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地上10センチから世界を征する 剛腕の左のアンダースロー  作者: 伊藤ライリー
メジャーリーグ編
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55/304

第55話:いよいよメジャーでTwo Way Player(二刀流)デビュー

メジャーでは、2,2ヶ月で先発としては通用しなくなるかも・・・という危惧を跳ねのけ、最多勝レースをトップで爆心している。身体の丈夫さタフさも証明され、二刀流にゴーサインが出た

日本のセ・リーグはDH制度ではないために、ピッチャーで登板する日に打席に立つが、メジャーリーグでは全てDH制のため、橘周は一切打席に立ってい無かった。


6月に入ってようやく「Two Way Player(二刀流)」として出場する機会があった。


8番ピッチャー、約束事はケガを防ぐために盗塁禁止。

1打席目:メジャーの剛腕投手のストレートについていけず三振

2打席目:スライダーをなんとか当ててファーストゴロ

2打席で7球を見て少し慣れてきた。

3打席目:左ピッチャーなので右打席で、スライダーをセンター前。メジャー初ヒット。

4打席目:今度は左打席。ピッチャーとしては降板した直後、2:2の同点の場面。ピッチャーのチェンジアップを右中間に飛ばして勝ち越しタイムリー。快速を一気に飛ばして3塁打にした。普通なら2塁打のところ、大きなストライドでメジャー最速クラスのスピードを見せつけ、球場が沸いた。その後犠牲フライで4点目のホームを踏んだ。


7回2失点で10勝目を上げたが、その勝利打点を自ら上げる活躍だった。


1打席目は、全然合わずに「DH打たせるのは失敗だろう」というムードが広がっていたが、打席ごとにタイミングを合わせていき、最後は三塁打とアジャスト能力の高さも見せた。


しかし何といっても三塁打の時のスピードが、観客の度肝を抜いた。大学時代に100m走10秒38で50m走が5秒85だったため、日本プロ野球最速と言われていた。が実は、その後のプロ野球での訓練により、自分ではもっと速くなっていると感じていた。29歳の今が最速であると。特に50mは日本記録の5秒75にかなり近くなっていると密かに確信していたのだ。


 ==

 プロ野球選手で過去に50m5秒6や7という触れ込みの選手がいるが、恐らく 

 それは手動のストップウォッチでの計測だ。

 日本記録の5秒75はもちろん電気時計。ストップウォッチと電気時計の差は

 最低0.24から0.4秒ぐらいなのだ。

 ==


その日の試合後、監督・コーチの首脳陣の間で打合せが行われた。

監督「周のバッティングは実践向きだね。試合中にどんどんアジャスト

   していったね」

コーチA「これは、登板が無い日のDHも有かもしれないですね」

監督「そうだね。でもケガや疲労が怖いので、暫くは登板日に限るかな。

   でも悩むなあw」

コーチB「それよりも三塁打の走りが速かったですね。全力では無かった

     ように見えたのに、 11秒切っているみたいです」

監督「それってメジャーでどのレベルだったっけ?」

コーチB「トップレベルです。ひょっとしたら本気で走ったら1番かも

     しれないです」

監督「なるほど!速いと思ったけどそこまでとは!これは選手使い切った

   時の代走も考えないといけないかもな」

コーチA「もしもの時の代打もありかもです」

監督「そうだね。嬉しい誤算だなあ」



メジャー1年目で6月に早くも10勝を上げ最多勝の投手が、メジャーで一番足が速いかもしれないという事実に、首脳陣もワクワクが止まらない様子だった。




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