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地上10センチから世界を征する 剛腕の左のアンダースロー  作者: 伊藤ライリー
メジャーリーグ編
48/214

第48話:メジャーリーガーとしてのオープン戦登板は、気持ちよく打たれた!

メジャーリーガーになった左のアンダースロー橘周が、オープン戦に登板した。


結果は散々だ。ここまで2試合になげ、2回3失点と3回3失点と防御率10.8。

ホームランも3本打たれている。


アメリカのメディアでは、

「やっぱり左のアンダースローでは通用しないではないか?」

「ムダな買い物だったのでは?」

「日本で3年連続20勝以上したことで、勤続疲労でピーク過ぎてアメリカに来たのではないか?」

等わずか2試合の結果で、批判的な論調が並んだ。


でもこれには秘密があった。監督の方針もあり、まずはメジャーのマウンドや

試合展開に慣れることを優先して、無理して全力の投球は控えるようにというものだ。結果を求めて、慣れる前にケガをしたら元も子もないからだ。


橘周本人としても、試したいことがあった。それは高めストレートの伸びが無かった場合、どんな打たれ方になるのか?である。感想として「さすがメジャー、威力の無いボールはあっさりホームランを打たれてしまう」だった。


後は、メジャーの一流打者は、アウトコース低目のボールもきっちり打つことができるし、リーチが長くて届いてしまう。こういった予想されていたことの確認がリアルにできたので収穫である。


そして3試合目。ここでホームラン連発でもされたら、監督も?がつきかねないので、結果求めて投球した。3回1失点だが、ホームランは無しと可もなく不可もなしであった。ただ高めストレートの伸びがあり、奪三振4とシーズンに向けてかなり状態が上がったと言える。ただ後20%のアップデートをしたいところだ。


メディアの論調は少しましになったものの、

「せいぜい年間8勝」

「やはり中継ぎ向き」

等とまだネガティブなものが半分以上であった。


しかし、監督の評価は、それよりは高く、先発ローテーションを守れば10勝以上は固いと考えていた。


かくして開幕第4戦目の先発が決まった。

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