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地上10センチから世界を征する 剛腕の左のアンダースロー  作者: 伊藤ライリー
メジャーリーグ編
47/170

第47話:いよいよメジャーのキャンプ地に降り立つ

年が明けて2月ドジャースのキャンプ地に到着した

ドジャースに入団した左のアンダースロー橘周と、トレーナー兼マネージャーで帯同している高井は、キャンプ地のアリゾナに到着した。


「ついに来ちゃいましたね」

「俺本当に着いてきて良かったのかね?」

「そうですよ、大きい会社辞めてまでねw」

「おいおい、でも最低5年間はクビにしないでくれるよね」

「10年でしょう」

橘周は、元会社の先輩で、アンダースローの産みの親である高井と高井の家族の人生と生活も背負っていたのだ。


高井は、トレーナーとしてのいくつかの資格を取り、英語と栄養学と学び、年末に会社を退職して橘周と専属契約をした。特別にキャンプ地の帯同が許されている。球団との契約ではないが、シーズンインしても、ドジャー・スタジアムで試合がある時は、試合中のベンチ以外の立ち入りが許可されている。


橘周は、先発ローテーションピッチャーを予定しているが、チャンスがあればそのうち外野やファーストを守ったり、代走としての出場もあるかもしれないので、日々トレーニングや準備や研究に忙しいため、高井の仕事は身体のケアだけでなく身の回りの世話もするのだ。大学時代に、アナライザーを任された経験もあり、夜はマンションで一緒に対策を考えたりもする。将来は、球団のアナライザーになることも高井の目標の1つだ。そのためには、1年で英語ペラペラになる必要があるので、橘周が遠征している時は英会話スクールにも通う予定だ。


後は、日本のメディアに対して自由にしゃべって構わないという橘周の免罪符があるが、実際には球団の許可をもらう必要があり、それには当分時間がかかるだろう。


さて、橘周は、中学2年までアメリカ育ちなので、日本のプロ野球のキャンプに初参加した時より、ドジャースのキャンプの方がずっと気軽に感じていた。ただテレビで見たスーパースターがゾロゾロいるので、気後れというより憧れの感情が大きく、何日かはドキドキしていた。


3年前のWBCでアメリカ相手に、奪三振ショーを繰り広げたこともあり、選手やスタッフは皆橘周のことを知っていた。


初のブルペン投球には、監督、コーチ、選手がぞろぞろ集まってきた。あらためて間近で見る左のアンダースロー、それも右膝を高めに上げてから身体を折り曲げて地上スレスレから投げる、アンダースローらしいアンダースローのフォームに皆興味津々だった。アンダースローなのに、カッコよくて力強いフォームだ。でも高めストレートが浮き上がるのは、もう少し先のことで、今は80%以下の力で投げている。


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