出場は原則禁止としたので、昨年までの魅力が半分以下になった感じがする。
それでもアンダースローではダントツの速さ、制球力(コントロールの良さ)、球種の多さ等で先発ローテーションをなんとか死守した。
高めストレートの威力が弱まったことで、ファールで粘れることが増え、より際どいコースを狙うことで、ストライク率が初めて70%を下回った。そのためいわゆるイニングイーター(先発して7,8回まで投げるピッチャー)では無くなり、5,6回で上がることが多くなった。
7月末時点で10勝4敗と粘ってきたが、ここで故障者リスト入りした。昨年のように急に悪くなったのではなく、イマイチの状態がもう一段悪くなった感じだ。10日間で復帰して、その後6度の先発をこなした。
しかし9月中旬に、もう少し重い症状が発症し、シーズンを終えることとなった。シーズン終了前に自身のシーズンを終えるのは初めてのことだ。身体全体としては元気なのに、腰や脇腹の慢性的な不調に悩まされたシーズンとなり、悔しくはがゆい1年となった。
最終成績は、12勝6敗、防御率2.63、奪三振221とスーパーエースから陥落したが、エース級の成績であることには変わりない。年俸は出来高含めて39億円でその他広告収入は驚愕の80億円ほどにUPしていた、
でも昨年までの活躍を目の当たりにしてきた、ファンやメディア等を含めた世間のガッカリ感は、大きかった。
辛辣な声も聞かれた。
「ピークが過ぎて、大幅に下降した」
「もうオワコン」
「6年、7年無理をし過ぎて、勤続疲労が一気にきた」
さらにアンチの厳しい意見として
「広告やニュースに出まくって飽きていたから、これで開放される」
「好き放題してきたから、ざまあみろ」というものまである。
果たして橘周の野球人生が今後どうなっていくのか???