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『クロ吉と可奈ちゃん』

僕は黒猫のクロ吉、毛並みが黒いというわけでクロ吉と付けられた訳でものなく、飼い主の可奈ちゃんの思いつきでクロ吉と名付けられた。


僕がクロ吉と名付けられてから3ヶ月の月日が流れた。拾われる前の僕は傷だらけで生きるためにはなんでもしていた。 僕が何日も食べる物もなくついに力尽きて横たわていた僕

を可奈ちゃんに拾われたみたいだ。


それから何日かは動けないまま、可奈ちゃんにご飯の残り物を食べさせてもらっていた。可奈ちゃんの看病のおかげで僕の体は動けるまで回復した。数日が経つと僕の体に巻かれた

包帯も外されて体の傷もすっかり治っていた。


可奈ちゃんは僕を抱きかかえて「怪我が治ってよかったね クロ吉」と言ってくれた。僕は嬉しさのあまり可奈ちゃんの顔を『ペロペロ』舐めた。 可奈ちゃんはくすぐったいと可

奈ちゃんの笑顔を見せてくれた。


それを見ていた可奈ちゃんのお母さんは何かを可奈ちゃんに伝え始めた。笑顔だった可奈ちゃんの顔が寂しそうな顔で僕を見ている。僕は可奈ちゃんから目を離せなくなった。


可奈ちゃんはどうしたのだろう・・・ 再び可奈ちゃんのお母さんが何かを言われると可奈ちゃんは部屋に戻り、赤い何かを背負って玄関のドアの前で立ち止まって、僕の方を見つ

めた。 可奈ちゃんは涙を零して、振り返らずにドアの向こう側に行ってしまった。 可奈ちゃんはこの時間になるとお昼をまわらないと帰ってこない。


いつも時間帯になっても可奈ちゃんは帰ってこない。僕は可奈ちゃんを待つのに疲れて眠りについていた。僕はちょうどいい温さで少し体が揺れるもののねこごちがよかった。


僕の体が左右に激しく揺れ始め、僕は目を覚ました。見上げると僕を抱きかかえ息を切らせながら走る可奈ちゃんが目に飛び込んできた。


可奈ちゃんは息を切らせながらも僕を抱きかかえ走りづけている。走るのに疲れた可奈ちゃんは公園のようなとこでブランコに座り、僕を膝の上に置いた。


可奈ちゃんは僕を見て急に涙が零れる。零れた涙は僕の顔に・・・僕は可奈ちゃんの涙を舐める、すると可奈ちゃんは「ごめんね、クロ吉・・・」可奈ちゃんは何も言わなくなった

。僕は不思議と首を傾げる。


ひどく寂しそうな顔をする可奈ちゃんは僕を見ながら「ママとお約束でクロ吉の怪我が治るまでお家で飼って上げれるって約束だったの でも可奈はね・・・」 可奈ちゃんはその


まま泣き出してしまう。僕はどうしたらいいか分からず可奈ちゃんの顔を必死で『ペロペロ』舐めた。 すると可奈ちゃんはくすぐったいと少し笑顔を見せてくれた。


少し笑顔になった可奈ちゃんは僕を抱きしめて「クロ吉とはずっといっしょだからね」僕には可奈ちゃんの言葉はよくわからないけど、僕は可奈ちゃんに必要とされてると思えた。


僕と可奈ちゃんはこの公園みたいなとこに来てから何時間たったかわからない。辺は暗くなり、僕は月の光で可奈ちゃんのなんとか見えるぐらいだった。 


「クロ吉、お空が真っ黒だね きっと ママとパパ心配してるね」僕と可奈ちゃんは光り輝く空を眺めた。「可奈ね、お星様がいっぱいの時にね、クロ吉と会ったんだよ」


可奈ちゃんは嬉しそうに僕と出会った時のことを話してくれた。「可奈がね遅くなるまでお砂場で遊んでてね」僕はじっーと可奈ちゃんを見つめると可奈ちゃんは楽しそうに話してく

る。「可奈がママに怒られると思ってね。帰り道にね」 僕はこんなに楽しそうに話してくる可奈ちゃんといっしょに居たいと思った。「可奈は傷だらけのクロ吉を見つけたの・・・可奈はね、急いでね。お家に・・・」


可奈ちゃんは今にも泣き出しそうな顔を僕に見せた。 「ママ、パパ・・・」  「可奈ちゃーん、可奈ちゃーん」  今の声は可奈ちゃんのお母さんの声 「あ! ママの声だ」 可奈ちゃんは僕を抱き変えてブランコから立ち上がった。


可奈ちゃんは可奈ちゃんのお母さんの声が聞こえる方に歩きだした。 可奈ちゃんは可奈ちゃんのお母さんを見つけると泣きながら「ママー」と走り出した。可奈ちゃんに強く抱きしめられた僕は痛くも嬉しい気分に思えた。


「どこまで行ってたの 可奈ちゃん」 可奈ちゃんのお母さんは心配そうに可奈ちゃんを抱きしめた。「ママ、可奈ね。クロ吉とお別れすること出来ないよ・・・」可奈ちゃんは僕を見ながらお母さんを見れなくなった。


そんな可奈ちゃんの姿を見た、可奈ちゃんのお母さんは可奈ちゃんを見てにっこり微笑んで「可奈ちゃんがちゃんとクロ吉の面倒見てあげるのよ」 可奈ちゃんは笑顔で「ママ、大好き」 僕達は可奈ちゃんのお家に帰ることになった。

 

 

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