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第10話:約1ヵ月ぶりの1軍復帰。しかしいきなり・・・

左のアンダースロー 橘周は、約1ヵ月ぶりに一軍に合流したわけだが、いきなりの2アウト2塁の場面で緊急登板だ。いわば命懸けの勝負をしている一軍監督は容赦が無いww。


ここでは得意の左打者だけど、次の打者が二軍降格のきっかけとなった逆転スリーランホームランを打たれた打者だ。だからこの左打者で打ち取らないと、ちょっとやばい、もしかしたらその前にピッチャー交代になるかも・・・

とツイツイ意識してしまった。しかも高めストレードがボール判定だ。そんなこんなでフォアボールを与えてしまう。


慌てて投手コーチがすっ飛んできた。

「続投ずるぞ、お前桑村コーチになんと言われた?」

「色々言われましたが、『ピンチの時は、心を燃やして、反対に身体はリラックスして柔らかくしろ』でしたかね?」

「さっきは、身体に力みあったんじゃないのか?」

「そうでした。力入ってたと思います」

「そうだろ?監督からのメッセージは、『もう一回逆転スリーラン打たれてこい。全力だったらそれでいい、でも縮こまって打たれたら許さん』だ。分かったな!」

「分かりました!」


キャッチャーからは「初球シンカーで様子見 と言いたいけど、高めストレート投げてこい」と言われて、覚悟が決まった。


もう恐れるものは無い。例えここで再び逆転スリーランホームランを浴びて、二軍行きになり、これきっかけでクビになっても、なんとでも生きて行ける。だから今はリラックスして、身体ぐにゃぐにゃのイメージで腕を振りまくれ!


そうつぶやくと、楽しくなってきた。思い出した。アメリカでのダンス大会決勝や陸上の決勝戦もこんな感じで、楽しかったなーー。


身体がリラックスしていることを確かめるために、1塁への牽制。よし身体の力は抜けた。


初球:高めストレート空振り。バットがボールの10㎝下をくぐった。よし、大丈夫。

2級目:外角寄りの低目にシンカーを沈めた。また空振り。追い込んだ。

3球目:外角外し気味のツーシーム。ボール。これは仕方ない。

4球目:内角高めストレート。空振り三振!!最後は打者の方が明らかに力んでいた。今回は最後橘周の熱量が上回った。しかも145キロの手元でややホップするストレート。まあこれが決まれば打つのはかなり困難だ。


次の回も打者3人で2三振と好投した。1ヵ月前の醜態とも言える悪夢を振り払うことに成功した。これでまた1つハードルを越えた。


==

その昔斎藤雅樹投手が最初に20勝した年の1勝目に似てる。当時藤田監督の明るい激励でピンチを脱した斎藤雅樹投手は、その年見事20勝に達し、歴代最高のサイドハンド投手として長く君臨した。

==


監督の元には、桑村コーチの進言が届いていた。「橘周は、近い将来先発で15勝あげる投手になる逸材かもしれません。擦り減らないようにお願いしますね」というものだった。


そこで、ルーキー特権として、橘周には2連投した次の日は、延長戦にでもならない限り投球練習もさせないというもの。凄まじい身体能力を備えた橘周であってもルーキー特権を与えることにしたのだ、


桑村コーチの教えとチーム方針により、橘周の無双がスタートするのか!


橘周はどうにか、ピンチを潜り抜けた。しかも悪夢の逆転スリーランホームランを打たれたバッターを三振にとったのだから、大きな山を乗り越えた感じだ。ここから無双が始まるのだろうか!?

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