第43話:理想のバッティングフォーム
左のアンダースロー橘周は、プロ入り5年目も終盤。
プロ入り3年目からバッティングも開花し、今年の5年目も少ない打席とはいえ打率3割をキープしていた。ピッチャーには、厳しいインコース攻めがほとんど無いので得をしている面もあるけど、先発ローテーションピッチャーで3年続けて3割を超えるのは、前代未聞の出来事。
橘周は、理想的なバッティングフォームがあった。それは元広島カープの天才前田智徳氏だ。とにかくシンプルで、全身をうまく使って、強振して無さそうなのに、打球が飛ぶ。またボールを叩くというより、「運ぶ」感じだ。当然前田智徳氏ほどの完成度には至っていないが、毎年少しずつ近づいている感じはしている。
そしてもう一人意識している偉人がいる。それは元西武ライオンズのスーパーアスリート)秋山幸二氏である。バッティング、守備、走塁全てに卓越し、そしてホームラン打った時のバク転パフォーマンスと、まさに理想的な偉人である。秋山幸二氏のバッティングも力感が少ない割に飛距離が出ていたバッターなので、少しマネをしていた。
橘周は、体重は現在85キロ(身長183cm)であり、いわゆる細マッチョだ。実は父親の言いつけで、体重90キロ未満、体脂肪率10%未満という厳しい体重管理をしている。183cmで95キロを超えると、30歳過ぎに下半身が故障持ちになるという父親の説だが、橘周本人もそう思って、日本にいる間は85,6キロで押さえてきた。ただ握力90キロ超え等腕力はけっこうなものだ。それと足腰のバネ、瞬発力があるから、バッティングにもそれらを活かしているのだ。
来年デビュー予定のメジャーリーグは、両リーグともにDH制なのでバッティングの出番は少ないだろう。それでもピッチャーとしての地位を確立したら、野手としても挑戦してみたいと密かに考えていた。




