第26話:メジャーリーガー目指して準備開始
伝説のシーズン3年目が終わったオフ。橘周は、温泉でゆっくり疲労回復に努めていた。
シーズンを終え、橘周は、休養を兼ねて温泉街にいた。そこにアンダースロー挑戦を発案し、支えてくれた高井を誘っていた。
「今年の活躍は俺の予想を超えて凄かったぞー」
「いえー、それもこれもアンダースローを勧めてくれて俺を引き出してくれた高井さんのおかげですよ」
「去年はハワイ旅行もプレゼントしてくれて、家族も本当に喜んでいたぞ。しかし25勝1敗も防御率も凄いが、三振350が一番凄いよ。最初に高めストレートの伸びを見た時プロで活躍できると思ったが、ここまでとはね」
「でも昔の名投手、江夏豊さんの400三振には全然及ばないですね」
「400か!でもまだ何回でもチャンスあるやろ。ところで相談があるんだが」
「なんすか?」
「お前メジャーにいつ行くんだ?」
「どうすかね?まだ3年ですからね。でも来年18勝とかできたら球団に直訴しようかと思ってるんですよ。できるだけ若い間に行きたいと。内緒ですよ。」
「それでさー。俺お前がメジャーに行く時付いて行っていいか?」
「えっ、俺通訳いらないですよ。それに高井さん英語できないっしょ」
「通訳じゃないよ(笑)。専属トレーナーさ。元々少しは知識あったけど今資格を取るための準備してる。それにな、英語もやってて、TOEIC600点までいったぞ」
「えええ!ホントですか?それって俺とアメリカ行くつもりでですか?」
「へへっ実は去年の夏からそう思って準備してきた」
「言ってくださいよ」
「いや、お前も去年15勝してメジャーのことを少し考えるようになったように、俺も実際にやってみて多少の見通しがたたないとお前に相手にされんと思ってね」
「マジですか?いやーそれはありがたいです。来年年俸3億になるんで、このままいけば充分先輩を養えますからね。1人で挑戦するより相方がいた方がいいですから」
「そうか、ほっとした。無視されたら1人でアメリカ行こうかと思ってた(笑)。じゃあ資格取るんとTOEIC700点だなあ。頑張るわ」
橘周は、高井の思いを知って身震いした。こりゃー怪我をせずにメジャーへ行って、活躍しないとダメだな。益々毎日身体のケアと訓練をもくもくとこなすためのモチベーションになる。
メジャー挑戦を叶えるための目的が増えた橘周