『クロ吉の冒険1 中編』
僕達は可奈ちゃんのお母さんに連れてこられた白いお家に着いた。白いお家は真っ暗で誰もいないように僕は思った。
「クロ吉、どうする?この白い家に明るくないってことは可奈ちゃんって子は白い家にいないと思うのだが・・・」
僕にはまだ可奈ちゃんがこの白いお家にいると僕は思えた。 「さすがに冷えるな」 ニャン五郎は僕を見ながら
「クロ吉、今日は諦めねぇか?オイラがクロ吉を起こさなかったせいもあるが・・・」ニャン五郎にも気を使わせて悪いと思った。
「ニャン五郎、僕はここで・・・」 「クロ吉ー、あのよ、クロ吉させよければ今晩オイラの家に来ないか?」
僕は少し戸惑った。僕は野良猫時代でも人の家によばれたこともなければ停めてもらったこともないと思う。
「僕はその・・・お呼ばれしたことないから」 僕はおもわず下を向いてしまった。
「あのよ、オイラもその・・・家に呼んだことないから クロ吉、オイラの家にこいよ」 僕は変に照れながら頷いた。
「オイラの後について来てくれ」 僕たちはまた狭い茂みを抜けて、細長い塀の上を歩いて、見たことない入口の前にたどり着いた。
ニャン五郎は入口の手前で止まり「クロ助、ここから先からオイラの家だ 覚悟してくれ」 僕は笑いながら何を覚悟するのだろうと思った。
ニャン五郎はやらかそうな壁に突っ込んで行く、そのまま奥まで体がすっぽり入り僕もニャン五郎の後を続くように中に入っていった。
お家の中は可奈ちゃんのお家より広いように見える。 「クロ吉、こっちだ」 僕はニャン五郎の後を追いながらも周りが気になってしょうがなかった。
「あれ、ニャン五郎 おかえり」ニャン五郎は突然抱き上げられた。 「あら あら ニャン五郎のお友達?こっちの子、可愛い」 僕も抱き上げられてぽっペをスリスリされる。
「ねぇ、お母さん、この問題分からないのだけど」 「あー、その子、かなちゃんとこのねこさんに似てる。かなちゃんとこのねこさんだっそうしたとかでさがしてるって。」
「まぁ、大変、早速、可奈ちゃんのお家に電話してあげないと」 僕は床に下ろされた。 「なっ 大変だろ、オイラの梨奈ちゃんのお母さんはオイラ達を見ると持ち上げてスリスリしたくなるからな」
僕は汗をかきながらニャン五郎の後を追いかけた。